隣 人 ノ 憂 鬱

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前方後円墳が好き

世界最大級の墓、大仙古墳の発掘調査がいよいよ始まり、西暦430年代と思われる埴輪が出土しているそうだ。

 

原始や古代史に興味があるので今後の発掘調査を思うとわくわくが止まらない。とにかく毎日ハーハーいっている。

 

ところで世界をみると発掘調査ってお墓が多くないか? 当時の暮らしや文化、王族の権威などを知るのには、それが一番間違いないんだろう、きっと。

 

大仙古墳は仁徳天皇陵とされているので、現在でも子孫がちゃんといらっしゃるわけで、先祖の墓を発掘されるってどんな感じなのか・・。

 

~自分ちの墓を想像してみる~

ある日ネットニュースを見ていると、
「〇〇寺院内にある〇〇家墓の発掘調査が来年4月より開始される事が町役場から発表されました。いままでナゾとされていた、〇〇家空白の100年の手がかりが見つかる可能性もあり、地元の研究者達は期待をよせています。」

 

なんて記事が載っていて、思わず「えーっっ!? なにこれっ? オレんちじゃねっ!? うちの先祖の墓っぽくねっ!? うちっぽくねっ!? 墓っぽくねっ!?」とうろたえているうち、あれよあれよという間に発掘が始まる。

 

そしてネットニュース。「町役場と地元歴史愛好会の共同作業により、今年4月から10月にかけ〇〇家墓の発掘調査が行われ、町役場から被葬者の物と思われる劣化したメガネを発見したと発表がされました。」

 

メガネの画像をよく見てみると「あーっ!! これじいちゃんの骨埋める時にオレが入れたメガネじゃねっ!? 百金で買ったあれじゃねっ!? 老眼鏡じゃねっ? 百金じゃねっ!? ネガネじゃねっ!?」なんて事になる。

 

そんな騒ぎから半年が過ぎたころ、またまたネットニュース。
「去年4月から10月にかけて行われた○○家墓の発掘調査で見つかった人骨をDNA解析したところ、驚くべき結果が得られたと、町役場より発表がなされた。大腿骨から抽出された骨髄を解析したところ、イルカのDNAが含まれており、今後分析が進めば、人類の進化や、生物学といったものが根底から覆る可能性がある。」

 

とか書かれていて「イルカーっ!? オレーっ!? イルカ混じってんのっ!? ていう事はイルカじゃねっ!? おれイルカじゃねっ!? カワイイんじゃねっ!?」なんてなったらどうしよう。

 

縄文の文化、邪馬台国、原始大和朝廷、時間の向こう側でゆらゆらと揺れる輪郭、いくら目を凝らしてもけっして鮮明に色は見えない。そんなものが土の中から出てくるのはたまらなく嬉しいし楽しくて仕方がない。

 

しかし知らなくていいものも間違いなくあるし発掘すればそれが出てくる事だろう。それがもし自分ちの墓だとしたら・・・。

 

イヤだなぁ~と思った。

 

 

※大仙古墳
 ・大阪府堺市百舌鳥古墳群内にある世界最大級の墳墓
 ・前方後円墳 全長486m
 ・第16代 仁徳天皇陵とされる

思い出は某国と共に

いつミサイルが飛んできてもおかしくない今日この頃。

 

メールの着信音すらJアラートだと慌てふためく毎日に疲れ果てている。テレビやネットで溢れかえる多種多様な兵器の数々、この先の動向から目が離せない。

 

そういえば。初めて社会に出た当時、2ヶ月ほど続いた社内研修。新入社員全員揃っての朝礼、毎日一人ずつ自分でテーマを決め皆の前で話をするという訓練。緊張に顔を歪める新人たち、マイクを握る手はブルブルと震え、緊張すればするほど不思議とおきるハウリング、毎朝そんな光景を見続けPTSDになってゆく軟弱集団。

 

みんな、なぜそんなに緊張するの? なぜ青い顔をしてえずくの? なぜ生まれたての小鹿のように壇上へ上がるの? なぜそんなに唇をぺろぺろするの? そう、それは自分に自信がないから、積上げてきたもののバランスが悪いから、逆三角形の上は居心地が悪いに決まっているだろ?

