ガダルカナル戦書籍一覧   
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ソロモン諸島 ガダルカナル島 御戦没者名簿(鋭意整理入力中)

2012年 ガダルカナル島御慰霊行 目次    
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現在鋭意更新中 ケ号作戦 陸上戦目次 

佐野 徳太郎 少尉の記録 1月29日~2月3日 より続いております。

 

矢野大隊(臨時編成歩兵第二百三十大隊)

第二中隊第一小隊長 加藤 寛 見習士官

 

米軍が撤収乗艦地点のマルボボより後方に逆上陸し我軍一個中隊応戦中の報を受け矢野大隊は此の増援に行く事になり3日(実際は4日)夜半出発、強行軍が始まった。

 

兵達は既に体力は消耗し立つ事が漸くの状態で蛸壺の中で引き金は引くことが出来るが行軍などとても出来る状態ではなかった。

行軍が開始されると

置いて行ってくれ  もう駄目だ

と言う者続出。

置いて行けば明日には敵が来て射殺されることは必至、そうはさせじと怒鳴っても落伍者続出である。

 

佐野少尉も怒鳴れば怒鳴る程体力を消耗するので樹の枝を拾い怒鳴りながら枝で殴って連行する。

小隊の先頭を進んだり小隊の様子を見ながら最後尾を見回る。

最後尾で落伍しそうになり

置いて行ってくれ

と言う者を引っ張ったり隣の戦友に頼んだり(命令したり)、兵よりも三~四倍も体力が消耗する。

2月6日の予想布陣図

小隊長としての気力と責任感だけが自分を支え、大声を出させ、杖を振り上げ兵を叩かせる。

眼前の道路と自分の小隊以外は目の前にあっても脳に映らない。

エスペランス岬の岩山の中腹、崖渕の細い道は遮蔽部が何もなく海空に暴露しておりこの時だけは全神経を目に集中する。

海からの敵艦の監視、上空からの飛行機、見張りを怠る訳にはゆかない。

一兵も残さぬ

下士官兵元気な者が一丸となって弱い者を助け撤退集結地カミンボに到着したのは6日午前11時頃だった。

 

佐藤少尉

小隊長がこんな事でどうするか。

分隊長がこんな事でどうするか。

気力と責任感が号令を掛け、命令を下し身体を動かしていた。

大休止の命により皆横になる。

皆、疲労困憊、朦朧としている。

 

*****************以上 佐野少尉の手記概略*****************

 

カミンボ付近の椰子の樹 2012年撮影

疲れ果て倒れ込むように横になり見上げた兵の眼にこの様な椰子の樹が映ったのかも知れません。

 

矢野大隊長、松本准尉の記録では糧秣を受領しガ島一番の食事をとって休養しているのですが佐野少尉の記録は只々疲れ果てているように読み取れます。

一兵も残さず の結果、消耗し尽くしガ島一番の食事をとった記憶すら遠くへ追いやってしまったと想像します。

 

つづく

 

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山砲兵第三八連隊 第八中隊のガ島戦

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