高原山 -354ページ目

小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (8

 フジテレビ報道クルーキャプテンの中村は、警視庁機動隊から次の展開の情報を仕込み、
伊藤ゆかりとカメラマン小泉たちスタッフが陣取るクルー場所へ戻ってきた。

「どうだったぞな、もし」

 カメラマン小泉が中村に聞いた。

「他社に聞かれとまずいから、報道車のなかで話そうや……」

 そう中村がうながした。フジテレビ報道車は小型のバスを改良してあり、まるで編集ル
ームのようでもあった。カメラから送信される何台ものモニターが特殊仕様枠に設置され
てあった。

 報道クルーの打ち合わせが始まった。

「次の事件は外で起きる。靖国神社で集会を開いている旧右翼過激派と、明治大学で集会
を開いている左翼過激派がこの九段会館に突入してくるそうだ。おそらく阿鼻狂乱の修羅
場になるだろうな。旧右翼のデモ出発は午後四時、左翼のデモ出発は午後五時、夕方の報
道番組で実況中継ができるぜ。テレビ朝日の原田総一郎もわざわざ現場からの報道と称し
て、来るとのことだからやつらに負けねぇように迫力ある映像を切り取っていかねぇとな。
本社に今、手配したところだよ、もっと九段と靖国、駿河台に人数を派遣してくれってな
あ。くれぐれも衝突は安全地帯から望遠カメラで撮れよ。ケガしないように頼むぜ、クル
ーから労災を出すと、部長が不機嫌になるからな」

 中村は坊ちゃん顔で話した。それがニヤリと笑うとキモイと伊藤ゆかりは思った。

 どうせ危険なところは労災を適用しなくていい下請けの協力会社スッタフが撮るんだん
べよ。おれたちフジテレビの社員は高給とりのエリートだけん、いつでも安全地帯だんべ
よ。そのようにカメラマン小泉は社員意識で思った。彼らはいつでも世間を笑いながら見
下ろしているマスゴミだった。映像を切り取る社会とはカメラマン小泉にとって、ただの
無機質な物質にしか見えなかった。

 すでに報道車のモニターには靖国神社と明治公園からの映像が送信されてきていた。
「それから、おもしろい情報を、国家生活党防衛隊長の飯田さんがリークしてくれたよ」

 中村は話を続けた。

「なにか、あるんだんべかな、もし」とカメラマン小泉が髪をかきあげ身を乗り出した。
彼はナルシストだった。

ああ、まあな。と中村がしゃべりだした。

「どうやら・・・大会に参加している、群馬県本部代議員の山本太一と東京都本部代議員
の池子百合子が自民党のスパイだって話なんだよ。山本太一と池子百合子はスパイ摘発と
して大会でさらし者にされるそうなんだ」

「山本太一って、あの変態みたいな顔で目が三角のお坊ちゃま?」

 伊藤ゆかりが聞いた。

「その男だんべな、もし」とカメラマン小泉が割り込んで答えた。

「でも池子百合子が自民党のスパイなんて信じられない。彼女の経歴は確かに、日本新党
から新進党へ、そして保守党へ、それから自民党へ、そして国家生活党へ移ってきた渡り
鳥だけど、そのつど前の政党とはきっぱり決別してきたんでしょ」

 伊藤ゆかりが突っ込んだ。

「まぁ、いくら飯田さんからのありがたいリークとはいえ、おれはスパイ摘発によるさら
し者つるし上げは絵にならないと思っているんだ。視聴者は政治の汚いものをあえて見た
くないからね」

 中村が断言した。

「そうかな? 女性受けすると思うよ。自民党政権で環境庁長官までやったエリートの池
子百合子がスパイとして大会で糾弾され、つるし上げられるなんて、最高の絵になるわよ。
女の視聴者は残酷なものが好きなのよ。中村さんの判断はおかしいわよ」

