「パパ大変よ」
「なんだ」
「うぐいすの林がとうとう切られちゃったのよ」
 霧 霧 霧
窓の外の見慣れた景色、

そこの小さな林たちが切り取られたように
青空になっている
道路の新設で、その真ん中に立ちふさがっていた10本ほどの小さな林

いつかあの木々たちが伐られてしまうだろうことを
ご主人様は心配していたのである。

毎年梅の花の咲くころ

ホーホケキョ  ホーホケキョ  ホーホケキョ
  
       ホーホケキョ  ケキョ ケキョ

と初春の季節、近所に鳴き声が響くいた

ご主人様はある時、その鶯の声を追跡して
近くのあの木の下にたどり着いたのでした。

林の木々の見えないながらも
下から見上げた、その木のどこかに巣があるようでした

やがて車の行き交うアスファルトの路は、何事もなかったように完成し
林も人々の記憶から消えてしまうだろう

ご主人様と、奥様は林のあったほうをみつめ

「うぐいすはどうしたろうね どうなったのかな」

と心配そうに眺めていました

「近くの木から、今年も鳴き声はきっと聞こえてくるとおもうわ」

と奥様がつぶやきました


ワン 霧しっぽフリフリ