RealTimeの動きが激しいです。

 

本編の方も今動きが激しくなってきたところだったのに、RealTImeの動きが激しすぎて。

本編がなかなか進みません。

 すみません、実はRealTImeの(12.2)と(12.3)をアップし直しました。

時系列が狂ってるという指摘がありまして。

なるべく事実に基づいた流れで行きたいのですが、本業の合間に目まぐるしくかわる状況をおいきれてないのが実情です。

来週は落ち着いていますように。

 

うわあ、そして今気づきました。結構気に入っていたのに、Breakの20を上書きしてしまってました。

 

 日々疲れてゆき、傷つき、そしてあがき続け、そして、進んでいくコオを応援してください

 

 

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これまでの話

 

Battle Day0-Day135 のあらすじは、以下のリンクをご覧ください、

登場人物は右サイドに紹介があります、

1. あらすじ BattleDay0-Day86

2, あらすじ BattleDau87-Day135

3. あらすじ BattleDay136-Day169

Day170- あらすじ

コオの父は、紅病院から北寿老人保健施設(通称北寿老健)に移った。大部屋に入った父は、前回の個室より、いいと漏らす。

父は、コオにノートを買ってきてくれるよう頼み、コオは父の回復ポテンシャルを感じる。

妹・莉子との考え方は違うが、父に長生きしてもらいたい、というのは同じなのだ、とコオは思う。北寿老健での週末に時折訪問してくるカラオケサークルのボランティアイベントで、コオは音楽療法の有効性を感じる。文字を書くことに問題がある父に買っていった、般若心経の写経セットもまた、別の形で父の意欲を引き出し、父は般若心経の本を読みたい、と、コオに頼む。また、父の趣味だった囲碁の簡易セットを、コオは父に持っていき、相手になろうとする。

離婚後の一人暮らしは孤独であったコオだが、息子たちと訪れた父の施設での夏祭りなど、ひと時、穏やかな時を過ごしていた。1ヶ月がたち、父は自宅にもう戻らず、施設にはいるつもりであることを話し、永住型の施設を探してくれるようにコオに頼む。コオは父が自宅にいるときに世話になっていたケアマネージャー・立石に連絡を取り、高齢者住宅専門の業者を紹介してもらい、電話をかける。

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 結局、どの業者も、基本的には対面時間して条件をヒアリングする予約を取る形がほとんどの様だった。不動産業者と考えればたしかにそうなるだろう。2番目の業者だけが、ひととおり条件を電話で聞き、それに合致すると思われるパンフレットをまず送る、という形だった。でも、これは助かるな、とコオは思った。なんといっても全然知識がないわけだから、こちらの出した条件に合致する、として紹介されるものを見てじっくり考える時間が取れるのはありがたい。

 今回電話をしたことで明らかになったのは、条件を出すにあたって、コオが知らなければならないことが2つあるということだ。

 

 父の年金額。

 父の健康保険負担割合。

 

 コオはこの時まで知らなかったが75歳を過ぎると、自動的に健康保険は”後期高齢者医療保険”というものに切り替わる。負担割合は、収入ーつまり父の場合は年金ーの額に応じて2割、もしくは3割になる。確か老健でも、医療保険の負担割合で入所費用が変わっていたはずだから負担割合だけなら北寿老健にきけばわかるだろう。

 問題は年金額だ。

 

 「パパ、もらってる年金額ってわかる?」

 「いや・・・全然。気にしたことない。全部任せていたから、」

 

 母が、そして今は妹が管理しているということだろう。

 

 「パパに頼まれたホーム、探し始めたんだけど・・・年金額が分からないと、毎月いくら払えるのかの条件を出して探してもらうのが難しいんだよ。莉子にきいてくれない?それとも、一番いいのは通帳を数ページコピーしてもらうことかな。年金の入ってきてる口座の通帳。」

 「ああ、わかった。」

 

 父が最初に倒れ、入院した時に頼まれて、父の銀行口座の再発行手続きをした。あの時、莉子が銀行の口座管理は自分がしたい、と手続き後に横取りしていたのだが、別にコオは自分が管理をしたいわけではなかったのであっさり再発行の通帳の受け取り以降はすべて莉子に任せてしまった。

 失敗したなぁ、とコオは思った。

 

