THEATRE GRENAT ~てあとる・ぐれな~ -39ページ目

時間堂ワークインプログレス♪

私が今最も注目している役者さんの一人、菅野貴夫さんの所属する劇団・時間堂のワークインプログレス(公開稽古)に、観る側として参加させていただきました音符


場所は王子スタジオ。到着すると、スタジオ内で役者さん達が普通に食事をしていたり、堂々と(!)着替えをしていたり。普段役者さん達のプライベートな時間を見る機会がない私としては、正直、直視しちゃいけないような気がして目を反らしてました(笑)


そして通し稽古前。個人個人で身体を動かしながら声を出したり、コンディションを確認したり。皆で輪になってコミュニケーションを取ったり、ゲームのような感覚のアップをしたりしている光景を見ながら、役者さん達は稽古もその瞬間瞬間を大切に生きているんだなって実感しました。


普段私はベストコンディションで仕事をしているという意識は全くないし、自分の身体と向き合って身体と対話をしてあげたことなんて産まれてこの方一度もないような気がして・・・なんだかすごく反省。


演目は、公演目前の『月並みなはなし』。その役柄に役者の皆さんがなりきっていく光景は、歩きながらそれぞれが違う人格にどんどん変化していくのが目に見えて分かって、えもいわれぬ感銘を覚えました。特に女優さん達は、始まる前はみんな清涼なイメージだったのに、見る見るうちに個性的な空気をまとっていって。人並みはずれた演技力の持ち主達だと瞬時に感じてゾクゾクしました。まるで演出の黒澤世莉さんがスタジオに魔法をかけているようで、この時点で既に、私が最近求めている「演劇の力の凄さ・人間の持つ力の凄さ」を見せていただけて感動しきり。


そしていよいよ、通し稽古。照明効果はもちろんなく、最低限の音楽だけがついた状態。しかし役者さん達の演技に凄い勢いで引き込まれ、このまま充分チケット代金を取れるような素晴らしい完成度の美しいお芝居を観せていただきました(公演前ですので具体的な内容は控えます)。


通し稽古を終えた後は、お菓子をいただきながらの交流会。観る側には私のような一般人だけではなく、役者さんが結構いらしていたのでその方達の発言が多かったのですが、私ももっと話したかったなー、と。でも一般人の皆さんとてもシャイで(笑)私も一回だけ手を挙げて発言したのですが、もっともっと言いたいことが沢山ありました。だってそのためのWIPでしょ?無料でこんなに素敵なお芝居を観せていただいたのに、感想を何も言わないなんてズルいよ(笑)(ちなみに私、「アマネが○○を配るときの笑顔が好き」だと言った者です)


本公演は座・高円寺2で上演されますが、ここからさらに照明や音響が入ると思うと、どんな素敵なステージになるのかと今からとてもわくわくします。優しさと温かさに満ちた芝居運びは、しっかりとした舞台作りの技術に裏打ちされていて、決して表面的な優しさだけではない、幾重にも重なる重厚な人間の営みをその底力に感じました。きっと素敵な舞台になる。そう確信して、初めて参加させていただいたWIPのスタジオを後にしたのでした。


公演、心から楽しみです。時間堂の皆様、素敵な時間をありがとうございましたラブラブ



【公演情報】


時間堂 『月並みなはなし』


第7回杉並演劇祭参加作品 / 後援 宇宙航空研究開発機構(JAXA)

http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=12060


脚本 / 演出 黒澤 世莉


[公演会場] 座・高円寺2


[公演日時] 2010年3月11日(木)~3月14日(日)


[出演] 鈴木浩司/菅野貴夫/大川翔子/園田裕樹/髙島玲/百花亜希/金子久美/木内コギト/原田優理子


[ものがたり] 今より少し未来の秋の昼下がり、地球の温暖化が進み、ひとが月への移民をはじめたころの話。郊外のとあるレストランの、テラスのある一室では、移民候補者たちの残念会が催されていた。厳しい選考試験の中で最終選考まで残った優秀なひとびとだが、結果は落選。の、はずだった。

けれど、管理官と呼ばれるひとの一言によって、状況は一変する。 「欠員がでたので、一名の代表者を選んでください。制限時間は60分」 信頼しあい、助け合ってきた仲間たち。だからこそ一人は月へと送ろうと、お互いを労りあい、傷つけあいながら話しあう。恋人たちは、月と地球の距離をおそれ、気持ちがすれ違っていく。


時間堂がお贈りする「すごい、ふつうの演劇。ふつうの、すごい演劇」

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虚構の劇団『監視カメラが忘れたアリア』観劇っ♪

THEATRE GRENAT  ~てあとる・ぐれな~-監視カメラ

巨匠・鴻上尚史さん率いる虚構の劇団『監視カメラが忘れたアリア』を座・高円寺1で観て来ました音譜先日記事にしたMUと並んで、2月を幸せで彩ってくれたもう一つの公演が、これ。あまりに素敵で、結局3回観に行ってしまいましたラブラブ!


