こんにちは。
1審、横浜地裁判決から6年、
昨日、東京高裁で2審判決がでました。
東京高裁は、懲役18年とした差し戻し後の1審、横浜地裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却。
あの事件です。
東名高速での「あおり運転」。
2人が亡くなった事件で、懲役18年。
そろそろ法改正も必要なんでは と思う。
今日の過去問は、令和5年度問28の問題を○×式でやりたいと思います。
Aが所有する甲土地(以下「甲」という。)につき、Bの所有権の取得時効が完成し、その後、Bがこれを援用した。
この場合に関する次の記述について、民法の規定及び判例に照らし、検討してみましょう。
尚、試験問題の登場人物は、すべてA~Cに書き換えております。
それでは、早速。
問題
Bの時効完成前に、CがAから甲を買い受けて所有権移転登記を了した場合、Bは、Cに対して、登記なくして時効による所有権取得をもって対抗することができる。
正解は?
○
今日は、「取得時効」に関する問題。
1問目は、この問題なんですが、
こ、これは、、、
この中の肢を「アレ問」しましたね。
問
不動産を時効により取得した占有者は、取得時効が完成する前に当該不動産を譲り受けた者に対して、登記がなくても、時効による所有権の取得を対抗することができる。○
昭和38(オ)516 所有権確認等請求昭和41年11月22日 最高裁判所第三小法廷 判決 破棄差戻 福岡高等裁判所
時効による不動産所有権取得の有無を考察するにあたつては、単に当事者間のみならず第三者に対する関係も同時に考慮しなければならないのであつて、この関係においては、結局当該不動産についていかなる時期に何人によつて登記がなされたかが問題となるのである。
そして、時効が完成しても、その登記がなければ、その(時効が完成)後に登記を経由した第三者に対しては時効による権利の取得を対抗することができないのに反し、①
第三者のなした登記後に時効が完成した場合においては、その第三者に対しては、登記を経由しなくても時効取得をもつてこれに対抗することができるものと解すべきことは、当裁判所の判例とするところであつて、これを変更すべき必要を認めない。➁
Bさんの時効完成前に、CさんがAさんから甲を買い受けて所有権移転登記を了した場合。
つまり、この完成前の時点でCさんが登記をすることで、
Cさん=Aさん。
時効が完成したらBさんとCさんは当事者同士ってこと。
と言うことで、この肢は、正しい記述です。
問題
Bの時効完成後に、CがAから甲を買い受けて所有権移転登記を了した場合、Bは、Cに対して、登記なくして時効による所有権取得をもって対抗することはできず、その際にBが甲の占有開始時点を任意に選択してその成立を主張することは許されない。
正解は?
○
2問目は、この問題。
過去問は、1問目でご紹介したものに似たようなのが、、、
問
不動産の取得時効の完成後、占有者が、その時効が完成した後に当該不動産を譲り受けた者に対して時効を主張するにあたり、起算点を自由に選択して取得時効を援用することは妨げられない。×
問題前半部分「~~~対抗することはできず、」までは、1問目の判例の「①」。
それ以降の部分は、過去問通り。
判例は、
昭和32(オ)344 土地所有権確認等請求昭和35年7月27日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
しからば、結局取得時効完成の時期を定めるにあたつては、取得時効の基礎たる事実が法律に定めた時効期間以上に継続した場合においても、必らず時効の基礎たる事実の開始した時を起算点として時効完成の時期を決定すべきものであつて、取得時効を援用する者において任意にその起算点を選択し、時効完成の時期を或いは早め或いは遅らせることはできないものと解すべきである。
と言うことで、占有開始時点を「任意に選択」してその成立を主張することはできませんので、この肢も正しい記述と言うことです。
問題
Bの時効完成後に、CがAから甲を買い受けて所有権移転登記を了した場合、Bは、Cに対して、Cが背信的悪意者であったと認められる特段の事情があるときでも、登記なくして時効による所有権取得を対抗することはできない。
正解は?
×
3問目は、この問題なんですが、、、
これも同じ過去問に似たような問題が。
焼き増し
「背信的悪意者」絡み。
背信的悪意者=事実を知っていたうえで信義に背くような行為を行う者
問題では、「Cさんが背信的悪意者であったと認められる特段の事情があるときでも、」登記なくして時効による所有権取得を対抗することはできないと言っています。
問題前半部分は、1問目の判例の「①」で確認できます。
後半部分なんですが、
平成17(受)144 所有権確認請求本訴,所有権確認等請求反訴,土地所有権確認等請求事件平成18年1月17日 最高裁判所第三小法廷 判決 その他 高松高等裁判所
民法177条にいう第三者については、一般的にはその善意・悪意を問わないものであるが、実体上物権変動があった事実を知る者において、同物権変動についての登記の欠缺を主張することが信義に反するものと認められる事情がある場合には、登記の欠缺を主張するについて正当な利益を有しないものであって、このような背信的悪意者は、民法177条にいう第三者に当たらないものと解すべきである。
(不動産に関する物権の変動の対抗要件)
第百七十七条 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
背信的悪意者は、民法第百七十七条にいう第三者に当たらないと言うことは、登記なくして時効による所有権取得を対抗することができると言うこと。
この肢は、間違いの記述ってことです。
問題
Bの時効完成後に、CがAから甲を買い受けて所有権移転登記を了した場合、その後さらにBが甲の占有を取得時効の成立に必要な期間継続したときは、Bは、Cに対し時効を援用すれば、時効による所有権取得をもって登記なくして対抗することができる。
正解は?
