GTBコンサルティング 平賀 正志(中小企業診断士) -19ページ目



PDCAサイクル」という言葉を耳にされたことがあると思います。



一般的には生産管理や品質管理などの管理業務をスムースに進めるための手法と一つとされています。よってセミナーなどでも頻繁に取り上げられているテーマではないかと思われます。またISO認証などにもこの考え方が反映されているため、「詳しくは知らないけれど、言葉はよく聞くよ」という方もあるでしょう。


 P = Plan(計画)


 D = Do(実行)


 C = Check(評価)


 A = Act(改善)



ということなのですが、私はこの前の段階にあるべきにとても大切なことが強調されていないと思っています。



それは「Record(記録を取る)」です。

これは、歩留まり率の記録といったような直接生産に関わるようなことだけでなく、経理的な記帳もそうですし、在庫管理票や出退勤簿への記入もそうでしょう。


とにかくあらゆるものを記録して「今の自分達ががどういう姿なのか」ということをまず掴まないことには、計画の立てようがありません。入り口の計画が実態に対して作られたものでないと、それこそ「達成不可能な計画」だったり「簡単にできてしまう改善」になってしまいます。



にもかかわらず、「いつに、何を、幾らで、どれだけの量を買って、それをいつ、どの製造過程に投入した」などの記録が取られていないことが大変多いです。


心当たりのある経営者さま、多いのではないでしょうか。


「何かを良くしたい」ということであれば、まずは愚直に「記録を取って」みてはいかがでしょうか。一見回り道に見えるかもしれませんが、案外それが近道になる可能性は高いでしょう。


そしてその過程で気が付くことも多々あろうかと思います。






年が開け、早くも1ヵ月が過ぎようとしています。年始の挨拶回りも済んで、腰を落ち着けて日々の業務に当たられているものと思います。



さて、新聞や雑誌・統計資料などを見ていると、異口同音に「リーマンショックに端を発した世界的な景気後退による閉塞感を脱することができず…」と書かれています。



景気が「ふさがったような感じだ」ということなのでしょうが、だからと言って、それが自分が経営する会社や事業所の不振に直接つながるのでしょうか。もしそうだと言うなら、


「回りが調子いい時は、自分も良くて、回りが調子悪くなると、自分も調子悪くなる」


ってことになります。それって「自立」できてない証拠ではないでしょうか。


ぬるま湯に浸かった蛙が、湯の温度が上がるのに合わせて体温を上げ、仕舞いには内臓を破裂させてしまうかのように。



「閉塞感」という言葉を逃げ口上にして努力不足の責任を転嫁していませんか?


もちろん、取引先の業績に影響されて多少売上に伸び縮みが現れることはあるでしょう。それは否定しません。しかし、売上が伸びないなら、新たな取引先を探す、新製品を開発して売上を確保する、などなどやれることはいくらでもあるはずです。

誰かがその「ふさがった感じ」を打破はしてくれません。それぞれが自身で袋小路の出口を見い出さないことには、未来は開けません。経営者の方々は、待ちの姿勢ではなく、こういう時期だからこそ動くべきです。立ち止まっていては、ますます「閉塞感」の渦に飲まれます。



皆様の会社・事業所はそんなに力がないのでしょうか?

そんなことはないでしょう。



しかし、「どうしたらいいのかわからない、アイデアもない」という場合もあるかもしれません。

そういう時は、一緒になって考えてくれる人間を頼るのも手です。その相手は、私のような経営コンサルタントでも良いですし、自治体の企業振興部署でも結構でしょう。同業者組合などに出入りして同じ立場の方々同士で意見交換なさってもいいと思います。または、企業内・事業所内でアイデアを募ってもいいでしょう。


とにかく誰かと話してみて、ヒントを掴むべきです。



「今のままでは良くない」ということであるならば、とにかく行動を起こしてください。

もちろん、私もお手伝いできますので一声掛けてみてください。













只今、私の大好きな「ベートーヴェン 交響曲第9番」、通称「第九」を聴きながらコラムを執筆しております。この「第九」は日本の年末の風物詩ともいえます。


きっとこの瞬間も日本のどこかでジルベスター・コンサート(大晦日に行われる、主にクラシック音楽のコンサートのこと)が開かれ、「第九」が演奏されていることでしょう。





2009年も残すところ1時間少しとなりました。

いろんなことがあったと思うのですが、これを目にされる皆様の中で、今年の初めの段階でこの大晦日の世相について「予想できた」という方はいらっしゃいますでしょうか。




私は、予想できた部分とそうでない部分があります。


それぞれが何かということをご説明できるほどにここには紙面がありませんので省略しますが、一つだけ挙げますと、


「ますます先行きが読みにくくなるだろう、ということ」


だけは予想が出来ました。





「そんなの誰でも予測できるだろ」って?




おっしゃる通りだと思います。


では、そういう時代に我々はどのように立ち向かうのでしょうか。

それは考えていかなくてはなりません。




しかし、企業は設備投資を控え、公共事業は減り、消費者の可処分所得も増えない状況。受注が減る、低価格での提供を求められる、などとにかく量的低下は進む一方です。




どこに活路を見出すのでしょうか。




減った分を埋め合わせる何かを作り出すのか、減った分に見合った規模まで、まずは縮小して次の一手に備えるのか。




そのどちらかが正解とも不正解ともいうことはありません。答えはないのです。決めた方角へ向いて、慎重に、時には大胆に、知恵とともに歩んでいくしかありません。


無策は、衰退にしかつながりません。現に量的には縮小を始めているのですから。





行政刷新会議による「事業仕分け」がありました。

その是非についてはここではとやかく申し上げません。




しかし、皆様の企業・事業所の中では(私自身も個人事業者ですので、もちろん私自身も)この「事業仕分け」、必要なのではないでしょうか。




・やろうとしていることに対し予算を取ったが、それはそもそも必要なのか


・予算計上を見送ったが、本当は必要なのではないか


・ある業務に多くの時間を割こうとしているが、それでいいのか




など、惰性的に決定されてきていたことにメスを入れ、方向性を確かにする必要があります。




「とは言っても、なかなか取捨選択できないよ」とおっしゃるかもしれません。

であるならば、その決定に慎重を期すために経営コンサルタントがお手伝いできます。






私は、いろんな人々・企業様と接してきております。その中で、きっと皆様の企業・事業所・お店のためにお役に立つ知識・実務経験があるはずです。気軽に使える「外部資源」としてこれを生かさない手はありません。


是非ご相談ください。お待ちしております。







文末になりましたが、皆様の来る年のご繁栄をお祈り申し上げて、締めの言葉と致します。