 伊藤ゆかりが反論した。

「まあ、一応、会場の中にいる報道2001の白岩さんには携帯メールでリーク情報を知
らせておくよ」

 報道クルーキャプテンの中村が、女はがんばるからにがてだよと思ったとき、首にぶら
下げていた携帯電話が着信バイブレーションに震えた。大会防衛隊長の飯田勲からのメー
ルだった。内容は山本太一と池子百合子の糾弾は中止になったとの情報リークだった。
「今、飯田さんからメールがきたよ、スパイ摘発つるし上げは中止になったとのことだ。
大会防衛が緊迫していて、それどころではないんだろう」

 キャプテン中村が報道クルーに伝達した。情報の共有化だった。

「つまんなーーーい」

 伊藤ゆかりが落胆の声をだした。

小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (9)

 九段会館ホールでは一千名の代議員が客席に座り、満腔一年国家生活党大会が続行され
ていた。会場の外と中は黒い衣装の防衛隊が緊張した身体で働いていたが、舞台裏方の仕
事は代議員にとって不可視の領域であった。代議員の仕事は結城純一郎総裁による運動方
針を、最後に党員章たる登録カードを手に持ち天に向かって大きく片手を上げ満場一致で
採択することだった。

 結城純一郎総裁は次に、国家生活党のヒューマン・ヒューマノイドシステムメディア高
度管理情報化社会への道、その運動方針を報告した。


 五万年におよぶ人類の歴史のなかで、情報をいかに管理把握し、蓄積、伝達するかは社
会、経済、文化のあらゆる面において、人類発展の鍵であった。印刷術の発明とこれに次
ぐ電信、電話、放送の発明と普及をもたらした近代情報通信技術は二十世紀後半に入って
飛躍的な進展を遂げた。一九九五年からのインターネットの世界的普及、そして携帯電話
の爆発的普及は社会的にも、経済的、文化的にも世界を大きく変貌させ、IT革命は現代
社会を「揺らぎ」「不均衡」衝動性に満ちた恐怖社会へと転換してしまった。全世界のデ
ジタル化では諸国家諸国民が丸裸にされ、データー化されてしまうことである。情報はい
とも簡単に操作され、メディア・レイプとして諸国家諸国民は、世界のデジタルメディア
を握る国際金融動物によって流動化されてしまう、これが高度管理情報全体の地球デジタ
ル化である。すでに諸国家諸国民は国際金融動物の情報人質とされその人生と生死は、投
機の対象へと生成されている、これが恐怖現代社会としての二十一世紀である。

 われわれが現在直面しているこの社会変革は高度管理情報化社会への道であり、その情
報テクノロジーは、産業構造や企業活動のみならず、家族形態や居住形態といった生活様
式、臣民のセックス価値観そして地方の役割をも、大きく変えようとするわが国全体の歴
史的展開であり、人類史上においてもまれにみる深さと広がりをもった大変革である。

 わが党のヒューマノイドシステムメディア戦略は巨獣である国際金融動物の餌食にされ
るのではなく、民族遺伝子に立脚した独自なデジタル情報戦略を立ち上げようとする政策
である。

 同士諸君。自民党と財界による電子政府樹立、国家戦略メディア政策が臣民の無関心に
あって破綻したことは知ってのとおりである。わが党は彼らの失敗を教訓化せねばならな
い。彼らの電子政府樹立、国家戦略メディアは何故、敗北したのであろうか? ヒューマ
ンウェアを忘れていたからである。「人間こそがメディアである」この基軸を忘れ、ハー
ドという物神に呪縛されていたからである。

 わが党はヒューマンを基本に置き、高齢全体社会のためにのシステムメディアを提唱す
る。人間の外側に真理と運動はない、人間の内側から発展するというヒューマンを基軸に
して、インターネット、デジタル・アナログ大容量通信、VAN、CATV、衛星通信等、
高度管理情報社会、高齢全体社会デジタル列島をもたらす高度IT技術や、一体化となっ
た国家社会主義システムメディアを、あらゆる最末端まで回路で接続する。

 情報と知識という無限の潜在的能力をあらゆる方向で十分に発揮させることのできる全
体社会を能動的に建設していかねばならない。その全体とは人間の身体であり、動脈と静
脈、脈管、毛細血管、そう血管こそ情報通信の回路であるという概念であり、これこそが
ヒューマン・ヒューマノイドシステムメディアの基本観点である。

