ガダルカナル戦書籍一覧   
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歩兵第230連隊 東海岸の戦闘 目次

歩兵第230連隊 御戦没者名簿

ガ島東海岸の戦闘 その九 転進

より続いております。

 

東海林部隊(歩兵第230連隊)が2nd Raider's の追撃を振り切って丸山道ルンガ屈曲点第一野戦病院を通過したのは昭和17年11月17日。

 

第一野戦病院とは第二師団第一野戦病院(勇一三一三部隊)で、第二師団が海外へ出征するときに臨時編成される部隊である。

 

この頃のルンガ屈曲点第一野戦病院の様子は長谷川英夫軍医少尉の「軍医の見たガダルカナル島戦」に詳細に記録が残る。

 

第一野病 長谷川 軍医少尉

第二師団総攻撃が失敗に終わった後、軍旗と連隊長が行方不明となった歩兵第29連隊は軍旗捜索の為、突撃地点から転進するのが一番最後だった。

軍旗捜索を断念した後、ルンガ屈曲点第一野病からルンガ渡河点第四野病患者中継所まで担架兵として担送を開始していたが、戦場に残した機関銃の運搬命令が下った。

11月初めの第一野病の「せぶり病院」立錐の余地もないほど混雑していた。

 

東海林部隊(歩兵第230連隊)原軍曹 亀井宏著ガダルカナル戦記3巻より

ルンガ河支流に逢着したのは11月17日頃だった。

丸山道へ入ると白骨化した友軍の死体、行く先々に道標のようにしてあらわれた。

やがて叢林内に掘立小屋が点在しているのが見え、近づいてみると、動きの全く取れない重症患者が横たわっていた。第一野戦病院病であった。

病院というより患者収容所というにふさわしかった。

 

2015年撮影 ルンガ河対岸より見たルンガ屈曲点第一野戦病院跡地

三個持って行ったカメラは電池トラブルにより一番安物のカメラしか使えず画質最悪申し訳なし

 

第一野病 長谷川 軍医少尉

11月下旬、前線から帰って来る戦傷患者はなく、マラリア、赤痢、デング熱患者で食無く重症化した患者ばかりで患者は命を落とす者が増えていった。

野戦病院から3km東方の丸山道に一門の大砲があった。

苦心の末此の地まで運ばれたが発砲の機会がなかった。この大砲が敵陣目がけて砲撃するという情報が入った。一瞬これは危ないぞという直感が走った。

言葉を絶する峻険、泥沼のようなジャングルを重い大砲を分解し砲弾を担送、総攻撃に間に合わず置き去りにされた虎の子の大砲を赤錆びにするのは忍びなかったであろう。

一矢報いるのは痛快極まりないが大砲の西方ジャングル内には、呻き続ける患者を抱えてどうにもならない野戦病院があることを忘れてはならない。

11月20日前後だったか、アメリカの陣地めがけて砲撃が始まった。僅か5-6発であり砲弾がどこかに命中して敵陣は混乱したと思う。少なくとも敵は日本軍の存在を知ったのである。

その翌日より敵機の超低空偵察、手あたり次第の機銃掃射が始まった。機銃掃射は日毎激しさを増し、土人が現れるという風評がたった。

 

山砲の砲撃により、東海林部隊との戦いを終えて帰隊していた2nd Raider's を再びジャングルへ出撃させ、長谷川軍医少尉の危惧する通りとなったのでありました。

東海林部隊は11月21日ころルンガ渡河点に到達、

18日に受けた命令

「主力は九〇三高地北西麓に集結、大隊長の指揮する約二個中隊及び無線一分隊をルンガ渡河点右側背警戒、同地の野戦病院援護」

により関谷栄治少佐以下第一大隊約500名がルンガ渡河点警備と、第一野病 ⇔ 第四野病間の患者担送を受け持つ事となった。

二師団総攻撃後、コリ岬へむかった時点で約3,000名だった東海林部隊はこの頃約1,300名となっており、東海林大佐以下800名は西海岸九〇三高地へ目指す事となった。

 

つづく

 

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