2025年4月15日鑑賞
私の好みだったのもあると思うのですが、もうねーめちゃ面白くてドキドキわくわくでした。
なぜ好み?
①時代錯誤と自覚しておりますが、やはり西洋の正統たる様式、音楽、絵画などに弱い私。
天上を目指す建築物、天から降る倍音…単なる背景なのですが、映画館で見るとその効果に巻き込まれてしまいます。
長崎の生まれなのでキリスト教の存在が身近なのもあるのかな…家の宗教は臨済宗なんだけど😂
(長崎はその昔、枢機卿を出しています)
②14億人の宗徒をもつカトリック教会。いってみれば世界最大の意識上の「国」?のひとつでしょう。そしていったん組織を形成すると、そこには権力が生まれ、利害が育まれ、陰謀が芽吹く。
枢機卿(私はすうきけいと読みます)は地元では聖人かもしれないが、教皇の座を争うことになれば俗人と何ら変わらない。
その弱さが次々と示される。仲間割れはするし、権力から遠ざかろうとしていた主人公さえ、ぐらつく。その切なさよ。
③これ、アメリカ大統領選挙にぶつけたよねーという戦略性。いちいち、伝統的価値観と現代の「なんでもあり」に見える発想(私はこれを支持するもの)との葛藤を描いている。ジェンダー含む多様性。
時代を逆戻りさせようとする、テデスコ=トランプ御大というのは火を見るより明らか。
④心に残った言葉。
われわれは理想に仕えるもの。理想そのものではない…なるほど。
確信は「敵」ともなる。疑念をもたねば…なるほど、なるほど。確信してる方が、楽なんだけどね。確信と固執は紙一重。
⑤全世界から集まってくる枢機卿たちの共通語ってラテン語なのかな?と思ってたら、どうもそうでもないらしかった。
誰が出てるのかあまりちゃんと知らなくて観に行ったら、なんとレイフ・ファインズにイザベル・ロッセリーニも出てた!
ファインズ素晴らしい演技。さすがです。
ただ、どこかで
「ホモソーシャルをシスターの視点から描いている」
という評を読んだのだけど、私にはそれは感じられなかったな…。単なるコマだったと思う。ロッセリーニの貫禄は凄くよかったけど。
オチも、それほど(私には)カタルシスはなかったが、今の合衆国のみなさんはこれをどう感じるのだろう、とは思った。
いや、とにかく面白かったです。私にはアカデミー賞ものって感じ。迷ってる方おすすめです。