 【国家社会主義建設のインフラストラクチャー、ヒューマノイドシステムメディア発展
の推進】

 高齢全体社会とはインフラが最末端まで軍事化された社会であり、その形成を図るため
には、そのインフラともいうべき通信システムの高度化を推進することが必要である。
同士諸君。これは重要課題である。世界経済の競争に敗北しないためにも、ヒューマノイ
ドシステムメディアは推進されなくてはならない。米国の経済には勝てないが、しかし負
けないという不退転の決意で推進しよう。(拍手)

 システムメディアの全体化においては領土が巨大なアメリカ、ロシア、中国といった大
国よりも、領土の規模がちいさい国家で発展する要素がある。領土大国はつねに分裂、分
解という危険要素がある。領土の統治のみに壮大なエネルギーを消費してしまう。最末端
まで接続していく国家社会主義のシステムメディアは領土がちいさい方が全体化のスピー
ドが速く実現力が高いのである。二十一世紀の競争はもはや、領土が巨大だから有利とは
いえない。二十一世紀は情報と知識と全体化による競争原理だからである。身の丈にあっ
た人間の想像力が及び範囲の国土こそ、自由自在を獲得して、二十一世紀の基軸である、
「揺らぎ」「不均衡」「衝動」に対応していける。日本文明とは古代以来、官僚による造
成思想こそが基軸であった。システムメディアで臣民に奉仕する官僚制度を再建できるな
らば、日本文明は情報革命と知識革命において国際社会において生存できる。米国の植民
地政策により、日本文明は全的滅亡を遂げたが、そこから不死鳥のごとくよみがえること
が可能なのは、ただ国家社会主義のみである。(拍手)

 日本列島この美しい国土を造成思想で、どこまでも国家社会主義化していくことが日本
再建の道である。(拍手)

 国際金融動物という巨獣から身を守るためには、何をなすべきか? この問題意識で、
システムメディアを発展させよう。

小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (10)

 【ヒューマノイド通信システムの高度化】

 通信システムは、高齢全体社会のインフラストラクチャーとしてきわめて大きな役割を
果たすものであり、ヒューマノイド研究の成果と通信システムの統合は重要である。家庭
に普及させるヒューマノイドロボットがインターネットにも接続しているということは、
携帯電話で遠距離であってもロボットと対話が可能になる。家庭におけるロボットの仕事
を臣民は職場から携帯電話テレビで見られ、ロボットに次の仕事を指示することができる。
そのデジタル統合化、ヒューマノイド大容量通信処理機能、ヒューマノイド大容量データ
処理機能の高速化、端末のインテリジュント化等を積極的に推進していく必要がある。

 将来的にはコンピュータ回路と人間の脳回路との接続、ヒューノイド(ロボット)回路
と人間の脳回路の接続、インターネットと人間の脳回路の接続は、電気・電子回路の対話
を飛躍的に拡張し、全面的にシステムメディアを身体化していくことになる。システムメ
ディアは1秒ごとに人間身体から学習し、器としての身体へと変容する。動脈と静脈、脈
管、毛細血管、血管こそ情報通信の回路であるという、人間と機械が一体化となった電子
回路概念が現実化する。これがヒューマノイド通信システムの高度化である。国家生活党
は人間活動を支える機械生命情報体を誕生させるであろう。

 推進に当たっては、その社会的影響の大きさ、投資額の大きさから経済社会の発展動向、
多様な臣民ニーズの動向を踏まえ、十分な臣民的コンセンサスの下に臣民の創意工夫を生
かしながらこれに当たるべきである。

    【長期計画の策定とこれに対する支援】

 国家生活党政府はヒューマノイド通信システムの高度化のため指標となるべき長期計画
を策定するとともに、長期計画に沿った事業およびそのためにの研究開発に対する金融、
税制面の支援について積極的に推進していく必要がある。

