NT×クラゲ荘「おばおばおばおばおばおばおばおばおばおばおばおばお化けだよ~(略)」観劇!
えと、まずタイトルを略してしまいました、失礼。でも私が悪いんじゃないですよね?(笑)
改めて。観て参りました、
ナグラチーム×クラゲ荘『おばおばおばおばおばおばおばおばおばおばおばおばお化けだよ~稲妻のロックお化け』@中野HOPE
ナグラチームという若いメンバーの集まった劇団と、舞台から映像へと活動の幅を広げるクラゲ荘のコラボレーション企画です。脚本はクラゲ荘の前田万吉さん、そして演出がナグラチームの木田友和さん。どちらも好きな演劇人の方で、コンセプトが「若い人材を育てよう」というということだった(らしい)ので、楽しみにしていました。
感想は・・・難しいですね![]()
万吉さんの明るく分かりやすい脚本をベースに木田さんが若い役者さんを演出、ということだったのですが、まだまだ演出も役者も青いなぁ、という感じで。完成形が見えたら面白いお芝居なんだろうとは思ったのですが・・・うーん。
役者さんも若いとはいえ20代前半で、虚構の劇団と同世代と考えると、もっと上を目指していいんじゃないかなと思ったり。(虚構と比べるのは酷かも知れませんが、目指す処は同じですよね?)
そして、昨年5月のナグラチーム旗揚げ公演でも思ったことなのですが、木田さんの演出のコンセプトが今ひとつ伝わってこないような気がします。お芝居に対する真摯さは伝わってくるのですが、木田さんもしくはナグラチームという劇団の持つ確固たる思想やコンセプトが見えてこないのですよね。光の使い方が目を引いたものの、正直、この演出は万吉さんの影響が強いかなと思ってしまいました。つまり、ナグラチームとして「何を表現したいのか」が掴めなかったのです。。
予約特典がチケットムービーだったり、映像を使った演出があったり、映像と芝居のコラボレーションに力を入れている部分はナグラチームの特色なのですが、できれば、チームの仲間といい作品を作るという以外に、何か具体的なコンセプトというか、キャッチコピーのようなものがあるといいなと思いました。
今回の公演で、今までのナグラチームをお芝居も映像の企画もフォローしている身としては、ちょっと見方が厳しくなってしまったのは否めません。これからどうなるのかな、なんて心配していたところに新メンバー加入のお知らせが・・・。
私の大好きな超絶美少女女優・加藤沙織ちゃん。まだまだ目を離すなってことですね(笑)
エムキチビート『90%VIRGIN / 終末の天気。』観劇っ♪♪(その2)
・・・最初に一つ、ちょっと耳の痛いことを。
私はそれぞれの初日・千秋楽を含めて彦星×3回、織姫×3回観劇させていただいたのですが、各回でのクオリティの差がちょっと大きかったかなと感じました。ですから、同じバージョンを観た人でも日によって面白かったという方とそうじゃないという方がいたのではないかな、と。
殆どの観客は初見ですから、リピート客としてもそれを忘れず。毎日観ているからといって余計な一体感で観てはいけないなと、自分自身も反省です。
では、感想です。
『90%VIRGIN』 織姫ver.
主演は虚構の劇団の大杉さほりちゃんなのですが、最終的には彼女の舞台芸術としての確りとした演技力がお芝居全体を引き上げて良い意味で纏まった舞台になったと思います。というのも、初日はまだまだ演出の意図に役者さん達が追いつかず、脚本の思想が活字レベルでしか伝わって来なかったのですよね。けれど千秋楽は演技が全て繋がって、いい所がいっぱい見えてきました。沢山笑えたし、思想も伝わってきたし。何より、楽しかったです。
田中裕二さんは「ドラム顔」という設定が納得行かないのですが(笑)、細かい部分まで作りこんでくる姿勢に真摯さを感じました。すずきぺこさんとさほりちゃんに挟まれて、たじたじする役がぴったり。この3人のバランス、好きでした。
秋澤弥里さんと長谷川恵一郎さんの不倫教師はさすがの演技力。特に秋澤さんは健康的なエロさ加減をコミカルに楽しく魅せてくれました。思ったのは、MU版の佐々木なふみさんはもっと生々しいのだろうなと(笑)観終わってから、そんな違いを考えるのも楽しかったです。
大衆性への疑問を投げかけるという意味で核となるのは、若宮亮くんの326(ミツル)。演じる上で背景の感情をかなり作り込んできたのは分かったのですが、その為、「こいつサイコだ」と言って軽音部3人が逃げ回るシーンがリアルでなくなってしまったような気がします。サイコと呼ぶにはあまりに人間的過ぎて、いつもそのシーンで現実に引き戻されてしまう。全体的には彼のキャラクターはバランスが取れていたと思うのですが。難しいですよね。
『90%VIRGIN』 彦星ver.