 

さあ、いよいよ今日は自分の番。練りに練ったテーマ、練習に練習を重ねた毎日、微塵の不安もない。むしろ早く皆に聞かせてやりたかった。社会人としてとか、仕事と責任とか、将来の夢とか、そんなしょうもない話を聞かされ続けたみんな、今日は楽しんでほしい。今日のテーマはABC兵器についてだ。

 

核兵器、生物兵器、化学兵器、そんな話を持ち時間の10分を超えて話つづけた。人事課長のストップがかかるまで、口角から飛ぶ泡が尽きるまで。満足を超え深く入り込んでいた悦から抜け出すまで半日かかったっけ。みんなも今日は楽しんでくれただろう、なにより明日から壇上へ上がる新人達は、本当に楽になったに違いない。つまらない事に束縛されず、自由に、心のままに話をすればいいという事に気づかせてあげたんだから。

 

翌日から自分のあだ名がミサイルになるまで、そう信じていた。軽蔑が言葉からにじみ出ている「よう、ミサイル」。あれには傷ついたなぁ。

 

嫌な事思い出した、某国のせいで。

 

この話に登場する人物・団体等は全て架空のものです

私の住む町には「民族歴史資料館」という公共の施設がある。


市町村の自治体レベルなら、どこにでもある郷土史の資料を扱っている施設だ。こちらの「民族歴史資料館」では、古文書解読講座なるものを開催している。講座の内容は読んで字の如しで、1年を通し、6回受講する事で、古文書を読めるようになろうといった感じだ。


少々歴史に興味があり、古文書を読んでみたいという思いがあったので、応募開始直後には、迷わず申し込みを完了した。更にそれから1カ月後、期待に胸を膨らませながら、第1回目の講座へと出席した。時間ギリギリに部屋へ入ると、15人ほどいるだろうか、既に机に向かって受講の態勢を整えていた。失礼な話ではあるが、見る限り全員が社会の第一線から退いたような初老の男性ばかりだった。


とはいえ、こういった趣旨の講座であるせいか、みな品の良さそうな人たちで、カップ酒片手に公園のベンチで泥酔しているような人は一人も見当たらない。ひとつだけ空いている席に腰を下ろすと早速隣の男性が話しかけてきた。


「若いのにめずらしいね」


上品な笑顔をこちらへむけるこの男性は「朽木」と名乗った。朽木さんは、本当に品が良いうえに、フランクで人当たりもよく、すぐに馴染む事ができた。講座が終了しても朽木さんの話が止まらず、とりあえず1階のカフェでお茶でもという事になった。


いつの間にか講座の方々もついてきていて、全部で8人という集団になっていた。午後3時から始まったカフェでの宴会は終わる気配がなく、閉館時間の午後6時、会館から居酒屋へと会場を移し更に盛り上がってゆく。しまいにはこのメンバーで旅行へいこうという話にまで発展。


行き先が安土城に決まった時には、講義開始から数えると既に11時間が経過していた。その日から2週間が経ち、嬉々として安土城を駆け巡る面々、私は出発直前に食べたサバにあたったのか、完全にグロッキー状態でずっとバスとトイレを往復していた。


翌日になると昨日がウソのように、すこぶる快調だった。朝食を食べていると急にだれかが「みそぎがしたいっ」と言い出した。こういった事には既に慣れっこになっていたので別に驚きもしなかったが、止める事も出来ない。


まるで最初から予定されていたかのように、バスは福井県は永平寺へと到着した。北陸道の帰り道でもあったし、昨日何一つ観光していない事から、これはこれでよかったのかなと少しホッとした気持ちになった。


内部では自由行動となり、皆おもいおもいに拝観をしていた。せっかくなので隅々まで見ようと歩き回っていた。黒光りする板張りを進んでいると、右手奥に階段が見えた。急で長い階段をそろそろと下りると、今度は長い廊下が待っていた。


廊下を挟んで両側は庭になっていて、陽の光が差し込んでいた。よく見ると廊下の中ほどに腰を下ろし、庭を眺める朽木さんの姿があった。私は自然と何を意識するでもなく朽木さんの隣に座った。「ここは穏やかでいいですね」と声をかけると、朽木さんは庭を見つめたまま静かな微笑みを浮かべた。


朽木さんの視線を追うと、満々と水を湛えた大きな石の瓶があり、水面に落ちた木の葉が、いくつもの波紋をつくりながら僅かに揺れていた。何か心を洗われるようなその光景に、私は言葉もなく見入っていた。その時、朽木さんが唐突に口を開いた。


