米の古代利用が腸にもたらす意外な効能

米のようなシンプルな食べ物が、腸を癒す鍵を握っているのだろうか？

発酵させた米のとぎ汁は、特にアジア文化圏でよく見られる古代の治療法である。また、ここ2、3年の研究を含む健康研究の対象でもあり、病原性細菌を体外に排出し、腸粘膜の損傷を治癒するのに役立つことを示している。

統合的ライフスタイルの専門家であり、インドのインフルエンサーでもあるルーク・コウチーニョ氏は、腸に不調を訴えるほとんどの人は、米を発酵させて食事に加えると効果があるとエポック・タイムズ紙に語っている。プロバイオティクスのサプリメントの代わりにもなる。ただし、腸に深刻な問題があり、プロバイオティクスの有益性が証明されている場合を除く。

炊いたご飯に水を加え、蓋をして一晩発酵させるだけ。特別な器具も知識も必要ない。
「米の発酵水は費用対効果の高い治療法です。ほとんどすべての家庭のパントリーに米があります。サプリメントや薬を売るのとは違って、シンプルで無料、あるいは安価な解決策を宣伝しても、利益はほとんどない。多くの人は、複雑であることが効果的であることと同じだと信じていますが、それは間違いです。実際、私たちの最も成功したケースのいくつかは、シンプルな実践に従った結果なのです。」

腸の健康のための古代の答え

インドでは米の漢字と呼ばれるこの発酵食品は、世界の他の地域では異なる名前で呼ばれている。日本では甘酒と呼ばれ、他の穀物と一緒に作られたり、甘味料として使われたりする。

著述家でありヘルスコーチでもあるコウチーニョ氏は、腸を癒し、腸内細菌叢（腸の内壁を強化し、適切なバランスを保つことで健康をもたらす細菌、ウイルス、真菌のコミュニティ）を修復するための新しい方法と伝統的な方法の両方について考察している。発酵させた米のとぎ汁は、彼の推奨するプロトコールのほとんどを占めている。

「腸内環境は、脳機能、ホルモンバランス、免疫力、代謝状態、皮膚、毛髪など、健康全般の震源地となっています。腸の健康に取り組み始めると、他の多くの健康問題も改善することが観察されています」。

インドで古くから行われてきた米の発酵は、単純な胃の不調から複雑な健康障害まで、さまざまな症状を癒す基本となってきた、とコウチーニョ氏は言う。米は発酵した水と一緒に食べることができ、玉ねぎや青唐辛子を加えて料理にすることもある。また、ドリンクとしてブレンドしたり、米を漉して水を少し塩を加えて飲むこともできる。

マイクロバイオームの補充

発酵米のとぎ汁はプロバイオティクスと考えられており、善玉菌がたくさん含まれているため、健康を促進し、善玉腸内細菌を減少させる抗生物質やその他の製品の影響に対抗することができる。

腹部膨満感、消化不良、ガス過多、免疫力低下などの症状がある場合、腸内細菌叢のバランスが崩れている可能性がある。
しかし、シンプルな自然発酵食品は常在菌を増やすことができる。2024年に『Biomolecules』誌に掲載された論文によると、異なる場所で発酵させた異なる種類の米に、多くの類似した乳酸菌（LAB）株が存在することが判明したという。この論文は、自然発酵させた米のとぎ汁が結腸壁の細胞にどのような恩恵をもたらすかを実証した最初の研究であると主張している。

この論文では、最近の研究でLABがいかに免疫力と腸のバリア性を向上させるかが示されていると指摘している。LABはディスバイオシス、つまり病原体の増殖を許す微生物の不均衡を調整するのに役立つことが示されている。LABには有益なラクトバチルス属とビフィドバクテリウム属の細菌が含まれており、健康を促進する長い歴史がある。

LABは、大地から失われた微生物を回復させる自家製発酵土壌処理のベースとしても作られる。

その他の利点

発酵米のとぎ汁には、ポリフェノールの一種であるフェノール酸、つまり食品に含まれる天然の抗酸化物質が含まれている。
Pharma Innovation Journalに掲載された2019年の研究では、発酵米の水に含まれるフェノール酸を調べたところ、未発酵の米の水には10化合物、24時間発酵させた水には23化合物が含まれていた。フェノール酸は天然の抗菌・抗がん物質であると研究は指摘している。

