前回のお話
海上自衛隊の制服を拾った話の続きです。
仕事中ずっとソワソワしていたんです。
もしかするとあの制服はダミーで、
誰かが何かの調査のためにGPSを入れているかもしれない、
あるいは、落とし物を届けたりブログに載せることでストーキングされてしまうかもしれない。
だから私が届けに行くと意地を張らず、
元の場所に戻して何も見なかったことにしたほうがいいのではないか、
と考えました。
でもすぐさまその考えは却下。
万が一、落し主がどんな理由でその場に置いたり捨てたとしても、それは就職先の制服であり、それが一般企業ではなく「日本という国」なのだから、悪用されかねない。
そう考えると家に一旦持って帰ることに決めました。
仕事が終わって友人から、その制服が入った鞄を受け取り帰宅。
結構大きな鞄だったので、
「邪魔やわー」
と思いながら。
ちょっと珍しいものを拾えたことの喜びと、
自衛隊オタクならではの初めてまじまじと見るその青い制服ににんまり
しつつ、
ちょっと自慢も込めて友人海上自衛官たちにLINEしました
「至急！
道端で、二曹の青の迷彩を拾いました。綺麗に折り畳んで袋に入ってます。紺色の服とともに6着くらい入ってます。
仕事の都合で17日にしか届けられないから、先に自衛隊に連絡するから連絡先教えて。」
すると数名から、こんな返事が来ました。
「とりあえず拾ったものは警察に届けた方がいいよ。
拾ったものを持って帰ったら窃盗って言われても文句言えないよ。」
窃盗とは…
だから言い訳じみた説明をしました。
「こんなんいらんもん！
だからって仕事遅いし17日しか警察署にしろ基地にしろ持って行けへんもん。」
A「今すぐ届けて？落とした本人めっちゃ探してるよ！」
「無理！警察署もめっちゃ遠いし。」
A「じゃあ元にあった場所に戻してよ！」
「いいの？知らんで？日本人じゃない誰かに拾われて悪用されても知らんで？」
A「私物かわかる？」
「私物とか言ってる意味がわからへん。全部借り物じゃないの？よくわからないけど見分ける方法は？」
A「触り心地」
「比べようがないからわからへんわ。」
また別の人からは…
B「
地方総監部に電話ですね。
最初は電話交換（各部隊に電話接続してくれる人）が出ます。
落し物を相談しても対応してもらえますね。
電話番号はです。
1番簡単なのは警察に落し物として届けるのが簡単だと思います。
落とした本人には大事な物なので、よろしくお願いします。」
「おはようございます。
お忙しい中ご丁寧な対応ありがとうございます。
警察署か基地か
ご本人にとってはどちらが処罰対象ではないのでしょうか？」
B「処罰は無いですね。
捜索して見つかれば、懲戒処分は無しの案件です。
熱き指導、はあると思います…。」
「熱き指導…どのような内容でしょうか。」
B「小学校の時に先生から叱ってもらった事があると思います。
それをイメージしてもらうと良いかと。
そもそも、2曹なら30代以上は確定。
10年以上自衛隊に勤めて何してるの？
と言う事です…。
迷彩作業服ですが、部隊名・名前をマジックテープを貼れるようになってますが、紺色（青色）なら官品、黒色なら私物です。」
B「私物は無くなっても良くはないが問題なし。
官品は被服交換（返納）しないといけないので、絶対に必要です。」
「比べるものが無くわからないので画像を送ります。」
B「私物、と思いますね。写真だと黒色ですね。
買うと2万円ぐらいしますね。
なので、届けると謝礼があると思います。」
「うん、南鳥島Tシャツはきっと1500円ほどだと思いますので贅沢言わないので、そちらで充分嬉しいです。
もうそれ以上も以下も望みません。オタク贅沢言わないので、南鳥島Tシャツがいいです。
迷彩服上下4着
紺色2着くらい入っております。
なので南鳥島Tシャツで充分です。」
B「恐らく、4着だと艦艇勤務ですね。
陸上勤務だと基本的に2着で十分なので。
紺色のマジックテープがあるなら官品の可能性が高いので届けるのが良いです。」
さらに別の人からは…
C「とりあえず拾ったものは警察に届けた方がいいよ。
拾ったものを持って帰ったら窃盗って言われても文句言えないよ。」
「仕事行く前やってんもん…
そんなこと言われるくらいなら元の場所に置いて、中国人かロシア人が持って帰るのを阻止した私よりもその方がいいってことやん泣」
C「知らんけど、君のために言ってるからね。モノ拾うってのは結構リスキーな行動よ？すぐ近くにいる本人に渡すか、警察に届けるかしないと、疑われるし。
ほら、あと俺も窃盗の片棒担ぎたくないし。
置きに行ってもいいけど、拾ったもの置きに行ったらまた面倒くさいらしいよ。」
「今から自衛隊に連絡して17日届けるっていう」
C「組織に変な気を使わないで自分のこと大切にして」
続きます。
3話目
4話目
5話目
