H4O水素水のブログ -5ページ目

光化学スモッグの原因・オキシダントをネットで予報

 県環境保健研究センター(大村市)は、光化学スモッグの原因となる光化学オキシダントの予報システムをインターネット上に公開した。注意報発令が相次いだ昨年の状況を受け、県民の自衛に予報を役立ててもらう。


 光化学オキシダントは大気中の窒素酸化物や炭化水素が太陽の紫外線で化学反応し発生する。急性の健康被害では目や鼻、のどに刺激を感じる。中国からの原因物質流入が一因とされ、昨年は五月上旬に注意報発令が相次いだ。


 予報は午前九時、十時、十一時のデータを基に更新。地図上の星印で「注意報発令の恐れ」などと表示する。


 同センター環境課は「注意報発令の回数が年々増えている。発令の恐れがある場合は、外出や屋外での激しい運動を控えるなどしてほしい」と呼び掛けている。予報システムを掲載している同センターのホームページアドレスはhttp://www.pref.nagasaki.jp/kanhoken/


出典:長崎新聞

志賀原発2号機、原子炉を再起動

 試運転中のトラブルで先月から原子炉を停止していた志賀原発2号機について北陸電力は9日午後2時からおよそ1ヶ月ぶりに原子炉を再起動しました。


 志賀原子力発電所2号機はタービンを通った後の排ガスに含まれる水素の濃度が異常に上昇したため先月上旬から運転を停止していて北陸電力では既にトラブルの原因となった部品を交換するなどの対策をとっています。


 こうした対策を踏まえ北陸電力では9日午後2時から志賀原発2号機の原子炉を再起動しました。


 原子炉はすでに核分裂が連続して起きる臨界状態に入っています。


 発電開始は今月中旬の予定で夏の電力需要期を前にした来月には営業運転を始める見通しです。


出典:北日本放送

温泉:北海道・礼文島で初 新たな観光スポットに期待

 花の名所として知られる北海道・礼文島の礼文町が、町内初の温泉を掘り当てた。来秋の完成を目指して入浴施設を建設する予定で、新たな観光スポットとして期待を集めている。同町建設課は「観光客だけでなく町民にとっても待望の温泉だ。町の活性化につながる」と話している。


 島の地下の岩盤は緻密(ちみつ)で硬く、地下水が少ないため温泉は出にくいと考えられていた。町は島民らの要望が強いため、道立地質研究所(札幌市北区)の技術支援を受けて温泉開発に着手。昨年6月に同町香深(かふか)で掘削を開始し、約1300メートル掘り進んだ同12月に温泉源に到達した。


 約50度の湯が毎分240リットルわき出ており、無色透明でわずかに硫化水素のにおいがする。その後の成分分析でナトリウムイオンや塩素イオンを多く含む「アルカリ性低張性高温泉」と判明した。神経痛や慢性皮膚病などに効能があるという。


 入浴施設は日帰り専用とする。今後設計を進め、今年秋ごろに着工する予定だ。町にはレブンアツモリソウやレブンウスユキソウなど希少植物が多種類生育し、全国から観光客が訪れる。


出典:毎日新聞

BMW流の水素エンジン

 水素エンジン搭載車を開発しているメーカーは数社あり、その中でもマツダの水素ロータリーエンジンは特に有名です。しかし、同じ水素を燃料としながら、まったく違うアプローチで開発を進めているのが高級セダンの雄、ドイツのBMW社です。


 マツダが圧縮水素でロータリーエンジンを動かすのに対して、BMWが開発した水素エンジン車「Hydrogen7」では、液体水素でレシプロエンジンを動かすのです。燃焼温度の関係でレシプロエンジンよりロータリーエンジンを選択したマツダに対し、新型7シリーズに搭載される6リッターV12エンジンというモンスタースペックのレシプロで水素燃料に挑むBMW。行き着く先は同じなのに、辿る道がまったく別なのが興味深いところです。


 両水素のメリットとデメリットを簡単に挙げると、圧縮水素はあまり純度が高くなくても燃焼させることができますが、水素分子が小さいために貯蔵タンクをすり抜けてしまうという欠点があり、その保存方法がネックになっています。液体水素は文字通り液体なので保存しやすいのですが、熱に非常に弱いために-252.6℃を越えると蒸発してしまうという欠点があります。現時点ではどちらも一長一短であり、どちらが優れているのか、どちらの水素が正解なのかは、まだ答えが出せないようです。