 けれど、この時は、父を通して莉子にきけばすぐにわかるだろう、としかコオは思っていなかった。

 そう、ただコオは父の年金の額を把握しようとしていただけだったのだ。父が入る施設を探すために。条件を決めるために。

 それだけだった。

 

 父のささやかな年金が振り込まれている通帳。それがこのあと、コオを悩ませ、地獄の様に苦しめることになるとは、この時はコオはかけらも想像していなかった。

 

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これまでの話

 

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登場人物は右サイドに紹介があります、

1. あらすじ BattleDay0-Day86

2, あらすじ BattleDau87-Day135

3. あらすじ BattleDay136-Day169

Day170- あらすじ

コオの父は、紅病院から北寿老人保健施設(通称北寿老健)に移った。大部屋に入った父は、前回の個室より、いいと漏らす。

父は、コオにノートを買ってきてくれるよう頼み、コオは父の回復ポテンシャルを感じる。

妹・莉子との考え方は違うが、父に長生きしてもらいたい、というのは同じなのだ、とコオは思う。北寿老健での週末に時折訪問してくるカラオケサークルのボランティアイベントで、コオは音楽療法の有効性を感じる。文字を書くことに問題がある父に買っていった、般若心経の写経セットもまた、別の形で父の意欲を引き出し、父は般若心経の本を読みたい、と、コオに頼む。また、父の趣味だった囲碁の簡易セットを、コオは父に持っていき、相手になろうとする。

離婚後の一人暮らしは孤独であったコオだが、息子たちと訪れた父の施設での夏祭りなど、ひと時、穏やかな時を過ごしていた。1ヶ月がたち、父は自宅にもう戻らず、施設にはいるつもりであることを話し、永住型の施設を探してくれるようにコオに頼む。コオは父が自宅にいるときに世話になっていたケアマネージャー・立石に連絡を取り、高齢者住宅専門の業者を紹介してもらう。

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 コオは、仕事の間の待ち時間を使って、ケアマネージャー・立石から教えてもらった高齢者住宅の紹介業者に電話をかけてみることにした。

 

 1件目

 「はい、XXXです。」

 「あの、ケアマネージャーに頼んで紹介していただきました。島崎といいます。現在老健に居る父が入れる永住型の老人ホームを探したいと思ってるんですが、どういうものがあるのか、どう探したらいいのか、全く知識がないので色々おしえていただきたいんですが。」

 「わかりました。まずはこちらにいらして、対面で色々ヒヤリングさせていただきたいので、いらっしゃる時間を予約していただけませんか?」

 

 場所は、遼吾と健弥のいるマンションから自転車で30分ほどの隣町。しかしいまコオの住んでいるアパートからとなると、かなり遠くて歩く必要ある。開いてる日を探さなければならないし、1日がかりになるだろう。

 「えーと・・・では、ちょっとスケジュールが分かったらまたお電話します、ありがとうございました。」

 これは後回しだ。

 

 2件目

 コオは1件目と同じセリフを繰り返した。

 「了解いたしました。それでは少しお父様のことを伺ってよろしいですか?」

 藤堂、と名乗った男性はテキパキといくつかの質問をした。父の年齢・介護度・体の状態、そして場所はどこがいいのか。どんなタイプの老人ホームを希望しているのか(サ高住か)。そして、予算。

 

 「・・・父は介護度は2。自分でトイレにも行けるし歩くのに問題はないです。ただ、リハビリ回数が少ないので、もうちょっとできたらいいな、と思っています。目が少し悪いみたいで、よく見えない、と言ってます。本が読めるくらいですが。白内障の手術をしたこともあります。老健のような感じで面倒を見てもらえる所が良いみたいです。それから、食事が・・・とても食べるのが好きな人なので、できれば食事が美味しいところが。」

 「場所は、寿市の中央区なんですね?」

 「ええ、自宅に近い・・・できれば自転車で行ける所が良いのではないかと思っています。今現在キーパーソンの妹が、自転車しか無いので。そうですね、3キロから5キロ以内くらいかな・・・。」

 「中央区は結構価格が高いんですが、予算は月どれくらいをお考えですか?」

 

 困った。

 コオは、父の年金額を知らないのだ。どれくらいを考えればいいのだろう。

 自分の給料と・・・莉子のバイト代を少しずつ毎月出して年金に足したとして・・・コオは考えた。父の年金額はよくわからないけど、ワンルームマンションに住んでいる、と考えて、それに光熱費と食費として5-6万くらい足したとして・・・サービス料も5万くらい足したとして・・・