    【国家社会主義原理の導入】

 高齢全体社会の形成に向けて臣民のニーズの多様化、高度化とシステムメディアの出現
に対応し、分散化の弊害を除去して臣民の活力を導入するため、多元的なヒューマノイド
通信事業体によるサービスの提供が要請されている。

 このため、国家生活党政府は、通信分野へ国家社会主義原理を全面的に導入し、これを
有効に機能させるための措置を講ずることにより、臣民NGO企業の新規参入を積極的に
推進するとともに、競争原理と国家社会主義の調和を図るべく臣民生活に必需のサービス
の確保、通信の神秘的秘密確保課題に的確かつ柔軟に対応し、事業の適正かつ効率的な運
営が図られるよう総合的な調整機能を果たす必要がある。

    【ヒューマノイド情報通信産業の充実、強化】

 高齢全体社会における社会経済全般の広範なニーズに対応し、新しいサービスを広く臣
民に提供するとともに、わが国がヒューマノイド技術立国として食料生産農本主義を守り
ながら、世界的な金融国家社会主義の流れに伍していくため、ヒューマノイド情報通信産
業の充実、強化は必要である。

 【① ヒューマノイド情報通信産業の抜本的支援制度の確立および法制度の整備】
 高齢全体社会の担い手たるヒューマノイド情報通信産業に対し、資金供給の円滑化のた
めの金融、税制面の措置を積極的に推進していくとともに、財政面でも抜本的支援制度を
新しく確立する必要がある。

 また、システムメディアの出現と高齢軍事社会の構築に備え、ヒューマノイド通信分野
における複数の臣民NGO通信事業者の出現を可能とするとともに、ヒューマノイド通信
システムの高度化を可能とする新しい法制度の整備を図る必要がある。ヒューマノイド通
信事業の成功のためには電力がもちろん必要である。原油の高騰や、原子発電所の高齢化
による劣化によってこれまでの火力発電所、原子発電所は今後、コストばかりかかり二十
一世紀にはもはや対応できないことは必然である。

 国家生活党は臣民自らが電力を生産すうという自家発電の支援と法整備の確立を急いで
いる。列島のあらゆる場所に風力で発電できる風力装置を設置、臣民の家の屋根には太陽
電気発電装置を設置する支援制度の確立と法整備の確立は重要である。臣民総エネルギー
自家発電の体系を構築してこそ、ヒューマノイド通信産業は成立できる。

 国際金融動物が独占する石油独占価格操作体系から独立するためには、臣民ひとりひと
りがエネルギー電力を生み出すという臣民高炉でもある。創意工夫こそが臣民刻苦奮闘の
要素である。国際金融動物によるエネルギー体系から独立する日本を、敵は世界メディア
をつかって日本を攻撃するであろう。しかしわが国は動揺せず、徳川幕藩体制が三百年
にわたって実現した鎖国政策から学び、自給自足のエネルギー体系を実現しようではない
か。(拍手)

 あらゆる場所に風力装置を! すべての屋根に太陽電力装置を! これこそ臣民必勝不
敗のエネルギー武徳思想である。

小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (11)

 【② ヒューマノイドシステムメディアの振興】

 人間と機械が合体したヒューマノイドインターネット、VAN、CATV等、各種のシ
ステムメディアの事業分野や役割分担について、その方向性を明示するとともに、臣民の
創意工夫を活用したソフトの充実とは、臣民が独自なソフトウエアを造成できるという、
新たな水田稲作開墾でもある。わが党の生涯教育制度とは臣民がソフトウエアをつくれる
まで能力を高めていく必要がある。ソフトウエアこそは21世紀の米となるであろう。わ
が国のシステムメディアは早急に国際金融動物の兄弟、マイクロソフトから脱却し独立せ
ねばならない。

 地域ニーズの即応したヒューマノイドシステムメディアの導入による、臣民総ソフト生
産という未来型コミュニケーションモデル都市、テレトヒューマノイドピア構想の積極的
推進を図ることにより、臣民ひとりひとりが創意工夫でソフトをつくるヒューマノイドシ
ステムメディアの普及、発展を図る必要がある。これと合わせて、ソフトデータベース流
通システムの構築はクリアリングセンターの設置として、データベースの充実を図る。こ
の国家社会主義革命によって、一挙にわが国はこれまでの米国と国際金融動物による情報
独占を打破しなくてはならない。