 BMWがエコに対してどのような考えを持っていて、水素自動車の開発がどのくらい進んでいるのか。同社のウェブサイトでは特別コンテンツとして水素自動車についての情報を発信しています。読み物としても楽しめるので、ぜひ一読をオススメします。


出典:ASCII.jp

カキで有害物質浄化 全国初の技術開発

 熊本大大学院自然科学研究科の中田晴彦准教授(39)=環境化学=らが、貝のカキを使って、ポリ塩化ビフェニール(PCB)など水中の有害物質を浄化する技術を開発した。生きたカキにいったん有害物質を取り込ませて引き揚げ、排出させて回収する方法で、水俣病発生の仕組みとして知られる「生物濃縮」を逆利用した。自然界では分解されにくいPCBを貝類を用いて回収する技術は全国初で、六月に神戸市で開かれる環境化学討論会で発表する。  二〇〇〇年八月、大牟田川(大牟田市)で環境基準の三百五十倍のダイオキシンが検出されたことが表面化。中田准教授らが川底の泥を調べた結果、ダイオキシンと構造が似て強い毒性を持つPCBが、普通の河川の五~十倍、発がん性が指摘されている多環芳香族炭化水素(PAH)も高濃度だったことが判明、自生していたカキの生物濃縮に着目した。  中田准教授らは〇六年十月、河口から約二キロ上流の汽水域で実験。カキ八十個を沈めて四週間飼育し、泥の粒子に混じって水中を漂う有害物質を体内に蓄積させた。引き揚げたカキはきれいな海水の中でさらに四週間飼育。有害物質をどれだけ蓄積、排出できるかを調べた。  その結果、カキのPCB濃度は三・七倍(一六ppb)、PAH濃度は一六・三倍(三一〇ppb)に上昇。海水に戻すと、PCBとPAH濃度はいずれも最初と同程度まで低下した。  データを基にカキ四千個を四週間飼育したと仮定、大牟田川から実際に除去する量を試算したところ、PCB一・〇~一・二ミリグラム、PAH一六・四~一七・〇ミリグラムだった。PCBの場合、大牟田川の泥の表面二・三平方メートル分を普通河川の濃度まで下げる量に相当した。  中田准教授は「今後、大牟田川の汚染が実際にどれだけ低下するか確認したい。有明海の化学汚染低減に有効な新技術に発展する可能性がある」としている。 出典:熊本日日新聞

家庭用燃料電池、松下が初の量産──発電効率世界最高に、15年に50万円台目指す

 松下電器産業は14日、発電効率が約39%と世界最高の家庭用燃料電池を開発したと発表した。2009年に世界初の量産に乗り出し、一般家庭の6割の電力をまかなえる機種(出力1キロワット)を発売。15年までに価格を50万円台に引き下げて年間10万台超の販売を目指す。家庭用燃料電池は二酸化炭素(CO2)の排出を削減できる環境対応の次世代電源として期待されている。荏原なども量産を計画しており、本格的な普及を競うことになる。  燃料電池は水素と酸素を化学反応させて発電する。今回開発したのは、固体高分子型(PEFC)と呼ばれる新型燃料電池で、一般家庭で使われる1キロワットまでの発電効率を従来より2―3ポイント高めた。発電効率は都市ガスが持っているエネルギーの何%を電力量として転換できたかを示す。新装置は最大39%で、従来の火力発電に近い効率だ。  さらに発電時の排熱を使って温水をつくるコージェネレーション(熱電併給)システムとすることで、エネルギーの利用効率は最大で93%まで高まり、エネルギーの無駄が少なくなる。同じ電力量を発電する場合のCO2排出量でも火力発電に比べ37%減らせるという。  今後1年かけて新装置の実証実験を数百台規模で実施。信頼性を確認した上で09年に販売する。滋賀県に建設していた量産工場を6月に稼働させ、09年から本格生産する。  基幹部品の劣化を抑える技術を開発し、耐用年数も10年(1日10時間で4万時間)まで延ばせるようにした。起動と停止を4万回繰り返せる耐久性も持たせた。  発売当初のメーカー出荷価格は100万円強となる見通し。装置内の触媒の改良などで高価な白金の使用量を減らし、15年には50万円台まで下げて家庭への普及を加速させる。  今後政府の補助金制度が整備され、1台当たり数十万円とみられる負担軽減がなされれば、家庭用燃料電池の販売台数は10年度に1万台、15年度に国内シェア3割強に相当する10万台以上も可能となりそうだ。  15年前後には、中国や欧州などグローバルでの事業化も検討する。 出典:日経ネット関西版

