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ソロモン諸島 ガダルカナル島 御戦没者名簿(鋭意整理入力中)

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現在鋭意更新中 ケ号作戦 陸上戦目次 

 

矢野大隊長 2月4日 よりつづいております。

 

矢野大隊(臨時編成歩兵第二百三十大隊)

大隊長 矢野 桂二少佐 

2月7日午前

二昼夜連続の行軍で睡眠不足と疲労とで将兵は疲れ果てており大休止とした。

しかし昼食時となると皆パッチリと眼を醒ませてガツガツと食事を始める。

只食うことのみが楽しみなのだ。

 

午後

松田部隊本部へ命令受領に向かう矢野少佐。

本部前の海岸、磯浪に揺れている極簡単に椰子の葉で隠蔽された大・小発動艇。

敵機は連日超低空で警戒飛行を実施しており何か発見すれば機銃掃射、発見されず稼働加納状況のまま維持されているのは不思議である。

揺れている各艇を見て今日の撤退も順調に行くのではと撤退の成功を感じさせた。

 

カミンボ付近の空を遮蔽する大木 2012年撮影

このような場所に椰子の枝葉で覆って各発動艇を隠ぺいしたと思われます。

 

松田部隊本部、命令受領

乗艦に関する命令で乗艇乗艦の区分、集合隊形、前進順序、終路等詳細に示された。

駆逐艦の到着は午後九時、カミンボ沖約1kmに入る予定。

入泊次第緑の灯が点火を合図に発進するので各隊はそれまでに発動艇に乗艇を完了すべし。

携行し得る物は小銃及び軽機関銃のみとしその一切の所持を厳禁する。

※撤退に際し武器の携行を許された部隊があったのかと驚いたが後に発動艇乗艇前、待機している時、命により武器を埋没している。乗艇前まで即応態勢だったことが窺える。

参考までに現在地は松田部隊本部兼カミンボ糧秣交付所。

 

2012年撮影 カミンボの美しい砂浜

村人たちの小舟の代わりに当時は大・小発動艇が並んでいたと想像します。

 

日没直前、集合地点に到着した頃は夜闇となっていた。

既に敵も夜間戦闘に切り替えられたと思われたが本夜は特に静寂である。

揺れる発動艇に乗艇し発進の時を待ちながら

「天佑である必ず本撤退も成功すると自信が出て来た」

と矢野少佐は撤退直前の心境を書き残している。

 

鹵獲された大型発動艇

ソロモン諸島ヴェララヴェラ島付近で撮影

 

夕食もとり宵闇も濃くなった頃、各隊は二列側面縦隊で静々と発動艇に向かい、整斉堂々と秩序正しく落ち着き払って乗艇を完了し緑の灯を待つばかり。

 

乗艇地点の浜から離れた密林の中では大声で叫び此れが最期の艇だと置き去りにされぬよう念を入れている。

午後九時頃沖合にに緑の光、各発動艇は一斉に発進し駆逐艦に接舷、先を争う者もなく縄梯子をよじ登り駆逐艦の矢野大隊将兵は艦上の人となった。

つづく

 


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