テニスが面白いのは、キャリアを重ねてレベルが上がってくると、当初簡単だと思った事が実は難しいと言う事に気付く。
初心者の頃は、バックハンドが難しく感じるのが、上級者になるとフォアハンドの方が難しく感じるようになる、
中級レベルではつまらない、と思っていたボール出し練習が、上級者になると大切だと感じる。
右利きにとって、最初はデュースサイドのリターンの方がやり易いと思っていたら、サーバーが同じ右利きだったら、そのデュースサイドの方がアドサイドより難しいと気付く。
今回のテーマは、それらに匹敵します。
「ゆっくり飛んでくるボール」
初心者にとっては、ゆっくり飛んでくるボールは打ちやすくて、速く飛んでくるボールは難しいと感じるモノですが、
皆さんはどう感じますか?。
ゲームでゆっくりボールが飛んできて、チャンスになった時、しっかり決められるか。
深くゆっくりしたボールを、ベースラインからしっかり打てるか。
浅く上がったロブを、しっかりスマッシュできるか。
ハイボレーを決められるか。
実は少し前にブログにも書きましたが、私の生徒さんが、レッスンでボール出しの練習をたくさんしたいと言うのは、これらのボールを中心にやっているのです。
ゆっくり飛んでくるボールが難しいのは二つのポイントがあります。
レベルが上がってくると、練習の方向性がライブボールヒットが多くなる。
クロスラリーやボレーストロークなどに時間を割くようになるのが普通だと思います。
となると、繋げる事が必須と感じてしまう。
本来なら、ラリー中に浅いゆっくりしたボールが来たら、決めに打つ、
ボレーストロークで甘く上がったボールを叩く、と言うことも必要なのですが、
中々そうしないなが日本人。
😖
本当なら、それも含めて練習することを事前に承諾のうえ練習するか、
繋ぎに撤して、ラリーやボレーストロークするなら、後でボール出しで甘いボールをストロークもボレーも叩く練習をするとすべきですが。
要は練習不足なのです。
しかし、それだけではありません。
ゆっくり飛んでくるボールは、打つ前に思考が働いてしまう可能性がある。
(来た!、チャンス)
(これ取れば勝ちだ)
見たいなことを打つ前に、思考が働いたら、ミスしやすい。
特に、日頃の仲間内で試合をしている時でなく、
外の試合に出た時などそうなりやすい。
テニスコーチとして良く聞いた質問に、
「練習では出来るのに、試合になるとミスが出てしまうのは何故?」
何度も紹介した、ティモシー・ガルウェイの
「インナーゲーム」で有名なのですが人格が分裂した瞬間にミスが出る。
テニスで言うと、サーブを打つ前に起こりやすのですが、
(ここはファーストサーブをいれなければ、ダブルスフォルトはしないぞ、何で思ったらダブルスフォルトする)
それと同じ事が、ゆっくり飛んでくるボールのは起こりやすいのです。
さて、ゆっくり飛んでくるボールを甘く見ると、痛い目にあいますよ。
しっかり練習する、無心で打つ、事を忘れないようにしましょう。