次世代電気自動車のアキレス腱「リチウム」

中国が本格生産開始、原油より厳しい制約資源に  持続可能なモビリティーに向けた次世代自動車として、燃料電池車とともに世界の自動車会社による各種電気自動車の開発競争が激しくなってきた。いわゆる電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)、そしてプラグインハイブリッド車(PHEV)である。  いずれの車種もバッテリーとしてリチウムイオン電池を搭載する。したがって、このリチウムイオン電池の開発が次世代自動車のカギを握っているわけだ。そのため、自動車会社各社は電池の開発をめぐり関連企業との戦略的パートナー関係を構築するなど、その動きは世界中で活発化してきている。  現在のハイブリッド車には、ニッケル・水素電池が使われている。しかし、エネルギー密度が低く、電池による走行距離はわずか十数キロメートルであるため、エネルギー密度が高く、航続距離が長い、しかも安全性に問題がない電池の開発が急がれている。それがリチウムイオン電池である。この電池は、既にラップトップのPCや携帯電話などポータブルの電子機器には多く使われているが、各種電気自動車用には、PC用電池の100倍の大容量高性能電池が必要でありいまだ開発途上にある。  さて、この電池に必要なリチウムの資源事情を見てみよう。  2005年における世界のリチウムメタルの生産量は2万1400トンであった。そのうち主要生産国はチリが8000トン、オーストラリア4000トン、中国2700トン、ロシア2200トンそしてアルゼンチンが2000トンである。リチウムメタルの埋蔵量は、世界トータルで1340万トンのうち、未開発のボリビアが540万トン、生産量で最大のチリが300万トン、アルゼンチン200万トン、ブラジル91万トンで、南米4カ国で、実に84%の1131万トンを占める。  中国は110万トンで、残りは数10万トン規模である。燃料電池車に必要な白金が南アフリカ共和国に、そして石油が中東に偏在していると同じようにリチウムも南米に極端に偏在し、地政学的な不安定性を抱えているのである。埋蔵量の1340万トンについては、米地質調査所(USGS)によると1100万トンと、より低く評価されている。  電池に使われるリチウム資源は、塩湖に賦存しており、主として炭酸リチウムとして産する。炭酸リチウム(Li2CO3)としての埋蔵量は、USGSによると5800万トンとされている。世界のリチウム生産量のうち電池に使われる炭酸リチウムとしては約75%で、年間7万~8万トンである。  主な産出国別にみると、チリ北部に位置するアタカマ塩原(Salar de Atakama)にある塩の鉱床は炭酸リチウム、その生産量は年間4万~5万トンである。未開発ではあるが埋蔵量ベースで世界の50%近くを保有するボリビアの資源は南端のウユニ塩原(Salar de Uyuni)にある。アタカマとウユニいずれも太古の時代には内海であった塩田(salt pan )で、現在標高3000メートル以上の高地の極めて厳しい自然条件の下にある。  ボリビアのリチウム資源開発はこれまで何度か試みられたが実現していない。それは、最近の政治情勢すなわちモラレス大統領が2006年5月に石油・天然ガスの国有化を宣言して、資源ナショナリズムと反米をむき出しにしてきているなど、西側鉱山会社にとって開発意欲が全くわかない事情があることによる。  いずれにしても、ボリビアの現政権ではウユニの資源開発は許可されないだろうと見られている。やはりリチウム資源保有国のアルゼンチンにおいても、国際的鉱山会社は地域住民との間の軋轢が増してきているため、ボリビアと同じような政治・社会情勢になり、鉱山会社の資産が国有化されるのではないかと恐れを抱いている。  一方、中国では、チベットと隣接の青海において5000トン能力で生産が間もなく始まる。そしてチベットの塩湖においても青蔵鉄道完成とともに小規模の生産が始まった。しかし、中国も当然ながらリチウム資源を戦略物資として温存し、輸出禁止にしてくるはずだ。中国には燃料電池に必要な白金がないから、首脳部も次世代自動車はEVでいくとはっきり言っている。  それでは、リチウム・イオン電池による電気自動車を世界の主流とした場合に、炭酸リチウムの需給はどうなるのか。電池の容量kWh(キロワット時)当たり1.4~1.5キログラム必要であるから、世界の自動車生産量年間6000万台をPHEVにしてプリウス並みの5kWhの小さな電池を搭載したとしても、炭酸リチウムの年間需要量は現在の生産量の約6倍、45万トンになる。  しかし電池容量は現実的には8kWhは必要と思われるので約10倍の72万トンとなる。このような需要量を賄うことは、現在のような極めて小規模な生産しかできない鉱床からは考えられない。その上、10億台にも達する勢いの世界の自動車保有台数を考えるとすべて5KWHとしても100倍にする必要がある。  炭酸リチウムの価格は、2004年までは1キログラム当たり1ドルだったが、2005、2006年で5ドルを超えた。そして、ある日本の電池メーカーの買値は10ドル以上と言われている。結論としては、今世界がリチウムイオン電池に魅せられている。  しかし、世界の自動車産業が一斉にリチウム依存に向かうと、現在われわれがオイル依存で直面しているより厳しい資源制約を受けるということである。それは、資源の極端な偏在性、強まる資源ナショナリズム、資源の採掘条件、必要な生産能力、価格高騰、そして埋蔵量などの資源事情によるものである。  要するに、ポータブルの電子機器だけならサステナブルだが電気自動車に使うとなるとサステナブルではないということである。たとえリチウムは、石油と違ってリサイクル可能としても、ピークオイルならぬピークリチウムの時期もいずれやってくるというわけである。 出典:日経ビジネス オンライン

