脚本家/小説家・太田愛のブログ

『天上の葦』(KADOKAWA)



白昼、老人は渋谷の交差点で何もない空を指して絶命した。死の間際、老人はあの空に何を見ていたのか。突き止めれば一千万円の報酬を支払う。興信所を営む鑓水と修司のもとに不可解な依頼が舞い込む。老人が死んだ同じ日、一人の公安警察官が忽然と姿を消した。その捜索を極秘裏に命じられる刑事・相馬。廃屋に残された夥しい血痕、老人のポケットから見つかった大手テレビ局社長の名刺、遠い過去から届いた一枚の葉書、そして闇の中の孔雀。二つの事件がひとつに結ばれた先には、社会を一変させる犯罪が仕組まれていた。鑓水、修司、相馬の三人が最大の謎に挑む。


※1 著者インタビューはこちら→『ダヴィンチ』


※2 刊行直後に、雑誌『世界』に掲載された水島朝穂教授とのインタビューは教授のHPで読めます→『介入と忖度』


 


『幻夏』(KADOKAWA)



毎日が黄金に輝いていた12歳の夏、少年は川辺の流木に奇妙な印を残して忽然と姿を消した。23年後、刑事となった相馬は、少女失踪事件の現場で同じ印を発見する。相馬の胸に消えた親友の言葉が蘇る。「俺の父親、ヒトゴロシなんだ」あの夏、本当は何が起こっていたのか。今、何が起ころうとしているのか。人が犯した罪は、正しく裁かれ、正しく償われるのか?司法の信を問う傑作ミステリ。日本推理作家協会賞候補作。


 


『犯罪者』(KADOKAWA)


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白昼の駅前広場で4人が刺殺される通り魔事件が発生。犯人は逮捕されたが、ただひとり助かった青年・修司は搬送先の病院で奇妙な男から「逃げろ。あと10日生き延びれば助かる」と警告される。その直後、謎の暗殺者に襲撃される修司。なぜ自分は10日以内に殺されなければならないのか。はみだし刑事・相馬によって命を救われた修司は、相馬の友人で博覧強記の男・鑓水と3人で、暗殺者に追われながら事件の真相を追う。鑓水、相馬、修司のクライムサスペンスシリーズ第1弾!


※ 著者インタビューはこちら→『ダヴィンチ』


 

新年あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

 

昨年夏、小説『未明の砦』の新聞連載が、最初の掲載紙、陸奥新報で完結いたしました。また、10月には光文社文庫のアンソロジー『Jミステリー2022 FALLに、久しぶりの短編ミステリ『鯉』を寄稿いたしました。

        

今年は、『未明の砦』の書籍化と新作の長編小説に着手する予定です。ほかにも、いくつかの企画が進んでいます。詳細が決まり次第、随時、HP、ブログにてお知らせいたします。

また、鑓水たち三人組のシリーズは昨年も多くの反響を頂きました。読書好きの方々や書店員の皆さんが広めて下さったおかげです。心から感謝です。シリーズとは趣が異なりますが、ダークファンタジーがお好きな方は、山中賞受賞作『彼らは世界にはなればなれに立っている』も是非お手に取ってみてください。

 

本年が皆様にとって幸多き年になりますようお祈り申し上げます。

                                                                     2023年元日

 

 

 

 

新作のお知らせです。

書き下ろしの短編ミステリを寄稿した「Jミステリ2022 FALL」(光文社文庫)、本日(10月12日)発売です。

 

タイトルは『鯉』。

 

横浜の一角に屋敷をかまえる、ある古い素封家の家族に起きた事件を描くオーソドックスなミステリです。旧家を舞台としたミステリというと、横溝作品のようなおどろおどろしい雰囲気を想像される方もいらっしゃるかと思いますが、本作はある女性の遠い記憶に秘められた謎をめぐる物語です。ひさしぶりに少女や女性を中心に描いた作品になりました。

ぜひお手にとってみてください。(Amazonでは→こちらから)

 

 

