
2025年6月20日18時30分公演
U.K.ロイヤルバレエの姉妹カンパニー、バーミンガムロイヤルバレエの「スリービンク」。
アリーナ・コジョカルがオーロラなら…と思って買った公演でしたが、ああなんと、またもや怪我で降板。
アリーナの降板率ってかなり高い。でもリスク込みでチケット買ってしまうのはやはり彼女を観たいからなんですよね…トホホ。
もうアリーナのオーロラは観られないかもなー…。
バレエと聞くと代表作は「白鳥の湖」だという認識が定番かと思います…が、いわゆるグランドバレエとしては「スリーピング・ビューティ」なのだ、と言うと驚かれる方が多いかもしれないですね。
ドラマティックなストーリー展開を解釈通じて見せる…じゃなくて、正統な古典的「型」を見せる、奇をてらわずシンボルとして存在してればよし、という点では、「白鳥」よりこちらからもしれない。
オーロラに求婚する4人の王子は「東西南北」を示すとか、オーロラ(曙)は、善が悪(闇)を打ち負かして駆逐し、新しい世界を開く象徴であるとか、まあ、いろんな理屈付けがあるこの作品。U.K.のカンパニーの十八番と言われて久しい。
パリ・オペラ座バレエはコンテンポラリーもたくさん展開して現代性をアピール。
なんのかんのと「白鳥」はチャイコフスキーの母国たる、ロシアが至上。
そんなポートフォリオの中で、U.K.は演劇性の高い作品(アシュトン、マクミラン)を得意とし、古典では「スリーピング」…という感じなのかな。
コジョカルの代役はシュツットガルトのエリサ・バデネス。テクニシャンではあるがオーロラか?という予感は的中、上手いけどロイヤルな感じはせず、非常に庶民的なオーロラでした。
それと、テクニシャンとはいえ意外と「バランス」の人ではないのね。いや別に音楽無視して長くバランスしてればいいとは思いませんが…。ローズ・アダジオよりもソロの方がぐっとよかったと思いました。
まあ急な代役でしかも(多分慣れない)ピーター・ライト版、大変だったのかもしれないな。お疲れさまでした。
王子役のディングマンは、派手さを狙わずに上品にまとめて、プリンス的にはなかなかよいのでは?と思いました。少し下半身が重そうな見た目はビミョーに残念でしたが、まあ仕方ないか。
ブルーバードの伊藤陸久さん。ハンブルクバレエスクールからU.K.のノーザンバレエ→バーミンガムという軌跡の模様。「故郷に錦」って感じのキャスティングだったのでしょう。
跳躍は美しくてブルーバード向き。ただ初日だったからかなーところどころ些細なミスがなくもなかったような…でもこれからの人って感じですよね。頑張って欲しい!
フロリナのベアトリス・パルマはなかなか素敵でした。なんとかの精も踊ってましたよね。
(作品によってフェアリーの名前がいろいろなので、もはや覚える気がなくなってます。音楽で判別)
なによりこの公演で素敵だったのは、美術と衣装かな。アンバーベースの装置とか照明とか。シックでとても美しかった。
日本の人は舞台が暗いとすぐ「眠くなる」という話になるけど、それはやはり虹彩の問題なんですかねー。私はシックな舞台好きなんだけど。
6月なのに既に酷暑であるこの東京、みなさま体調に留意して公演をまっとうされることを祈っています!少しは観光もしてくださいねー💕