○
4問目は、この問題。
Bさんの時効完成後
↓
CさんがAさんから甲を買い受けて所有権移転登記を了した
ここは、①ですから、本来であれば、登記がなければ、Bさんは、Cさんに対しては権利の取得を対抗することはできません。
問題では、
その後
さらに、Bさんが
甲の占有を取得時効の成立に必要な期間継続した
問題では、Bさんは、Cさんに対し「時効を援用」すれば、時効による所有権取得をもって登記なくして対抗することができると言っています。
これ、紹介した過去問に類似問題が、、、
問
不動産を時効により取得した占有者は、取得時効が完成した後に当該不動産を譲り受けた者に対して、登記がなければ時効取得をもって対抗することができず、このことは、その占有者が、その後さらに時効取得に必要な期間、占有を継続したとしても、特段の事情がない限り、異ならない。×
と言うことは
昭和34(オ)779 所有権移転登記手続履行請求昭和36年7月20日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 仙台高等裁判所
原判決の確定した事実関係によれば、本件山林は、もとa部落の所有するところであつたが、被上告人(控訴人、原告)の被承継人第一次D神社は明治三八年五月二九日より大正四年五月二九日まで一〇年間これを所有の意思をもつて平穏、公然、善意、無過失に占有を継続し、ために大正四年五月二九日に取得時効が完成したもののその登記を経ることなく経過するうち、同一五年八月二六日上告人(被控訴人、被告)がa部落より右山林の寄附をうけてその旨の登記を経由するに至つたところ、第一次D神社はさらに右登記の日より昭和一一年八月二六日まで一〇年間引き続き所有の意思をもつて平穏、公然、善意、無過失に占有を継続したというのである。
されば、前記第一次D神社は右時効による所有権の取得をその旨の登記を経由することなくても上告人に対抗することができること前示当裁判所の判例に照し明らかであり、従つて、右第一次D神社の包括承継人である被上告人もまた同一の主張をなしうること論を待たない。
Cさんが登記を備えた日からさらに取得時効に必要な期間占有を継続し時効が完成した場合、CさんはBさんと当事者同士ってことです。
そのため、この肢は、正しい記述です。
問題
Bの時効完成後に、CがAから甲につき抵当権の設定を受けてその登記を了した場合、Bは、抵当権設定登記後引き続き甲の占有を取得時効の成立に必要な期間継続したときは、BがCに対し時効を援用すれば、Bが抵当権の存在を容認していたなどの抵当権の消滅を妨げる特段の事情がない限り、甲を時効取得し、その結果、Cの抵当権は消滅する。
正解は?
○
今日の最後の問題。
今日の問題は過去問をしっかり理解していれば、4点取れた問題ですね。
問
不動産の取得時効の完成後、占有者が登記をしないうちに、その不動産につき第三者のために抵当権設定登記がなされた場合であっても、その占有者(Bさん)が、その後さらに時効取得に必要な期間、占有を継続したときは、特段の事情がない限り、占有者はその不動産を時効により取得し、その結果、抵当権は消滅する。○
過去問で紹介した判例を。。。
平成22(受)336 第三者異議事件平成24年3月16日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 福岡高等裁判所 宮崎支部
不動産の取得時効の完成後、所有権移転登記がされることのないまま、第三者が原所有者から抵当権の設定を受けて抵当権設定登記を了した場合において、上記不動産の時効取得者である占有者(肢:Bさん)が、その後引き続き時効取得に必要な期間占有を継続したときは、上記特段の事情(占有者(肢:Bさん)が上記抵当権の存在を容認していたなど抵当権の消滅を妨げるなどの事情)がない限り、上記占有者(Bさん)は、上記不動産を時効取得し、その結果、上記抵当権は消滅すると解するのが相当である。
この肢は、正しい記述です。
被告の発言には、です。
裁判官に向かって、
「俺が出るまで待っておけよ」と述べ、そのまま退廷。
反省も何もあったものではありませんね。
こう言う発言も自由とは。
復讐される可能性あり
日本には、法定侮辱罪はありません。
あるのは、「法廷等の秩序維持に関する法律」
罰則は、、、
裁判所又は裁判官が法廷又は法廷外で事件につき審判その他の手続をするに際し、その面前その他直接に知ることができる場所で、秩序を維持するため裁判所が命じた事項を行わず若しくは執つた措置に従わず、又は暴言、暴行、けん騒その他不穏当な言動で裁判所の職務の執行を妨害し若しくは裁判の威信を著しく害した者は、二十日以下の監置若しくは三万円以下の過料に処し、又はこれを併科する。
この発言、「裁判の威信を著しく害した」ことにはならないんだろうか
1日でも長く、出て来ないでほしい。。。
今日も最後までありがとうございました。
んでねぃ。
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