 米国の政治的地位はイラク侵略戦争の失敗で後退したが、米国メジャー企業、多国籍企
業、軍産複合体企業は強靭であり、いまなお米国は世界情報独占国家である。わが国は世
界反米国家の協力のもと、反米協力機構の設立として国際会議を熊野において開催した。
熊野協力機構が全世界の反米国家と反米団体によって設立されたのである。

 わが党は世界反米国家と反米団体の協力のもと、国際的な多様性ある個別と独自に満ち
た情報源を熊野協力機構に集中確保するために、データベース海外流通促進など、データ
ベース振興のために措置を講じていく必要がある。ソフトウエアを臣民ひとりひとりが開
発できるソフトデーターベース基盤づくりのために、インドの情報技術者を大量にわが国
は受け入れている。合言葉はインドに学べ!である。デジタルの起源こそインドが産んだ
曼荼羅宇宙数理である。

 同士諸君。われわれのヒューマノイドシステムメディアは、無惨にも破綻した自民と財
界による電子政府樹立、国家戦略メディア政策とは根本的に違う。ヒューマノイドシステ
ムメディアの基本開発は、何よりもヒューマンという人間の開発と開墾にあるのである。
人間の身体潜在能力開発なしには、われわれ自身がヒューマノイドシステムメディアの奴
隷になってしまうであろう。ヒューマノイドシステムメディアは毎秒、人間身体から学習
し、その中心は臣民ひとりひとりのヒューマンウエアである。国家生活において臣民ひと
りひとりの身体の脳回路はインターネット接続を得て、全システムに接続されており、臣
民の情感、思考、空想、想像、イメージ、アイデアは、家庭に普及したロボットとの対話
により瞬時にデータベースに記録される。人間の資源から水ももらさず、栄養がヒューマ
ノイドに注入されていく。こうして高齢軍事社会に向けたヒューマノイドとシステムメデ
ィアは臣民によって完成させることができるのである。巨獣である国際金融動物から国家
と臣民の身を守るためには、臣民ひとりひとりが情報の武装を遂げる必要がある。わが国
が国際金融動物の食材となるのではなく、情報武装の基本である防備をなしとげるために
は、ヒューマンとヒューマノイドの合体シシテムの完備が必要であり、これこそが高齢軍
事社会の概念である。

 米国と国際金融動物による六十年間にわたる植民地政策によって、日本文明は全的滅亡
を遂げたが、不死鳥のごとく復活した。独立を維持するためには臣民自らが非人間へと脱
皮をとげ、ヒューマンからヒューマノイドへと偉大なる進化と変貌への道を歩きはじめる
必要がある。「揺らぎ」「不均衡」「衝動」の二十一世紀を生存するためには民族もろと
もヒューマノイドへと文字どおり転換を果たすことである。

 人類と機械生命との合体、これがヒューマン・ヒューマノイド国家生活の期待される臣
民像である。わが国はこのシステムメディアの完成によって、世界の最先端を走る。高齢
軍事社会とはわが日本民族が機械生命との合体へと向かう過度期としての誕生期でもある。
どの民族がどの部族がいち早くヒューマノイドへと進化できるのか、二十一世紀の競争原
理がここにある。成熟した日本文明の高齢期において、わが民族は古い人間像から脱皮を
とげる。そして再び文明の幼少期をヒューマノイドとして構築していく。最末端まで軍事
化された社会とは脱皮をとげるための安全保障である。最末端まで軍事化されなければ、
わが国は再び米国と国際金融動物の工作によって全的滅亡をとげてしまうだろう。敵の魔
手から日本を防衛し、安全にヒューマンからヒューマノイドへと脱皮するために、日本列
島を高齢軍事社会によって、米国と国際金融動物による帝国の逆襲から防衛鎖国化するの
である。