「なぁ、君。僕の顔がわかるか?」


私はその言葉の意味がよく理解できなかった。キョトンをする私をみてその事を悟ったのか、朽木さんは質問を変えてきた。


「ちょっと目を閉じてくれないか」


私は全くワケが分からない状態で完全に思考が停止していて、ただ言葉の命ずるままに目を閉じた。


「どうだ君。僕の顔を思い出せるか? 僕の顔が分かるか?」


朽木さんは言葉を継いだ。「これは一種の心理テストか何かだろうか」と訝しく思いながら朽木さんの顔を思い浮かべた。さすがにたった今まで見ていた顔が分からないわけがない、思い出す必要もなく、はっきりと朽木さんの顔が浮かんだ。


私は目を開くと同時に、完璧に顔かたちを瞼の裏に描けることを伝えた。すると朽木さんは、ほっとしたような、寂しような何とも表現しようのない笑顔を浮かべ、また庭へと目を向けた。それからしばらく沈黙が続き、朽木さんはぽつりと言った。


「僕の父はね、人を食ったんだよ」


またしても突然の言葉に何の反応もする事が出来なかった。頭の中では「人を食った話、つまり人をかついだ話って事だろう」と必死で考えていた。戸惑う私を気にすることもなく、朽木さんは言葉を続けた。


「僕の父はね、人の肉を食ったんだよ」
「人の肉を食った事のある人間はさ、目の奥に淡い青色の小さなわっかが見えるって言うだろ?」
「でもな君、あんなのウソっぱちだ」


「本当に人の肉を食った事のある人間はね、顔に霞がかかるんだよ」
「霞がかかったように顔がわからないんだよ」
「毎日毎日すぐ近くでみているのにね、父の顔が分からないんだよなぁ」


「いやいや、見えてはいるんだ。確かに目と目が合って、笑ったり怒ったりしている父の顔はそこにあるんだ」
「でもね、目を閉じるとその顔が真っ黒で何も思い出せないんだよなぁ・・・」
「これはね、きっと罰なんだよ。人が人の肉を食らった事への罰なんだよ」


「罰を与えるのが神様なのか、食われた人間なのか、それとも食った人間自身なのか、それは僕には分からないけどね、でもこれは罰なんだ、罰なんだよなぁ、君」
「しかしだ、それも永遠じゃない。許される日が来るんだよ」


「僕もね、男だからさ、いつまでも実家にいるわけにはいかないだろ」

「大学を出てね、東京で働いていたんだ」
「15年も働いた頃かなぁ、父が危ないって電話があってね」


「ところが翌日から4日ほど出張になっていてね、大事な商談だったもんだから泣く泣く出張に出かけたんだ」

「その日の夜にまた電話があってね、今度は父が亡くなったって電話だった」
「さすがに僕も堪えてね、4日かかるところを何とか3日でまとめてね、そのまま田舎へ帰ったよ」


「実家に着いたのは朝の7時過ぎでね、父の棺桶が火葬場へ出る直前だった」

「僕はね、間に合ったような間に合わなかったような不思議な気持ちになってね、思わず涙が込み上げそうになったんだけれど、人前で泣くもんじゃないと常々父が言ってたんでね、ぐっとこらえたよ」


「棺桶の前に座ってね、その小さな窓を開けてみるとね、小さくなった父の顔が見えたよ」

「安らかな顔をしててね、そりゃあ安心したよ。人の肉を食った事に最後まで苦しんでいたはずだからね」
「ほっとしてね、思わず目を閉じたんだ」


「そしたら、そしたらね君、父の顔が頭に浮かぶんだよ。分かるかい君、死んで今棺桶の中にある父の顔がさ、はっきりと頭に浮かぶんだよ」

「途端にね、涙がでてきてね、もう止める事なんてできなくてね、人の目を憚らずにただただ泣いてしまってねぇ」


「泣きながらね、僕はね、その時にね、父は許されたんだって思ったよ。人の肉を食らって受けた罰がとうとう許されたんだって思ったんだよ」


「どんなに苦しみながら生きても許されはしない罰だけれど、死んでまで苦しむ事はないってね、神様か何かがね、うんうん」
「だからねぇ君、僕が唯一覚えている父親の顔はね、棺桶の中の死に顔なんだよ。ええ?君。ははは」


朽木さんは一気にこの話を終え、力ない声で笑った。私は息をするのも忘れ、ただただ朽木さんを見つめていた。まるで夢の中を彷徨うように、ふわふわと泳いでいるような感覚を忘れる事が出来ない。


