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現在鋭意更新中 ケ号作戦 陸上戦目次 

佐野 徳太郎 少尉の記録 2月4日~6日 より続いております。

 

矢野大隊(臨時編成歩兵第二百三十大隊)

第二中隊第一小隊長 加藤 寛 見習士官

敵のマルボボ逆上陸に対する増援の為、2月4日夜半より強行軍を続けカミンボに到着したのは6日午前11時頃だった。

加藤小隊長は此の強行軍を 以下原文転載

この4日5日6日の転進行軍は、矢野部隊長以下全員、「余命いくばくもない、あと数時間の命」と言うような重病患者の強行軍である。

全員骨と皮で、髭はボウボウ、顔も体も土色か蝋燭のように透き通っていて意識は朦朧としている。

良くもカミンボ迄辿り着いたものだ。

「国の為、日本国民の為戦うのだ。何としても部隊と共に」

と言う責任感が、部隊の中の個人個人の身体に流されてカミンボに到着出来たのだ。

転載終わり。

6日夕刻、加藤小隊長は今夜半ガ島撤退の命により兵器弾薬を埋没処理し乗船地まで五百米行軍の上、密林内で23:00まで待機したが駆逐艦は現れず再び休憩地に戻っている。

7日夜、昨晩と同様、乗船地の密林の中武器も弾丸もなく、駆逐艦が来るかどうかも判らず不安な時を過ごしている。

21:00か22:00頃大型発動艇が海岸に現れヘソまで海中に漬かりながら戦友同士助け合い艇に乗る。

23:00頃、前方沖合より赤い(青???)光の点滅信号。

艇は全速で駆逐艦へ、舷側に横付けすると大きな太い綱(縄梯子???)が垂らしてある。

全員ありったけの力で攀じ登り甲板に転げ込む。

駆逐艦は真っ暗な海上を全速で西進。

闇の中、黒く浮かぶガダルカナルの島影、多くの戦友が護国の神として眠る。

亡き友の冥福を祈り、捲土重来を心に叫ぶ。

 

第三次揚陸(撤退)作戦に輸送隊として参加した駆逐艦雪風

 

身体を横たえ

『俺は助かったのだ!!』

安堵した加藤小隊長は深い眠りに落ちた。

 

※加藤小隊長の手記は記憶に頼るところが多く、月日考証・細部に疑問が残りますがガ島戦を戦った小隊長としての苦悶、身体・精神の極限を体験した心情はとても参考になりました。

松田部隊戦闘詳報には

松作命甲第ニ十三号

松田部隊命令  二月六日 〇五〇〇 カミンボ糧秣交付所

一、大根田部隊長は爾今左の如く厳に交通統制に任ずべし

 一、エスペランス以西への部隊の昼間行動派絶対禁止

 二、部隊を離れ単独の行動絶対禁止

 三、通信兵及び重要なる連絡兵はこの限りにあらず

ニ、予はカミンボ糧秣交付所に在り

部隊長 松田大佐

下達法 印刷せるものを交付

とあるので6日11:00にカミンボに着いた加藤小隊もまた山砲中隊の佐野少尉と同様、艱難辛苦のエスペランス峠越えをしたのかも知れません。

 

つづく??のか

 

 

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