おばんです。
すっかり秋らしくなってきました。
季節の変わり目、疲れが出て体調を崩しやすい時期ですのでご注意下さいね。
今日の過去問は平成25年度問18の問題を○×式でやります。
それでは早速。
問題
取消訴訟の審理は、書面によることが原則であり、当事者から口頭弁論の求めがあったときに限り、その機会を与えるものとされている。
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正解は?
×
今日は辞書から始まります。
訴訟=裁判所に訴えて、権利・義務の法律的確定を求めること。その手続き。
裁判所に訴えるってことは、皆さんご存知のように裁判長の指揮のもと行われます。
と言うことは口頭弁論ですね。
問題の「取消訴訟の審理は、」を行政への不服申立ての「審査請求の審理は、」にすれば○になる問題です。
問題
裁判所は、処分の執行停止の必要があると認めるときは、職権で、処分の効力、 処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止をすることができる。
正解は?
×
裁判所は職権で執行停止をすることはありません。
重要ですので条文を比較しておきましょう。
行政事件訴訟法
(執行停止)
2 処分の取消しの訴えの提起があつた場合において、処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもつて、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止(執行停止)をすることができる。但し書き、略。
行政不服審査法
(執行停止)
2 処分庁の上級行政庁又は処分庁である審査庁は、必要があると認める場合には、審査請求人の申立てにより又は職権で、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止その他の措置(執行停止)をとることができる。
違いを十分に把握しましょう。
問題
取消訴訟の訴訟代理人については、代理人として選任する旨の書面による証明があれば誰でも訴訟代理人になることができ、弁護士等の資格は必要とされない。
正解は?
×
行政事件訴訟法には訴訟代理人の規定はないですね。
と言うことは、
(この法律に定めがない事項)
第七条 行政事件訴訟に関し、この法律に定めがない事項については、民事訴訟の例による。
によることになります。
民事訴訟法を見てみましょう。
(訴訟代理人の資格)
第五十四条 法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができない。ただし、簡易裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を訴訟代理人とすることができる。
2 前項の許可は、いつでも取り消すことができる。
1.法令により裁判上の行為をすることができる代理人
2.弁護士
と書かれていますので訴訟代理人の資格は定まっているんですね。
代理人として選任する旨の書面による証明があればっていうのは、旧行政不服審査法にあった規定です。
合わせ技の問題を上手く考えてきますね。
旧行政不服審査法
(代表者の資格の証明等)
第一三条 代表者若しくは管理人、総代又は代理人の資格は、書面で証明しなければならない。前条第二項ただし書に規定する特別の委任についても、同様とする。
2 略。
ちなみに、書面による証明の規定は、みたところ新行政不服審査法にはありませんでした。
が、しかし、行政不服審査法施行令にあるんですね。
(代表者等の資格の証明等)
第三条 審査請求人の代表者若しくは管理人、総代又は代理人の資格は、次条第三項の規定の適用がある場合のほか、書面で証明しなければならない。法第十二条第二項 ただし書に規定する特別の委任についても、同様とする。
2、3 略。
不服申立ての代理人については、弁護士でなければならない等の規定はありませんので、資格を書面で証明すれば、本人がよければ誰でも代理人に選任することができるってことですね。
大きく違うところですね。
それとこの条文、次条の第三項とあります。
条文を見ていると前条とか前項ってのと第○○条のってのをよく見かけるんですが、次条ってちょっと変な感じがしませんか?
私だけですかね。
問題
裁判所は、必要があると認めるときは、職権で証拠調べをすることができるが、その結果について当事者の意見をきかなければならない。
正解は?
○
(職権証拠調べ)
第二十四条 裁判所は、必要があると認めるときは、職権で、証拠調べをすることができる。ただし、その証拠調べの結果について、当事者の意見をきかなければならない。
条文そのままですね。
問題
取消訴訟の原告は、処分行政庁に訴状を提出することにより、処分行政庁を経由しても訴訟を提起することができる。
正解は?
×
この問題も三問目同様規定はありませんので、民事訴訟の例によることになります。
(訴え提起の方式)
第百三十三条 訴えの提起は、訴状を裁判所に提出してしなければならない。
2 訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 当事者及び法定代理人
二 請求の趣旨及び原因
まぁ、訴訟ですから裁判所に訴状でしょうね。
逆に処分行政庁に訴状を提出した場合、いやいやOさんちょっと待ってよ~ってな風になんだかんだ言われて提出を見合わせるような方向にもっていかれそうじゃないですか。
(処分庁等を経由する審査請求)
第二十一条 審査請求をすべき行政庁が処分庁等と異なる場合における審査請求は、処分庁等を経由してすることができる。略。
この審査請求との混同を狙った問題ですね。
今回の五問は行政事件訴訟法と行政不服審査法の相違点や混同を狙ったものが多かったですが、違いを意識しながら記憶しないと足元をすくわれることになりますのでご注意くださいね。
今日のところはここまでです。
んでまずまた