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現在鋭意更新中 ケ号作戦 陸上戦目次 

 

立岩支隊長 立岩新策大尉 2月~4日 から続いております。

 

立岩支隊長 立岩 新策大尉

2月5日 早朝 現在地はラッセル諸島バイシー島

ウォッハム島より大型発動艇4隻到着。※ウォッハム島とは何処であろう・・・ウヰツクハム島の間違いではなかろうか・・・

SHANEさまよりウヰツクハムはバングヌ島ウィックハムと御教示戴き早速調べましたところ位置が判明致しました。

ウィックハムには昭和17年12月29日、歩兵第229聯隊第一大隊が上陸。

第一大隊長 原 正夫 少佐

大隊本部、第一・三・四中隊、第一機関銃中隊、通信隊の一部

独立機関砲中隊、呉第六陸戦隊松岡小隊

以上がウィックハム占領部隊で第三中隊はウィックハム島、他主力はウィックハムに布陣。

航空隊の不時着した搭乗員を救出等に活躍。

昭和18年2月7日ガ島第三次撤退を受け第四中隊の一個小隊・福島康明中尉指揮を残してムンダへ転進。

立岩支隊がバイシーを占領する迄、このウィックハムが日本軍ガ島後方第一線陣地だったのかと初めて知りました。

SHANEさま御教示ありがとうございました。

 

舟艇隊からの情報

第17軍のガ島からの転進作戦は2月7日夜をもって最後とす

 

前夜、第八方面軍からの電報

立岩支隊は2月7日夜。:現在地を脱出し海上遭遇せよ

 

立岩支隊長は此の二つの情報を基に同日夜各隊指揮官を招集しバイシー島脱出の作戦会議を実施している。

脱出は夜間

海上遭遇の方法と可能性

方向・針路確認

各舟艇の発動機と船体補修 等々

 

5日 6日 と敵の空襲は衰えず緊張の時が続く。

6日 朝の空襲では低空からの機銃掃射が浴びせられ、人員に被害は無かったものの舟艇がまた貫通被弾した。

 

6日正午

第八方面軍参謀より脱出指示の入電。

夕刻 またもや空襲

 

立岩支隊を機銃掃射したと思われるP38

 

緊迫した夜を過ごし明けて 7日 朝を迎えた立岩支隊長。

愈々、本夜脱出、思えば1月28日よりバイシー上陸十日間、あっと言う間に過ぎ去ったように思える。

兵員たちは昨日来、空襲の合間を縫って脱出準備、特に舟艇の点検修理に余念がない。

本日まで兵員たちに被害はないが、命と頼む舟艇・・・特に発動機に故障があってはと試運転するが発動機の音が響き危険極まりない。

舟艇は木造船の為、銃弾の貫通痕がはっきりと特定できず修理は困難であった。

 

7日 18:00  ※現地時間 20:00 日没は現地時間 18:00

食事を済ませた各隊はそれぞれの陣地を捨て各個担当舟艇に集合。

密林に隠匿してある舟艇を海岸へ曳き出す。

此の時またもや敵機が襲来した。

幸い暗夜で舟艇は発見されず事無きを得る。

 

19:00

各隊乗艇開始。

立岩支隊長も艇に乗り込む。

兵員が半分も乗り込んだところで銃弾の貫通痕から海水が流れ込んで来る。

兵隊が一人乗り込む毎に流れ込む水量は増え、中にはストンと音を立て打ち込んだ木片が飛び抜ける。

舟艇の内側から打ち込んだ木片は全て駄目だ。

予備の木片を外側から打ち込むが、その数一つ二つでは無い。

水を撒くジョウロの如く穴の数は数えきれない。

穴に気を取られていたが発動機が始動していない。

係の兵は上半身裸体となり懸命の修理を行っている。

兵員も焦りだし死物狂いとはこの事だ。

シャツを破いて木片と併せ打ち込む者、ふんどし一つで船に横這いとなって海水の流入を防ぐ者、皆の努力が実ったのか発動機から安定した音が聞こえ一同ほっと安堵した。

 

漸く発進した支隊長の艇は他の艇より取り残され一隻だけとなっていた。

海水の流入は少なくなっているが艇のアカ水を汲み出す者、流入を防ぐ者、涙ぐましい活躍は続けられていた。

 

海底に眠る大型発動艇

撮影位置はサイパン付近

 

21:00 ※:現地時間 23:00

双眼鏡で西方海上を注視する立岩支隊長

豆粒ほどの黒点が現れた。

次第に豆粒は大きくなり艦船と認められたが敵艦であれば瞬時にして海の藻屑となる。

一か八か意を決して赤色の懐中電灯をグルグルと大きく回す。

艦船からも赤色点滅、この光を見て兵達も小躍りして喜ぶ。

 

カミンボから望むラッセル諸島方面

七十四年前の深夜このビーチと沖合のラッセルで撤退作戦が敢行されたのでありました。

 

立岩支隊かぁー

と声が掛かるが答える間もなく我々を残し通過してしまった。

一同気を落とすもここは海上、駆逐艦が舟艇を認めその場に止まることは不可能なのであった。

間もなくUターンした駆逐艦は支隊の舟艇群付近に停止。

 

立岩支隊だなぁー そのまま直ぐ乗船せよ

兵器弾薬はそのままにして自分の物だけ持って乗艦せよ

 

支隊長は直ちに乗艦し石川海軍大尉に

兵器はどうするのですか?

と詰問

俺が責任を取る! 早く乗船せしめよ!!

と二度怒鳴られた。

 

兵員が全て乗船した途端

海軍兵が舟艇に飛び乗り舟底の栓を抜き取ってしまった。

支隊長は兵器に続き舟艇を沈める処置に二度吃驚。

石川大尉に抗議すると

俺が責任を取る!

とまたもや怒鳴られた。

 

夕雲型駆逐艦

 

 

乗船した駆逐艦は夕雲

そして立岩支隊は全員救われたのであった。

時刻は七日二十四時を回った頃であった。

 

本文中二箇所赤字にした部分があります。

自分の調べた範囲内で立岩支隊は 欠員なし という一語が必ず添えられております。

欠員なしの添え書きを裏付ける立岩支隊長の手記でありました。

 

つづきは・・・ 限定記事になってしまうのが残念です。

 

 

 


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