「PDCAサイクル」という言葉を耳にされたことがあると思います。
一般的には生産管理や品質管理などの管理業務をスムースに進めるための手法と一つとされています。よってセミナーなどでも頻繁に取り上げられているテーマではないかと思われます。またISO認証などにもこの考え方が反映されているため、「詳しくは知らないけれど、言葉はよく聞くよ」という方もあるでしょう。
P = Plan(計画)
D = Do(実行)
C = Check(評価)
A = Act(改善)
ということなのですが、私はこの前の段階にあるべきにとても大切なことが強調されていないと思っています。
それは「Record(記録を取る)」です。
これは、歩留まり率の記録といったような直接生産に関わるようなことだけでなく、経理的な記帳もそうですし、在庫管理票や出退勤簿への記入もそうでしょう。
とにかくあらゆるものを記録して「今の自分達ががどういう姿なのか」ということをまず掴まないことには、計画の立てようがありません。入り口の計画が実態に対して作られたものでないと、それこそ「達成不可能な計画」だったり「簡単にできてしまう改善」になってしまいます。
にもかかわらず、「いつに、何を、幾らで、どれだけの量を買って、それをいつ、どの製造過程に投入した」などの記録が取られていないことが大変多いです。
心当たりのある経営者さま、多いのではないでしょうか。
「何かを良くしたい」ということであれば、まずは愚直に「記録を取って」みてはいかがでしょうか。一見回り道に見えるかもしれませんが、案外それが近道になる可能性は高いでしょう。
そしてその過程で気が付くことも多々あろうかと思います。