雑話1「印象派の名前の由来」
「印象派」といえば、モネの夢のように美しい風景や、ルノワールの真珠のような透き通った肌を持つ裸婦などが思い起こされます。
それらは決して見たままを写しているのではなく、細部を省略したような筆遣いを用いていることから、画家が絵の対象物に対して持つ「印象」を表現しようとする芸術であると思われている方が多いのではないでしょうか?
ところが、この「印象派」という名前は、そうした作家の意図とは関係がないだけでなく、彼らの絵に対する軽蔑の念を持った呼称だったのです。
まだ、印象派の大家たちが無名の若い画家だった頃、自分たちで開催した展覧会を見に来た批評家の一人が、モネの「印象・日の出」という作品の題名を、皮肉交じりに展覧会の名前として記事の中で取り上げました。
その事がきっかけで、「印象派」という名前が彼らのグループ名として世間に定着してしまったのです。
クロード・モネ「印象・日の出」1972年
その展覧会に対する他の批評も批判的なものばかりだったので、彼らの収入源であった肖像画の注文もさっぱり来なくなってしまいました。
自分たちの評判をどん底に叩き落した「印象派」という名前が世間に広がっていく様子を、当の芸術家たちは苦々しい思いで眺めているしかなかったのかもしれませんね。