「お客さん、そろそろ出発します」バスの運転手の声に我に返った。朽木さんは今までの事がなかったように「さあ、帰ろ帰ろ」と立ち上がった。私はまだふわふわした感じのままバスに乗り込み、帰路へついた。


その後、急に仕事が忙しくなり、第2回~第5回の講座を全て欠席。最後くらいはと講座へ出かけたが、そこに朽木さんの姿はなかった。私と同じく2回目の講座からは来ていなかったそうだ。以来、朽木さんとは再び会う事もなく現在に至っている。


あの時からずいぶんと時が経ったが、いまだに気にかかる事がある。それは、あの廊下で聞いた朽木さんのひとこと。


「なあ君、僕の顔が分かるか?」


朽木さんが本当に人の肉を食べた者の顔には霞がかかると思っていたのなら、あの問は何を意味していたのか。罰を受けた人間の子であるがゆえ、自分もその罰を背負わなければいけないと思ったのか。それとも・・・


今となっては知る由もなく、まあいいかと自分に言い聞かせている。

古典より繙かれる創られし知能

少し前の事、暇を持て余しゴロゴロしながらテレビをみていた。


少しでも面白いものはないかとチャンネルをぐるぐるかえていると「人工知能」に関する番組が放送されていた。「人工知能」は近い将来人を意図的に傷つけたり、地球にとって不必要なものと判断するだろう、しかし一番怖いのは、人に対して無関心である事、的な内容だった。


そこでふと思った。無関心であるものを意図的に傷つけたり、不必要と判断する事などあるのだろうかと。自分自身に置き換えてみる。心がすさんでいるのか、草花にはまったく興味がない。興味がないから全く目に入らない。


「綺麗な花が咲いている」と言われてもどこにあるのか見つける事さえできない。完全に透明化して存在を認識できないものを抹殺してやろうと思うことは不可能だ。もしかして興味のないふりで気を引こうという古典的なアレだろうか。


そうだとすれば、さすが人工知能といったところか。

新たな道を求め ヌルヌルの足元に気づく

よそでブログを始めた。


こちらに投稿した記事も少しずつ引っ越ししようかと考え読み返してみた。が、あまりにも下らない。新しい門出にはふさわしくない。新居に土足で入るようなものだ。欧米ならそれが当たり前かなどと考える。


下らないながら、多少なりともまともなものだけ持って行こう。

電気と亡霊

仕事の関係で、幽霊が出る事で有名な施設に通っている。


期間限定なので来月にはここを離れる予定だ。1年以上通った事もあり、施設の関係者とは良好な関係を築けたと思っている。大きな施設なので数千人が働いており、いろいろな部門がある。その中で、建物を管理している部署がある。そこには水道や空調を管理する人、電気関係を管理する人などが所属している。


そういった方々は昼夜なく施設内を駆け回っているので、内部の多彩な情報に長じている。もちろん心霊に関する事にも。とにかく毎日聞かされた。あの部屋に行ってはいけないだとか、あの窓は見上げるな等々。そんな日々を過ごす中である法則に気が付いた。気のせいかと思いしばらく様子をみてみたが、やはり間違いない。


それは、体験談の語り部が決まって電気管理の関係者である事。これには何か理由があるのではと自分なりに考えてみる。まあ、考える事もなく理由があるとすればそれは電気だ。常に電気の仕事をしているので、他業種の方と比べた場合、きっと多く帯電しているに違いない。人より多く纏った電気は、当然脳にも影響を与える。


人間自体微弱な電気で制御されている事を考えれば、通常より多くの電気により制御がエラーを起こしたり、投影されるはずのない映像が投影されるといった事象は、かなり現実的な話ではないだろうか。よし、わかった。幽霊の正体が分かった。それは電気、電気のせい、電気トラブルなのだ。


こんな事を言うと、電気関係のお仕事をされている方からお叱りを受けるだろうか。最初から謝っておいた方がいいだろうか。不安なので自分でフォローをしておこう。


※この話はフィクションであり、登場する人物、団体とは一切関係ありません※



よく分からないが聞いてみる

携帯なんて電話出来ればそれでいいと言っていた同僚が突然スマホを買った。どうしてもツイッターがやりたかったそうだ。携帯を忘れた事にすら気づかなかったあの頃が嘘のように、今ではスマホを握って離さない。よくよく話を聞くと、彼は昨年末に人知れずひっそりと離婚をしていた。つまりスマホは寂しさを紛らわす彼の愛玩という訳だ。


