雑話191「究極の絵画」
下の絵は、カジミール・マレヴィッチというロシア人画家の作品です。
カジミール・マレヴィッチ「黒い正方形」1915年
キャンバスの真ん中には、大きく真っ黒に塗りつぶされた正方形が描かれているだけで、ほかには何もありません。
マレヴィッチは自らが描いたこのような絵画をシュプリマティスム絵画と呼んでいました。
シュプリマティスムとは”究極主義”とか”至上主義”といった意味ですが、この黒い四角を描いただけの絵画のどこが究極なのでしょう?
マレヴィッチは”今日の金属的な文化”を模倣によらず、創造によって表現しようとしました。
カジミール・マレヴィッチ「黒い正方形と赤い正方形」1915年
彼の作品に登場する基本フォルムは、「自然の現実に勝るとも劣らない意義を持つ」新しい現実を創りだすためにデザインされていました。
マレヴィッチによると、直線は、自然の混沌に対する人間の優位を象徴する、至高の形状でした。
そして正方形は、自然の中には見られませんが、基本的なシュプリマティスムの要素であり、見かけの世界と過去の芸術の否認を意味しています。
カジミール・マレヴィッチ「シュプリマティスムのコンポジション:白の上の白」1918年頃
※彼の最も評判の悪い作品(何を表現しようとしたのか、いまだに分かっていません)
簡単に言えば、シュプリマティスム絵画は、現実にあるものを模倣する代わりに、彼の基本フォルムを使って、その現実を表現しようとしたのです。
正直なところ、マレヴィッチの絵画論を読んでも、彼の絵画が”これ以上のものがない最上のもの”であるとは思えませんが、少なくとも究極に分かりにくい絵画であるとはいえますね!