高効率の家庭用燃料電池 松下電器、09年から販売

 松下電器産業は14日、ピーク時の発電効率が39%と世界最高の家庭用燃料電池を開発したと発表した。2008年度は実証実験用に滋賀県草津市の工場で数百台を生産し、09年度から販売を始める予定。  燃料電池は水素と酸素を化学反応させて発電する原理で、次世代のエネルギーとして期待されている。電機メーカーや石油会社などが国の支援を受けて開発を進めており、松下は国の補助金制度の実施を前提に2010年度に3000-5000台程度販売したい考え。  今回開発した燃料電池は、都市ガスから水素を取り出す方式。出力750ワットの状態で発電効率が39%、一般家庭で最も使われる500ワット-1キロワットの範囲全域でも38%以上にした。部品の劣化を抑える技術を開発し、耐用年数も10年以上に向上させた。 出典:東京新聞

松下電器が世界最高発電効率の家庭用燃料電池を開発

 松下電器産業は14日、世界最高の発電効率を実現した家庭用燃料電池のコージェネレーション(熱電併給)システムを開発したと発表した。一般家庭に導入した場合、年間約3260キロワット時のエネルギー削減が可能という。平成21年度の一般販売に向け、量産体制の確立を目指す。  水素と酸素を化学反応させる中核装置のスタックについて、性能劣化の仕組みを解明。耐用年数10年以上と耐久性能を高めた。  また、使用頻度が高い500ワット~1キロワットの出力帯域は、世界最高の発電効率を達成。従来機より二酸化炭素(CO2)排出量が年間330キログラム削減できる。価格は当初約100万円が目標だが、量産により60万円程度に抑えたい考えだ。 出典:MSN産経ニュース

