まさに割り切れないワイン | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る


ジュリアン・メイエー ピノ・ノワール「ハイセンシュタイン」アルザス VV 2000
購入日    2006年1月
開栓日    2006年1月25日
購入先    Alcoholic Armadillo
インポーター コスモ・ジュン
購入価格   4400円

ほとんど血液がピノ・ノワールなわたしとしては、Alcoholic Armadilloのいのまた専務に
持ち上げられ、ooisotaroさんも昨年印象に残るワインに挙げておられるこの1本を
開けたくなるのは人情である、というものだ。
うまいこと2人にはめられている気もするが(笑)、ミイラ取りがミイラになるかも知れない。

わたしが開けた1本は澱は多くはなく、透明感のあるえんじ色の液体であった。
前日のペロ・ミノのブルゴーニュ・ルージュが、濃いガーネット色であったのとえらい違いだ。
しかしブルゴーニュの古酒とは何となく異なり、同じえんじ色でもフレッシュさがある。

香りを嗅ぐと、はっきりビオである、と分かる。
果実味が凝縮した甘い香りからはほど遠く、パカレで香った記憶が思い起こされる。

口に含むと独特の酸味、言いようのないユニークな味わい。なるほど、これが「梅昆布」か。
DRCだってルロアだってビオらしいが、パカレやプリューレ・ロックとはずいぶん印象が違う。
このワインは明らかに後者のワインに共通した特徴がある。

翌日はやや複雑さは引っ込み、ビオ臭もなりを潜め、いっそう酸味を帯びた旨味が感じられるが、
やはり甘みはほとんどない。
わたしとしては、やはりもうちょっと置いて体験したいところだが、
果たして3年後は一体どうなっているのだろう。

実におもしろいピノ・ノワールの一形態。
悪い意味ではないが、赤ワインを飲みつけないシロウトからは絶対に褒められないワイン。
チリのカベルネがワインの典型だと思っている人が飲むと、トルコのヨーグルト飲料と間違うかも。

音楽に例えると、う~ん、オネゲルやダリウス・ミヨーあたりを思い浮かべてしまう。
ベートーヴェンやブラームスの交響曲たちが好きな人には、だめだろうなあ。

でもわたしには美味しかった。最上のピノにしか感じられない気品がある。
これはぜひ他のヴィンテージも開けてみたい。
2001もあわせて購入したが、いつ開けたらいいのかいな???