 次に結城純一郎総裁は国家社会主義建設の基軸となるヒューマノイド社会形成に向けた
運動方針を述べた。

    【国家社会主義ヒューマノイド社会形成に向けての基盤整備】

 ヒューマノイド社会の形成に当たっては、ソフト、ヒューマンウェアの開発とともに、
通信の全体化、情報産業の充実強化とともに、これを支える基盤となる条件を整備する必
要がある。ブロードバンド大容量通信の軍事化、情報通信産業の充実強化とともに、これ
を支える基盤となる条件を整備する必要がある。

 【① 標準化の推進】

 ヒューマノイドシステムの異なる端末装置や各種システム相互間の円滑な通信を確保し、
インタフェイスの統一化、明確化による資源や人間想像力の効率的利用の促進を図るため、
ネットワークと端末装置、各種システムとのインタフェイス、端末装置、各種システム相
互間のヒューマノイド通信手順、異なるヒューマノイドネットワークを接続する場合のイ
ンタフェイスについての標準化を図る必要がある。家庭に普及した多用なヒューマノイド
ロボットがそれぞれ通信対話できる通信手順の開発によって、高齢軍事社会は規格化され
標準化され、ヒューマノイド文明の幼年期を安全に形成できる。

 【② ヒューマノイド通信システムへの犯罪、革命防止、安全性、信頼性対策の確立】

 高齢軍事社会においては、ヒューマノイド通信システムの機能停止がもたらす社会的混
乱は計りしれないものとなる。帝国の逆襲としてマイクロソフトは日々、ヒューマノイド
通信システムを破壊するウィルスソフトを開発している。またコンピュータとともに育っ
たオタク犯罪メディア少年による、ヒューマノイド通信システムへの介入、シシテム破壊
のウォーゲームに対処しなくてはならない。

 合衆国統一党は米国から、わが国のヒューマノイド通信システムに介入し、システム破
壊と国家情報を盗もうとしている。これを阻止しなくてはならない。われわれは何として
も列島に配線されたブロードバンド大容量ケーブル、電線、電話回線、光ハイブァーケー
ブル、ケーブルTV線を断固として防衛する必要がある。ゆえに社会は最末端まで軍事化
される必要がある。回路というハードを防衛しながら、ヒューマノイド通信システムは人
間身体から毎秒ごとに学習し、その学習能力は昆虫情報体や植物情報体の神秘的秘密を解
明していくだろう。地球生態系情報体のゲノム記号を解読し、その神秘的秘密記号を、ヒ
ューマノイド通信システムに位相転移する。草木ひとつひとつに神が宿るという日本民族
の伝統的な草木思想を植物情報体の解明として、ヒューマノイド通信システム記号手順へ
と転化していく。機械にも神が宿る、これが世界の最先端に位置するヒューマノイド情報
テクノロジーである。情報革命、知識革命によって、わが国は米国の五十一番目の州へと
日本を米国に合体する合衆国統一党の野望を打ち砕く。わが国が合体する相手は米国では
なく、機械生命体である。(拍手)

 高齢軍事社会は、臣民と機械生命体が合体をとげるため、基盤整備を促進する行政にお
けるマトリックスである。

小説 小はん殺し結城純一郎の演説 (12)

 【③ 研究開発の推進】

 ヒューマノイド通信関連技術開発の世界先導性、長期性、大規模性にかんがみ、伝送、
交換、ネットワーク、処理、端末、ヒューマノイド通信のあらゆる局面における研究開発
を能動的に推進していく必要がある。このため、①既存の通信事業体の活性化と臣民との
競争協調体制の確立による創造的自主技術開発の推進、基礎的研究開発部門における、ソ
フトウェア、ヒューマンウェア開発を基本としながら軍・産・学・官の共同研究開発の推
進、ヒューマノイド通信に関するデータベースの構築による研究開発体制の整備 ②技術
関連予算の充実や金融、税制措置による研究開発投資の充実 ③基礎的教育研究機関の充
実、熊野協力機構を中心とした世界の反米国家、反米団体、内外の研究機関相互間の人材
交流、ヒューマノイド通信関連技術に関する資格制度の設置による研究者、技術者および
コンサルタントの養成、確保の措置を講ずる必要がある。