発酵させた米のとぎ汁は代謝産物である酪酸を生成し、体内の炎症を抑えることができる。炎症は自然治癒反応であり、身体の特定部位に特殊な免疫細胞を局所的に増加させるが、慢性炎症は多くの自己免疫的健康問題と関連している。

「数多くの食品が炎症を抑えたり、免疫力を高めたりするのに役立ちますが、健康な腸がなければ、その効果は限定的だ」とコウチーニョ氏。「米の発酵水に含まれる乳酸菌は、米に含まれる抗栄養因子を分解し、鉄、カリウム、カルシウムなどの微量栄養素やミネラルの生物学的利用能を数千ポイント向上させる。」

2023年12月に『Fermentation』誌に発表された、発酵玄米の栄養学的利点に関する総説によると、亜鉛、リン、マグネシウム、鉄、カルシウムのレベルはすべて、発酵によって上昇することがわかった。発酵玄米はコレステロール値を下げ、肝臓障害、ガン、心臓病、高血圧から体を守る。また、化学療法によるダメージ、血糖値のアンバランス、病原性細菌の過剰増殖からも体を守る。

癒しの栄養素を増やす

『The Nourishing Asian Kitchen』の著者ソフィア・エンは、発酵米を発酵キャベツに例えている。米と同様、キャベツにも栄養素が含まれているが、発酵させてザワークラウトを作ると、微量栄養素が増える。

ベトナム系アメリカ人の1世であるエン氏は、著書の中で発酵に関する章を設けており、最近ではアジアの発酵に関する1週間のコースを受講した。彼女はLABをホームステッドの土壌の栄養補給にも使っている。

「伝統的な発酵やあらゆるものを発酵させることは、アジア文化の大きな部分を占めている。これは私が育ってきたものだ。最も経済的で、最も栄養価の高い方法でしたから」と彼女は言う。

細菌を浮遊させるフリーズドライや細菌を殺す缶詰に比べ、発酵は自然に細菌を増殖させる。ほとんどの食料品店の食品は土壌と栄養素が枯渇しているため、発酵は健康効果を高めるために理にかなっているとエン氏は言う。
大さじ一杯の米のとぎ汁やザワークラウトジュースでさえ、平均的なサプリメントよりも多くのプロバイオティクスを含んでいる可能性がある、と彼女は言う。

家庭で米の発酵水を作る

米の発酵技術はさまざまで、多くの研究では12時間から24時間の時間軸で発酵させる。米を浸す水だけを発酵させることもできる。

材料

米1カップ
水2カップ

作り方

米を洗い、炊く。
炊き上がった米を金属製でないボウルに入れ、2カップの真水で蓋をする。ボウルに蓋をする。
水と米を混ぜたものを室温で12～48時間、甘い香りがするまで発酵させる。
濾してから、空腹時に小さじ1杯から大さじ1杯の発酵液を飲む。
発酵した米のとぎ汁は1/4カップほどとっておき、米を使わずに別のものを作る。

米のとぎ汁のその他の使い方

お米のとぎ汁でチーズを作ったり、とぎ汁を薄めて土に撒くことができる。

1クォートの米のとぎ汁に1ガロンの牛乳を混ぜる。
チーズクロスで覆い、分離するまでカウンターの暗い隅に置いておく。

有毒な世界の影響に対する簡単な治療法

「動物に投与される抗生物質や、人間の腸内で抗生物質のように作用する毒素、例えばグリホサートやその他の化学物質によって、食品供給はますます汚染されている。」とエン氏は言う。

「重い毒素は......私たちの腸内細菌を破壊している。サプリメントを飲むことは、費用対効果が高く、簡単な方法で日常生活に取り入れることもできる。とても簡単でありとてもエキサイティングなことだ。」

ご参考まで。

感謝を込めて。