 

 「正直・・・私、父の年金額を知らないんではっきりは言えないんですけど・・・20万前半くらいをリミットにして、探していただけませんか・・・?」

 「承知いたしました。」

 

 藤堂が柔らかな声でいった。その声からは特にネガティブな感情もポジティブな感情も感じ取れず、でも機械的でもなく、コオは感じがいい、と思った。

 

 「それでは、今伺った条件で、これがいいかな、という物件のパンフレットを送らせていただこうかと思います。そして見ていただいて、また印象や、金額などの詳細条件もご検討いただいた後に、またお話を伺えればと思います。」

 

 よろしくお願いします、といって、コオは電話を切った。

 

 3件目

 三度コオは、同じセリフを繰り返した。

 1件目と殆ど変わらない対応だった。パンフレットを送ってもらってから考えるのが一番楽だから、2件目の業者からのパンフレットを待とう、とコオは決めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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これまでの話

 

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1. あらすじ BattleDay0-Day86

2, あらすじ BattleDau87-Day135

3. あらすじ BattleDay136-Day169

Day170- あらすじ

コオの父は、紅病院から北寿老人保健施設(通称北寿老健)に移った。大部屋に入った父は、前回の個室より、いいと漏らす。

父は、コオにノートを買ってきてくれるよう頼み、コオは父の回復ポテンシャルを感じる。

妹・莉子との考え方は違うが、父に長生きしてもらいたい、というのは同じなのだ、とコオは思う。北寿老健での週末に時折訪問してくるカラオケサークルのボランティアイベントで、コオは音楽療法の有効性を感じる。文字を書くことに問題がある父に買っていった、般若心経の写経セットもまた、別の形で父の意欲を引き出し、父は般若心経の本を読みたい、と、コオに頼む。また、父の趣味だった囲碁の簡易セットを、コオは父に持っていき、相手になろうとする。

離婚後の一人暮らしは孤独であったコオだが、息子たちと訪れた父の施設での夏祭りなど、ひと時、穏やかな時を過ごしていた。1ヶ月がたち、父は自宅にもう戻らず、施設にはいるつもりであることを話し、永住型の施設を探してくれるようにコオに頼む。コオは父が自宅にいるときに世話になっていたケアマネージャー・立石に連絡を取る。

 

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  「高齢者住宅専門の紹介業者、というのがあるんです。」

 

 立石は言った。

 

 「老人ホームと一口に言いましてもね、種類がいくつかあるんですよ。ご存じの老人保健施設のような、ケア付きでも永住型のタイプ、グループホームのようなもの、それから、サ高住。」

 「え?サコージュってなんですか?」

 「サービス付き高齢者向け住宅といいましてね、比較的お元気で、自分の事はほぼできるし、プライバシーを重視したい、という方とか、老人ホームに入りたいけど、比較的お元気なので介護認定がついてない、などという方でも利用できるんです。バリアフリーの賃貸住宅に『安否確認』や『生活相談』などのサービスがついていて、食事とかのオプションはご自分で別途契約、という形態ですね。」

「はぁ・・・そんなのもあるんですか・・・」

「ええ。永住型老人ホームは要介護が付かないと受け入れないところもありますからね。それに要介護が付いてない場合介護保険のサポートもつかないですし。」

 

 また知らない世界だ。これは響子に後で補足してもらった方かいいかもしれない。

 コオが戸惑っているのに気付いたのだろう。立石は口調を変えた。

 

 「まぁ、そんな風に色々違いあるんですが、それを個人で全部調べますと時間もかかるし、大変でしょう?それで、こちらの状況、金銭的な条件などから、たくさんの物件から選び出して紹介してくれる業者をご紹介しようと思います。」

 「・・・不動産業者みたいなものでしょうか。」

 「ああ、そんな感じです。物件は高齢者住宅に限った不動産業者といったところですね。」

 「是非・・・是非お願いします。」

 「リストにしてお送りしましょうか?それともここ(電話)で?」

 「たくさん、あるんですか?・・・まずはおすすめを5つくらい教えていただければと思ってるんですが。それで、もっと必要そうだったらリストを送っていただきたいです。」

 

 立石はわかりました、といって、5つの業者名と電話番号を教えてくれた。コオはそれを書き留めながら、上から順に電話して、よさそうな業者を選ぼう、と考えていた。