4つのお芝居の中でこれが一番好きでした。初日を観たときは、すんごい笑ったり思想に共感したりして、「こんなに面白い演劇を見せてもらえるなんて」と嬉しくて嬉しくて。縛られた326と亮一がやり取りしてる辺りから泣きっぱなしでした。笑いながら泣いてるんですよ。変ですよね(笑)
軽音部のメンバーは和田亮一くんと秋澤さんとNIYさん。この3人が本当に愛しくて、正直、混ざりたいくらい(笑)織姫では「ウスノロ淫売」を演じた秋澤さんが、めっちゃ可愛らしいツンツン女子高生を演じてて、高校生活楽しいよね、私も戻りたいな、なんて思ってしまいました。リョーチ君はそのまんま、カッコ可愛い高校生。尖った精神と明るい笑顔に、リョーチ君の魅力が満載。これ以上ないっていうほどハマり役だったし、MU脚本がエムキチ色に染まったのは彼の存在が大きいかと。
川添美和さんと渡辺慎平さんの不倫教師も面白かったです。川添さんはストレートなエロさではないのですが、どうしようもないくらい変態な慎さんのアプローチを受けてしれじれと放課後不倫をしてるあたり、ある種のエロさを感じます(笑)それにしても、慎さんは自由ですね(笑)すべり知らずの爆笑王です。
そして、太田守信さんの326。死ぬほど笑わせていただきました。というより、やはり、神。会話劇での演技センスが抜群。感情や行動をリアルタイムで追わせてくれるので、太田さんが舞台にいると何度見ても芝居全体が褪せないのです。むしろ、何度も見てるのに水噴射で悲鳴あげてしまいましたし(笑)彼のおかげで軽音部3人の演技もリアルさを増し、彼らに感情移入しやすくもなるんですよね。織姫の引き上げ役がさほりちゃんだとしたら、こちらの彦星では326。同じ脚本でも、全然違った作品に仕上がって、そういう意味でも面白い公演でした。
『終末の天気。』 織姫ver.
終末の天気。に関しては、両ver.とも完成形を観ていないように思います。織姫が良かった部分もあれば、彦星が良かった部分もあり。私が観ていない回で完成形が出ていたのかなと思うとちょっと悔しかったりして。
織姫ver.の場合、川添さん・秋澤さん・リョーチ君の3人が大好き。青春時代の純粋さや切なさが毎回胸に迫ってきて、3回とも回想シーンから涙してしまいました。3人が空を見上げるシーンはこれ以上ないほど美しく。視線の先には、降るような満天の星。周囲の空気の色さえ見えるような、素敵な素敵な3人でした。ちなみに、2回目に見たときは、当日券で隅の席だった上に前に大きな男の人がいて全然演技が見えなかったのですが、それでも川添さんの声を聞いてて泣いてしまいました。声の表現力も秀逸だなーと感じた瞬間でした。
亮くんは、3役の内この役が一番合っていたように思いました。単純バカな役で素直に面白かったです。しかし彼の場合、ルデコで演じるには華がありすぎる気がしますので、もっと大きな舞台で思い切り演じた方がキャラクターが生きる気が。(なのでシアターサンモールに期待。)
90%では中2病のサイコを演じた太田さんが、こちらでは生徒を「理解して応援」しようとする教師。良き大人と思われるかと思いきや、繊細な生徒を傷つけてしまう。微妙な感覚のズレで「気持ち悪い」と言われるこの役が凄く切ない。いい空気感で演じられてたなと思います。
面白かったのは、不良2人。なんか私こういう昭和の不良が大嫌いなんですけど、脚本が茶化しすぎてて逆にバカすぎて面白くなってました。藤沼豊さん、当たり役ですね。怖いけど笑える(笑)
『終末の天気。』 彦星ver.