何が素敵って。やはり、何をとっても一流のスタッフの為せる上質の演劇だということ。鴻上さんはこの作品を含む三部作『グローブ・ジャングル』2009年読売文学賞の戯曲・シナリオ部門を受賞。映像のセンスや群舞、劇中劇の演出も素晴らしく。観劇初心者としては圧倒される一方で、笑いながら・感動しながら、もっともっとこの作品や演劇自体を理解したいなと軽く焦りを感じるのです。



ストーリー的にはとても分かりやすい、防犯との名目で街中に取り付けられた監視カメラが新たな悲劇を呼ぶ物語。監視カメラの概念はいろいろなものに変換できます。携帯電話もそうだし、古くはテレビやラジオも、印刷技術も同じ。安心・安全のために、正しい情報を伝えるためにと生み出されたものがほどなくして新たな問題を生む。

カメラの影で行われる卑劣な犯罪。カメラの前で行われる虚言。

君が代を歌って虚礼を示すとか、ストレートすぎてヤバいです。高校時代、私の恩師が君が代に関わるのを拒否して、全校集会でのピアノの伴奏は毎回私がやらされていたのを思い出しました。


そして私、電車の女性車両は激しくいらないと思っているのですけど、それは「痴漢を無くすには痴漢とその対象を隔離することよりも痴漢がなくなるような地盤作りが必要」だと思ってるから。同じように、監視カメラが無くても人が安心して暮らせる社会が必要なんですよね。


そんな感じで、鴻上さんの提示した問題は私なりに答えが出ています。けれどこの物語には、「秘密」というもう一つのキーワードがあって。


愛する人に全てを見せること。全てを話すこと。それが果たしてひとえに良いことなのか、そうしない・出来ないことは罪なのか。誠意とは何か、幸せとはなにか。この世に生を受けた全ての人がいずれそこに突き当たるであろう苦悩を前面に出し、幸せに生きる術を鴻上さんは観客に問いかけます。女性として、主人公の文緒に感情移入しながら、今まで自分がつかざるをえなかった小さな「嘘」に心が痛みました汗


そんな痛い思いも、お芝居を観ていると「愛しいもの」だと思える。そんな素敵な感覚を覚えられるこの公演のような質の高いお芝居を、この先もずっと観続けたいなと思いました。お芝居にはいろいろなジャンル・いろいろな表現があるけれど。虚構の劇団は今、私の胸が最も高鳴る表現で魅せてくれる劇団の一つなのですラブラブ!



ちなみに、虚構の劇団の作品を観るのは『リアリティ・ショウ』『ハッシャ・バイ』に続き3公演目。『リアリティ・ショウ』では早いセリフ回しに戸惑って気後れ感を感じたものでしたが、『ハッシャ・バイ』では演劇としてのパラレル的表現力に圧倒され、非常に大きな感動を覚えて「私はこういう”舞台芸術”が観たい。もっともっとこういう上質な演劇を観たい」と開眼させられました。


そして今回も社会批判を大きく前面に出したストーリーの中、そのアプローチをリアルなものとして観客に訴えるために役者さん達が葛藤・努力したであろう様を空気で感じ、なんて素晴らしい力を演劇は、そして人間は持っているのだろうと改めて強く思わされました。


帰り道はまるで、答えの無い迷路の入り口に立ってしまったような気分で。なんという深い芸術の淵を私は観てしまったのだろう、と。観客である私がそう思うのだから、役者さん達はもっともっと、それこそ人生をかけて迷宮の中に入り込む決意をしているのかな、なんて想像しています。


その実力派揃いの役者さんの中、私が今一番ときめきを感じるのが小沢道成くん。初見の舞台からその天才的な演技力に驚かされたものでしたが、その後のエムキチビート『昇鳴蛇』、『ハッシャ・バイ』、タカハ劇団『モロトフカクテル』で観るごとにその演技に飲み込まれるように惹かれ、とうとう私の中で演劇的トップの一人となってしまいました。ですから今回も、彼の演技を観ることがすごく楽しみで。今では家で『グローブ・ジャングル』と『リアリティ・ショウ』のDVDを交互に観る日々です音譜


その道成くんの今回の役柄は、天使(注:化け物)。『モロトフカクテル』で色白の可愛い彼を見て、是非天使の羽根をつけてほしいなと思っていたのですが、まさかこんなに早くその夢が実現するとは(笑)。しかし天使にしてもいじめっ子にしても、その計算されつくした緻密な演技にはやはり脱帽。独特の空気感も健在だし、まだ24歳なのに既に大物の予感さえします。踊る姿やアップの風景の筋力を見ても、あの細い肢体にどこにそんなバイタリティがプールされているのかと感動すらしますラブラブ!