六ヶ所核燃料再処理:難航する高レベル放射性廃液ガラス固化

六ヶ所再処理では、原発の使用済み核燃料から、わずかなプルトニウムとウラン235を取り出すため、危険な高レベル放射性廃液を大量に産み出す。廃液はガラス固化処理をすることになっているが、試運転(アクティブ試験)は難航している。4月9日、市民団体は討論会「ガラス固化で行き詰まる再処理工場」で検証を行った。  「リサイクル」と称して、重さで1%ほどのわずかなプルトニウムとウラン235を取り出すため、六ヶ所核燃料再処理ではかなりの無理をする。金属に囲われて、個体の状態で曲がりなりにも安定していた使用済み核燃料を、わざわざ切断して濃硝酸で溶かし液体(硝酸溶液)にし、臨界を招きやすく管理の難しい不安定な状態にしてから、プルトニウムとウラン235を抽出するのだ。  このため、「リサイクル」の過程では、大量の高レベル放射性廃液が産み出されることになる。高レベル放射性廃液は、大量の放射能とそれ故の高温からきわめて危険である。水素爆発の危険まであるため常に冷却し続ける必要があり、やむをえずガラスをまぜて固体にする(ガラス固化)。こうして核燃料サイクルでは、使用済み核燃料より厄介な副産物、高レベル放射性廃液が大量に産み出される。  六ヶ所再処理は、大気や海に出される大量の放射能も問題だが、肝腎の「ゴミ処理」にあたる高レベル廃液のガラス固化がうまくいっていない。4月9日「反核燃の日」、「福島老朽原発を考える会(ふくろうの会)」と、「ストップ・ザ・もんじゅ東京」は、討論会「ガラス固化で行き詰まる再処理工場」を東京で開催し、六ヶ所再処理試運転(アクティブ試験)の難航を検証した。  ガラス固化は、溶融炉で高レベル放射性廃液にガラスペレットをまぜて行う。六ヶ所再処理ではLFCM(Liquid-Fed Joule-heated Ceramic Melter)方式が採用された。溶融炉では電流を流し、ガラスの電気抵抗で発生するジュール熱によってガラスを加熱溶融、高レベル放射性廃液と混ぜる(英仏では、電子レンジと原理が同じ、マイクロ波を用いて加熱溶融する)。  ガラス固化の難しさは、まず、溶融炉の仮焼層と温度管理の難しさにある。温度が1100℃を超えないと、ガラスと廃液が混ざらない。そのため、溶融炉上部には仮焼層という、スープや牛乳などを冷ます時にできる上部の膜のようなものをつくる。仮焼層を鍋の落し蓋のような形で活用しながら、全体の温度を上げる。  上部があたたまりすぎると、仮焼層が小さくなって上部からの放熱がすすみ、全体の温度は下がってしまう。逆に、上部が冷めて仮焼層が大きくなりすぎると、「落し蓋効果」が強まりすぎて全体の温度が上がりすぎ(1200℃超)てしまう。きわめて難しい温度管理が必要だ。  次にやっかいなのが白金族だ。高レベル放射性廃液に含まれるルテニウム、ロジウム、パラジウムといった金属(白金族)は、ガラスより比重が重いため、溶融炉の下部にたまりやすい。白金族が下にたまることによって、電流に偏りが生じ、溶融炉には温度ムラができてしまう。  六ヶ所再処理試運転(アクティブ試験・第4ステップ)では、溶融炉の運転の難しさから、結局、ガラス固化はうまくいかなかった。以後、2008年に入ってからガラス固化の試験は中断が続いており、再開のメドはたっていない。  ガラス固化がうまくいかないまま、再処理を本格操業することはきわめて危険だ。使用済み核燃料から、ごくわずかなプルトニウムとウラン235を取り出そうとするなら、どうしても硝酸溶液を大量につくらなくてはならない。抽出されるプルトニウムとウラン235はごくわずかで、大量の高レベル放射性廃液が産み出される。  使用済み核燃料など放射性廃棄物の処理困難から、原子力発電所は「トイレのないマンション」と批判され続けてきた。リサイクルと称して、放射性廃棄物を増やしてしまうのが核燃料サイクルであり、高レベル放射性廃液のガラス固化は難航している。  このままの状態で六ヶ所再処理が操業されれば、危険な高レベル放射性廃液が大量にたまりつづけることになり、旧ソ連でおきたウラル核惨事のような事態(※)にもなりかねない。論語は「過ちては即ち、改むるに憚ることなかれ」という。ガラス固化難航を受けて、核燃料サイクルそのものを見直すべきではないのか。 出典:JanJan