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矢野大隊長 2月5~7日 よりつづいております。

 

矢野大隊(臨時編成歩兵第二百三十大隊)

大隊長 矢野 桂二少佐 

2月7日 夜 駆逐艦上

駆逐艦に乗艦しヤレヤレと安堵する。

隊員全員の乗艦を見届けてたところで前部将校室に案内された。

これからは海軍任せで実に気が楽である。

将校室には既に沢山の陸軍将校が居り矢野少佐同様安堵の表情が窺える。

その中に松田大佐や海軍の色川中佐(笹川?)等も見える。

 

しまった乗艦する駆逐艦を間違えたかとと調べてみたが間違っていない。

命令で明示された乗艦区分通りに乗艦出来た部隊はは少なく、落ち着いて乗艦したつもりでも慌てていたのであろう。

 

少時休憩後、艦内を一巡視察、一千名近くも居るように見受けられる。

この様子だと乗艦人員が四、五十名と少数の艦もあるように思えた。

 

寝室で休む様に言われたが衣類がずぶ濡れなので椅子を並べて横になる。

連戦の疲労と海軍に身を任せたと言う安心感で翌朝まで完全な熟睡した。

 

 

二月八日 朝

覚醒した矢野少佐は駆逐艦内をあらためて視察。

海上には警戒隊、輸送隊の両艦隊の合計十九隻(18隻?)の駆逐艦は三十節の全速で白波を蹴立てての驀進だ実に勇壮である。

此れが敗戦の末、撤退する艦隊とも思えず暫し勇壮な艦隊に目を奪われる。

 

甲板上の兵も疲れと安心でよく眠っている。

乗艦した陸軍将兵の員数を掴む為何度も甲板を廻るが将兵は断えず動いており正確な数字を掴むことが出来ない。

何故動き回るかと言えば皆ガ島以来の便所通いである。

海軍にも協力を依頼して漸く調べ終わったが員数は八百数十名。

一艦五百名の計算だった筈なので随分と乗り込んだものである。

 

第二中隊より兵一名死亡の報告を受ける。

折角乗艦して死ぬとはと状況を質すと重病でもなく乗艦までは元気でいたとのことである。

疲れと安心で命の灯が消えてしまったのだ。

ここまで奮戦しガ島を漸く離れて駆逐艦上で息を引き取るとは気の毒でたまらない。

松田大佐に報告すると共に海軍側へも連絡の上、水葬に付し兵の冥福を祈る。

 

他の艦でもこのようなことが起こっていると思われた。

撤退は敵機の追撃もなく順調に進み、正午近くボーゲンビル島エレベンタ泊地に投錨。

 

 

矢野少佐は

省みれば至難中の至難事とされたガ島の撤退が予定計画の通り円滑に実施できたのは只聖断に加うるにに天佑神助である。

と振り返られている。

 

此れを以て臨時編成歩兵第230大隊長

矢野 桂二少佐 の記録概略を終わります。

 


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