女優さんでは、小野川晶ちゃんと大久保綾乃ちゃんの、対称的な演技が目を引きますね。生まれながらに華を持ち、生命力に溢れた晶ちゃん(エムキチビート『エレクトリック:サーカス∴デイズ』での主演も素晴らしかったです)と、集中力の途切れないテクニカルな演技でお芝居を組み立てていく綾乃ちゃん。どちらもそれぞれ魅力的で、同じ女性として尊敬しますラブラブ


その他のキャストさんも、皆演技力が高く(『リアリティ・ショウ』以降すごい勢いで演技力が高まってるな、と)。その方達の演じる、鴻上さん脚本が描く人間像があまりに深く。劇中劇の『天使は瞳を閉じへんで』(最近知ったのですが、『天使は瞳をとじて』のパロディなんでしょうか(笑)このタイトルを聞いて笑える鴻上さんのファンが羨ましかったです)を演じるにあたり、登場人物の心境を皆で話し合うシーンがありましたが、実際の稽古場でもこのように皆で話し合い、考え抜いて役に自身を近づけようとしているのかな、としみじみとしました。


この素晴らしい舞台を作り上げた鴻上さんですが。第三舞台で一時代を築いた鴻上さんの演劇の歴史は、あまりに長く。観客としてようやくその入り口に立った気分の私には、鴻上さんの舞台を理解することは果てしなく難しいことに思えるけれど。これから一つ一つ作品を観て、舞台芸術の高みにいる人達の生命力をもっともっと感じられるよう、私も観客として成長しなければなと思いました。


これからも、虚構の劇団を楽しんで観るために。天下を取るであろう道成くんを観守り続けるために。そして、演出部に所属した大好きな元吉庸泰さんを応援し続けるために。もっともっと、自分自身が豊かにならなければならないなと、高円寺の空を見上げる私なのでした。


ちなみに今回、座・高円寺の2Fのカフェ「アンリ・ファーブル」で、初めて食事をして帰りました。とある方のオススメのカレーが絶品。観劇の余韻に浸るディナーって素敵ですねラブラブ!


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JSJ project 「和乃織詩 YAMATO・ORIUTA 第1章 『紅峠』」観劇。

THEATRE GRENAT  ~てあとる・ぐれな~-紅峠

石垣佑磨くん主演舞台、JSJ project 「和乃織詩 YAMATO・ORIUTA 第1章 『紅峠』」を観て参りました@シアターグリーンBIG TREE THEATER。


佑磨くんは私が初めて好きになった役者さんで、2005年のドラマ「ホーリーランド」以来、一昨年までずっと彼一筋でドラマや映画を観てきました(一昨年に、今大好きな方に出会ってしまいました(笑))。


その佑磨くんが、殺陣あり時代劇の舞台に出るとあっては、もう凄い勢いでわくわくドキドキ。映画「あずみ」やNHKの主演時代劇「夏雲あがれ」での彼の身体能力は神でしたからねラブラブ!


そんなわけで、楽しみにしていた本公演ですが・・・うーんあせる


正直、佑磨くんが出演しているという以外、惹かれるもののない舞台だったなと汗演出も脚本も実にあっさりとしていて、物語も特に目新しいものもなく。殺陣も、迫力がない・・・。ラストシーンの三つ巴の殺陣も、女優さんの動きがもう少し俊敏なら、もっともっと迫力が出たのになと思います。


でも。佑磨くんの殺陣はやっぱり素晴らしかった!空気が一瞬にして変わったし、スピード感と魅せる動きのセンスと目力の持つ華は、さすがずっと私が大好きだった佑磨くんだな、と。最前列で観ていたのでその良さをたっぷりと堪能出来ましたラブラブ


しかし正直、もったいないなーと思いましたよ汗彼の実力ならもっと大きな舞台の方がふさわしいし、BIG TREE THEATERでも遥かにスケールが大きく質のいい舞台は沢山上演されてますから(実際、私の好きなエムキチビート虚構の劇団もここで公演を行っています)。ホリプロの役者さんともなるとお仕事を選ぶことも難しいのかなとか思うのですが、なんとかもっと良い舞台に出られるといいなと思っています。そしてその殺陣や身体能力をまた生で観たいなって思います音譜


それにしても、佑磨くんの長髪ポニーテールはすんごい似合ってたなとニコニコ

終演後に挨拶のために客席を飛び回ってた彼を見て、やっぱかっこいいな、とほんわかしたのでした。


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