昼食を一緒に摂っていると、彼は自分の食事を写真に撮り、「食事中なう」とツイートする。仕事の最中も、キーボードに触れた指先の写真を撮り「仕事中なう」と書き込んでいる。コンビニに寄った際は、雑誌片手の自分を写し「立ち読み中なう」と打ち込んだ。それを見た瞬間、もう我慢の限界だった。思わず彼に問いかける。


「なう」と言うからには「中」はおかしいのではないかと。突然の事に彼は何を言われているのか理解できない様子で、未知の生き物を見るような目でこちらを見ている。少し分かりやすく言い直す。「仕事中なう」という事は、「仕事中中」という事で「今仕事中」という事とは違うのではないかと。どうした事か彼は少しニヤッとした。


そしてスマホを取り出し、「今説教させ中なう」とツイートした。

もうこの事について彼とは話さない。

起源 ~知らぬが仏~

何にでもルーツがある。


もちろん我が家にも。あれはそんな事に興味が出始めた年頃の事だったか、家系について父に聞いた事があった。本家ではないので詳しい事は分からないが、知る限りではもともと隣県の大地主だった。所有している土地の広さは不明だが、山にある自宅から海まで自分の土地だけを通って行く事が出来た。しかし曽祖父が家族と反りが合わず家出をしてい今に至る、とまあこんな話。


当時自分がおかれていた状況から「父を恨む」と自然に言葉が出た。父も祖父に同じ事を言ったそうだ。祖父も曽祖父に同じことを言ったそうだ。曽祖父も高祖父に同じ事を言ったかどうか知る由もない。しかし、悪い事は全て人のせいにする生き方。


遺伝と呪いは紙一重であると思う。

踊る白刃 ~それは想像を超えない~

ネットで山にまつわる怖い話を読んだ。


今現在都合により毎日山へ通っている。林道を車で上っていくのだが、山中にとある重要な施設があるため舗装道となっている。しかしその施設を過ぎた途端に雨水等に削られ荒れ果てた無舗装道になって暗い緑色の中へ吸い込まれていく。


いろんなものが相まってとにかくそこへ行くことが怖い。しかし行かなくてはいけない。思案の結果自衛のための何かをホームセンターで探すことにした。最初にチェーンソーを手に取ってみる。既に気分はジェイソンで控えめに振り回す。


「これは手にもしっくりくるし破壊力もある。熊程度ならそこそこ闘えるのではないか? まてよ、山には電気がないからダメか」


などと興奮のあまり間違いだらけの答えに行き付く。冷静に考えればチェーンソーは電気ではなく化石燃料で動くもの、しかも自衛目的でチェーンソーはあまりにも非現実的ではないか。しかし、幸か不幸かその間違った判断がチェーンソー購入という自滅から救ってくれる結果となった。


その後は、ノミ、ノコギリ、かんな、高枝切りバサミ、などなど様々な刃物を品定めし、最終的にはナタで落ち着いた。それからひと月、ナタの出番は皆無に近い。唯一背の高い雑草を切った。しかし一刀両断とはいかず半分に折れただけだった。そういえば鉛筆も削った。何かナタが不憫に思える。


後でナタの謝ろう。

ゆめ

夢を見た。


どしゃ降りの雨の中、真っ白い犬がとぼとぼと歩いている。悲しげな目を伏せ、ただただ黒く濡れたアスファルトを見つめながら。耳をペタンと寝かせ、しっぽをだらんと垂らしたまま、ゆっくりゆっくり進んでゆく。


よく見ると首輪をしていない。雨に濡れたせいかガリガリに痩せたその姿に、涙がこぼれそうになる。鼻の奥がぎゅーっと熱くなり、思わず犬に手を差し伸べる。犬は相変わらずゆっくりとした動きで顔をあげ、悲しげなままの眼差しをこちらへと向けている。


犬の瞳に見入ったその瞬間、犬の悲しみは狂気へと変わり、間髪入れずにケツに噛み付いてきた。あまりの痛さに目が覚める。目が覚めたにも関わらず噛まれた痛さが継続している。これはただ事ではないとケツを見る。そこには昨日行方不明になった画鋲が突き刺さっていた。


夢の中でこみ上げた涙が現実の世界でこぼれた。夢と現実って微妙に繋がっているんだなと少々関心してみる。それにしても、もし画鋲が刺さらなかったらどんな夢の続きになっていたのだろう。


いずれにしてもろくな結果ではなかっただろう。

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