新作のお知らせです。

10月12日に光文社より刊行予定の『Jミステリー2022 FALL』に書き下ろし短編ミステリーを寄稿しました。同書は、4月に刊行された『Jミステリー SPRING』に続く文庫書き下ろしのミステリーアンソロジーの第2弾で、今回も6名の作家の新作が掲載されます。執筆者は、光文社文庫のTwitterアカウントで、昨日8月29日より毎日カウントダウン形式でひとりずつ発表中です。光文社文庫のTwitterは→こちら

 

目下、編集作業が進行中ですが、Amazonなどのネット書店では、すでに予約も始まっています。Amazonは→こちら

秋の夜長、ミステリー好きの方は、ぜひご予約くださいませ。

 

 

『幻夏』に続いて、『犯罪者』上下巻もアマゾンでオーディオブックになりました。6月3日発売です。ナレーターは声優の青木崇さん。鑓水たちのシリーズ第1作を、ぜひ「聴いて」みてください。

Amazonのページは上巻は→こちら、下巻は→こちらです

 

また、6月8日に徳間文庫から発売される山田正紀氏の『囮捜査官北見志穂4 芝公園連続放火』に、解説を書いています。読み始めればページを捲る手が止まらなくなるノンストップストーリーでありながら、同時に、戦後日本の病巣を鮮やかに描いてみせる傑作ミステリです。せひお手にとってみてください。→Amazonではこちら

 

さて、新聞連載の『未明の砦』執筆もラストスパートに入り、手元の原稿の残り話数もひとケタになりました。主要キャラクターの何人かについてはすでに最後の登場シーンを書き終えました。それぞれの登場人物にふさわしい退場になるよう紙数の中であれこれ考えながら、一場面一場面、筆を進めています。最後まで楽しんで読んでいただければ嬉しいです。

 

近況のお知らせです。

現在、新聞5紙で連載中の小説『未明の砦』、第394話より遂に最終章となる第4章に入ります。最初に連載が始まった「陸奥新報」では今月中旬になります。

 

『未明の砦』は、現代日本で起こったひとつの事件を中心に、非正規労働者の若者たちから所轄の警察官、エリート警察官僚、トップメーカーの企業人までさまざまな人物によって繰り広げられる群像劇です。

物語の幕開けはクリスマスシーズンの吉祥寺駅前。華やかに街が賑わう休日の午後、突然、四人の非正規労働者の若者たちが共謀罪の容疑者として追われる場面から始まります。2017年の国会で強行採決によって成立した「共謀罪」は、組織的に犯罪が計画されていると当局が見なせばそれだけで逮捕が可能となる法律で、その危うさから「現代の治安維持法」とも呼ばれています。なぜ若い四人がそんな罪状で、警察に追われる身となったのか。小説では、彼らが初めて共に過ごした真夏の房総半島の海辺で起きた出来事にさかのぼり、彼らを取り巻く多種多様な人物を描きながら、四人の若者たちの物語を追いかけていきます。

 

連載開始から一年余り。彼らのことを書ける紙数も残りわずかです。最終章で果たして彼らはどこに行き着くのか。どうぞお楽しみに。

 

右京さんと亘さん、そして豪華なゲストの皆様の顔合わせで、お正月らしい、華やかなSPとなりました。脚本が撮影現場でかわっていくことはよるあることで、今回も楽しいアドリブ満載でした。

ただ、それとは全く別に一点だけ脚本家の立場から申し上げておきたいことがございます。

右京さんと亘さんが、鉄道会社の子会社であるデイリーハピネス本社で、プラカードを掲げた人々に取り囲まれるというシーンは脚本では存在しませんでした。

あの場面は、デイリーハピネス本社の男性平社員二名が、駅売店の店員さんたちが裁判に訴えた経緯を、思いを込めて語るシーンでした。現実にもよくあることですが、デイリーハピネスは親会社の鉄道会社の天下り先で、幹部職員は役員として五十代で入社し、三、四年で再び退職金を得て辞めていく。その一方で、ワンオペで水分を取るのもひかえて働き、それでもいつも笑顔で「いってらっしゃい」と言ってくれる駅売店のおばさんたちは、非正規社員というだけで、正社員と同じ仕事をしても基本給は低いまま、退職金もゼロ。しかも店員の大半が非正規社員という状況の中、子会社の平社員達も、裁判に踏み切った店舗のおばさんたちに肩入れし、大いに応援しているという場面でした。