こちらは、うーん・・・。何で響かなかったのかが、正直、分かりません。回想シーンの、川添さんとぺこさんが寄り添う笑顔がすごく清涼な空気感で。素敵だとは思ったのですが、涙は出ず。
こちらで良かったのは、リョーチ君の演劇部員。いいバカっぷりの笑顔がもう、可愛くて可愛くて。彼の演じた3役はどれも存在感が秀逸で、彼を中心に世界が回っているとさえ思いました。彼は明大活劇工房で元吉さんと青春を分かち合った仲。ですから、自然にその思想を体現できることが強みになったかなと思います。フライヤーの画像では、壁に貼られた活劇工房のチラシと彼の笑顔で元吉さんのこの公演に掛ける思いが痛いほど伝わってきました。ちなみに、「本当はバンドがやりたかった」なんて言う辺り、90%の役を思い出して、思わずニヤリ。リンクしてますよね。
演劇部OB役のさほりちゃんは、流石の演技力。テクニックと華を両方持ち合わせていて、お芝居を締めていました。カッコいいですよね。女の子にモテますよね(笑)
ハッとさせられたのは、漣圭佑さん。スタイルがいいので90%のように一見カッコいい役がハマるのですが、こちらでは汚れた作業服の用務員さん。うらぶれた印象だけど一番物事を確り見つめている様がとても印象的でハマリ役だったと思います。薬を持ってるときの目は、「ガチ」で逝ってました。
で、裕二さん。出てきた途端のシャブ中っぷりに爆笑。MU好きなら笑いますよね、シャブ中もガチもw で、雑誌を蹴り落とす様に戦慄。身体能力高いなぁ、と。いつか裕二さん主演でハードなアクション物が観たいです。
総括です。
ハセガワアユムさんと元吉庸泰さんの質の高い脚本が楽しめた公演でしたが、着いて行く役者さん達がかなり大変だったのではと想像しています。同じ脚本で別の役を演じたり、3~4本に出演したり・・・。それは役者さんの力を向上させる結果となったとは思いますが、正直今回、それ以上に何か張り詰めたような空気を感じました。
お芝居を創り上げる上での困難は観客には計り知れませんが、どうかそういう諸々を超えて、素敵なお芝居をまた観せていただけますよう、一ファンとして願っています。
初日から千秋楽まで見逃せない所以は、日々増していくグルーヴ感。エムキチビートはそんな楽しい幸せで日々を満たしてくれる数少ない劇団です。充実した日々をありがとうございました。これからも天下取りに向かって真っ直ぐ進めますように
エムキチビート『90%VIRGIN / 終末の天気。』観劇っ♪♪(その1)
エムキチビート 2×2 Middle Stories Act.
『90%VIRGIN / 終末の天気。』 渋谷ルデコ5にて観てきました!
この公演、すっごく楽しみにしてたのです。今年一番の楽しみかというくらい![]()
というのも今回の公演は、私が今一番その名前でときめくハセガワアユムさんと元吉庸泰さんのコラボだから
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ええ、ハート飛ばしまくりますよ。心底めっちゃときめくお二人ですからね(笑)
小劇場の旗手であるMUの主宰・アユムさんの作品の魅力は、鋭利なナイフで切り裂くように描く人間への深い考察と人生への愛。その作品に触れると、裸の自分と正面から向き合わされ、全ての臓物を抉り出された上で優しく強く抱きしめてくれるような激しい情動に襲われるのです。
一方、エムキチビート主宰である元吉さんの魅力は、確りとした舞台芸術に根をおろしたエンターテイメント性。「生きる」ことへの激しい執着・信念をスタイリッシュでリズミカルな演出で老若男女すべての人達にエンタメとして届ける純粋で真っ直ぐな精神。その光と音に溢れた楽しい作品を観た後は、必ず温かな幸せに満たされて、彼の演劇を皆が観れば世界が平和になるような気分にさえなるのです。
そんなお二人の脚本を元吉さんが演出。私にとって、これ以上ないというほどの大興奮の競演で、特にアユムさんのパンクな脚本を元吉さんが演出したらどうなるかが、楽しみで楽しみでもう死ぬかと思うほど指折り数えて待ってました![]()
ちなみに画像の仮チラシですが、2色刷りのものが混ざっています。これ、レアかと![]()
では、二つの作品の大まかな感想を。まず脚本(物語)を、そして各バージョンの感想を書きます。
『90%VIRGIN』
アユムさんの初期の短編です。高校周辺でミスチルのCDが割られてバラ撒かれるという事件が発生し、嫌疑の掛かった軽音楽部部員が犯人探しに乗り出す。街のそこかしこから垂れ流されるキャッチーな音楽を題材に、大衆性の真実を疑うという強烈な社会批判が展開される快作。
思ったのは、「アユムさんってこんなに分かり易い脚本を書いてたんだなぁ」と。私が最初に観たアユムさん作品は2008年11月の『戦争に行ってきた(反転)/死んだ赤鬼』ですが、かなり攻撃的な脚本に驚くばかりで、内容を完全に理解できませんでした。よって、それ以前の作品はもっともっと尖り放題で理解し難いものだと思ってました(笑) しかしそれでも、パンキッシュな作風は顕在。そこを上手くキャッチーに、そしてスタイリッシュに元吉さんが演出し、MUのテイストを活かしながらロックで楽しい作品に仕上げていました。(オープニングカッコ良かったです。特に女の子!)