 【豊かな高齢軍事社会に向けての基盤整備 ヒューマノイド情報化が開く豊かな未来】

 わが国は、今、満腔元年の新しい時代の扉をたたこうとしている。すなわちニーズの多
様化、高度化と産業の知識集約化の引き続き進展のなかで、とりわけヒューマノイドコン
ピュータの利用を図る情報処理技術と通信技術の飛躍的な技術革新を契機とする産業、社
会の革命的事態が進行しつつある。この変革は、まさに産業革命に匹敵すべき新しいヒュ
ーマノイド文明を創造することとなろう。

 だが同士諸君。この革命的事態をどこまでも領導できるのは、機械に神が宿るヒューマ
ンウェアをもつ、われわれの革命的情熱であるのだ。

 ヒューマノイド情報化の波は、拠点的展開から面的展開へと様相を変え、押し寄せてい
る。すなわち、大企業から中小企業へ、産業から社会や家庭へ、大都市から地方へと全国
津々浦々のあらゆる分野に浸透しつつある。ヒューマノイドシステムメディアの実用化は、
かかる全体化を一層促進するものと考えられる。

 このような全体化の進展が、もっとも発展が期待されるヒューマノイド情報産業の活力
ある成長をもたらすとともに、産業の生産性の向上、省資源、省エネルギーなどを通じ、
わが国産業経済の再発展を支えることはいうまでもない。ヒューマノイド的工場制度の確
立は、ロボットがロボットを生産するダイナミックな円環であり、金融が金融を呼び込み
金融を産む連鎖と同じである。国家社会主義経済とはヒューマノイド情報によって未来が
開かれる。

 そればかりか、教育、医療、防災、防犯などの社会問題の解決に寄与することはもちろ
ん、人間活動における労働や余暇のあり方を一変させ、われわれ個人の生活の飛躍的なヒ
ューマノイド的向上を実現することになる。このようななかで、われわれの価値観ひいて
は文化観もこれまでとは異なるものとなろう。だからこそわが党は、美しい伝統ある自然
造成思想で臣民を全体化する必要がある。工作の意思としてのヒューマンウェアの基礎は
ここにあり、さらに注目しなくてはならないのは、熊野協力機構を媒介にした国際的広が
りである。

 地球規模の情報ネットワークは、企業活動の国際的展開を一層促進し、また国家間の情
報戦争を増進することとなる。米国と国際金融動物の情報収奪から防衛するためには、わ
が国のヒューマノイド通信システムメディアは、インターネットに接続せす、インターネ
ット回路からはアクセスできないことが重要である。情報は地球規模の国際金融動物が支
配する情報ネットワークから切断されていてこそ、持続可能性を獲得できる。

 ヒューマノイド通信サーバーはインターネット情報体から非情報として切断されている
独立情報体である。マイクロソフトOS、インテルのCPUによる古いコンピュータから
はヒューマノイド通信には接続できない。わが国が開発したヒューマノイドコンピュータ
でしかヒューマノイド通信システムメディアには接続できない。回路は、インターネット
が使用していた電話回線、電線、TVケーブル、光ファイバーケーブルであるが、ハード
ウェアとソフトウェアは、すでにヒューマノイド通信へと変貌をとげつつある。日本列島
のヒューマノイド化がスピードをもって全体化しつつある。

(マイクロソフトサーバーにアクセスすると人間の記憶装置は初期化され、電磁波と周波
数によってユーザーはマインドコントロールされてしまう。サーバーに隠されたプログラ
ムがアクセスした固有コンピュータCPUに影響を与え、固有コンピュータの残記憶装置
容量を作業メモリーへと転化させる。ユーザーにはけして見えない不可視の領域が生成さ
れる)

 かかる革命的事態が地球規模で進行している今日、臣民の負託を受けたわが国家生活党
は、二十一世紀を領導し、子々孫々まで繁栄することができるヒューマノイド通信システ
ムメディアの構築に向け、主体的な役割を果たしていく決意である。