同一労働をする被雇用者の間に不合理なほどの待遇の格差があってはならないという法律が出来ても、会社に勤めながら声を上げるのは大変に勇気がいることです。また、一日中働いてくたくたな上に裁判となると、さらに大きな時間と労力を割かれます。ですが、自分たちと次の世代の非正規雇用者のために、なんとか、か細いながらも声をあげようとしている人々がおり、それを支えようとしている人々がいます。そのような現実を数々のルポルタージュを読み、当事者の方々のお話を伺いながら執筆しましたので、訴訟を起こした当事者である非正規の店舗のおばさんたちが、あのようにいきり立ったヒステリックな人々として描かれるとは思ってもいませんでした。同時に、今、苦しい立場で闘っておられる方々を傷つけたのではないかと思うと、とても申し訳なく思います。どのような場においても、社会の中で声を上げていく人々に冷笑や揶揄の目が向けられないようにと願います。

 

 

 

 

 

新年あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

 

さて、今日夜9時からは、脚本を担当した「相棒20」元日スペシャル『二人』が放映されます。今回のお話は、凶悪な犯罪が芯を貫いているミステリでもあり、サブタイトルどおり、さまざまな組み合わせの“ふたり”をめぐる物語です。また、初めて亘さんのお姉さんが登場し、遠い過去も少しだけ描かれています。さらに、事件解決に向けて右京さん、亘さん、捜査一課の皆さん、青木さんらが、刑事部長室に結集するという稀に観る場面もございます。

右京さん、亘さんをはじめとした盤石のレギュラーキャストのみなさんと、豪華なゲストの方々による相棒ワールドをお楽しみください。

なお、プラカードを持った人たちは、脚本では登場しません。

 

一方、小説の方では、現在、「陸奥新報」など5紙に連載中の『未明の砦』がこれから佳境に入っていきます。若者4人を中心とした、久しぶりの大がかりな群像劇。〆切に追われながらも、楽しく執筆しています。また、おかげさまで昨年『犯罪者』『幻夏』『天上の葦』の鑓水たちのシリーズが累計50万部を超えました。いろいろな場所で推してくださった皆さま、応援してくださった書店員の皆さま、口コミで広げて下さった読者の皆さま、どうもありがとうございます。

昨年からさまざまな方面よりお声をかけていただき、ありがたく、ありがたく、嬉しい悲鳴をあげています。時機が来ましたら、当ブログやホームページにてお知らせいたします。こちらもご期待ください。

 

本年が皆様にとって幸多き年になりますようお祈り申し上げます。

2022年元日

 

 

 

 

ジュンク堂書店松坂屋高槻店の書店員の方が、太田の文庫本用に、なんと手作りで「登場人物しおり」を準備してくださっています!

 

 

実を申しますと、単行本刊行の折より「このようなしおりがあれば良いなあ……」と、夢みていた逸品。千人力です。文庫担当の方、ありがとうございます! 

朝日新聞で相棒20周年の特集が組まれ、紙版は、明日の元日に掲載されます。デジタル版では一足先に29日よりインターネット上で公開されています。水谷さん、反町さん、輿水さんと一緒に、太田のインタビューもちょこっと掲載されています(…緊張しました)。インタビュー記事は、紙版では一部、デジタル版では全文が読めるそうです。

デジタル版のインタビューのリンクは

 ↓

こちらです。 

 

みなさま、よい御年をお迎えください。

 

2022年1月1日夜9時より放映の相棒20元日スペシャル『二人』の脚本を担当しました。捜査の依頼が、亘さんの姉から舞い込んでくるという、ちょっと変わった始まりの物語です。ゲストにはイッセー尾形さん、片岡孝太郎さん、飯島直子さんをはじめとして、とても豪華な俳優さんが集まってくださいました。右京さん、亘さんたち最強のレギュラー陣とともに描く相棒ワールド。実は太田も今日、予告編で初めて映像を見たばかりです。

 

予告編は→こちらのページです。

 

新年最初の夜、ぜひ相棒20元日スペシャルでお迎えくださいませ。