物語の核はなんと言っても、ミスチルの音楽の本質を巡る確執。中二病の326(ミツル)の言葉に寄ると、「30過ぎた大人の世界一どうでもいい自己確認」。愛を歌いながら長年連れ添った妻がいるのにギリギリガールズと不倫。そのミスチルの歌を生徒に歌わせて矯正できると本気で考えている不倫教師達。こう書いていても、本当に、ダセぇ(笑)
私自身、ミスチルは全く聴きません。耳に入ってきたメロディが素敵で歌詞が心に響くならその音楽を聴いてみたいと思うのですが、ミスチルは全然そう思わないんですよね。その上不倫の話も有名なので、今回のお芝居を観て私がミスチルを聴かない理由に「偽物の清潔感」もあるんだなと確認しました。(あくまでも私の価値観なので、ミスチル好きな人はごめんなさい。)
そんな偽物の清潔感で、尖った生徒を「矯正」させようとする不倫教師達の真剣さが本気で気持ち悪いし、笑顔に激しい怒りを覚えます。観ていて完全に主人公に感情移入して、一緒に暴れたい衝動に駆られました。
どんな曲を作れば、どんな言葉を紡げば沢山の人々の心に響くか。そうやって作られた音楽の「愛」の本質を見つめてみようよ。そんなメッセージが込められた、鋭さが冴え渡る痛快な作品。ああ、私、やっぱりアユムさんの脚本が大好きです
『終末の天気。』
元吉さんの新作脚本です。今回の公演は2本立てということで、一つの作品を作るとともに『90%VIRGIN』と世界観をリンクさせてオマージュやパロディも含めたその2次的創作過程が脚本を書く上でとても楽しい作業だったのではないかなと想像しました。
舞台は、高校の演劇部。明日には巨大隕石が落下して世界が終わるという日。演劇部員、そのOB、用務員、教師。それぞれが最後の瞬間までその責を全うしようと学校に集まる。プロの演劇人になるという夢を描く生徒達は、それを見守ろうとする大人達の優しい心にさえ傷ついてしまう。世界の終わりを目前にして、その瞬間の人の在り方や人生そのものへの思いを描いた秀作です。
ファンタジックでありながら、浮かび上がるのはリアルな「生」。そこには、演劇で青春の日々を過ごし、これからも演劇を続けていくことへの元吉さんの思想が鮮烈に描かれています。「糞みたいな人生」との自己批判をしながらも、後悔はしていない、と。そしてこの人生を愛して全うしていくことへの決意の再確認。そんな思いをまざまざと見せられて、正直、私も演劇を作る側だったらもっともっとこの思いを理解できて共有できたのになと、変な嫉妬さえ感じてしまいました(笑)
しかし大切なのは、この一瞬一瞬をどう生きるかというテーマは演劇に関わっている・関わっていない、世界が終わるか終わらないかということとは全く関係ない、ということ。誰もがその人生を真剣に生きられるし、その人生を愛せるんだよ、と。だから、「生きろ」と。もっともっとその命を燃やせ、と。そんな風に教えてくれる元吉さんの思想は、私が初めて観たエムキチの本公演『昇鳴蛇 cry:me snake』から一貫して変わらないのです。
その思想は、ギャラリールデコという小さな空間でもキラキラと輝いて、観客の心の中に澄み切った空の星のように降り注いできました。演劇部員達の回想シーンでの星を見上げるシーンの、なんと美しかったことか。その視線の先には、見えるはずの無い満天の星空。見えないものを見せてくれる、そんな演劇の力で魅せてくれた感動作でした。
長くなりましたので、とりあえずここまでで。次は、バージョンごとの感想を書きます。4つの舞台の演出、大変だったろうなぁ・・・![]()




