映画マシニスト〜虚実の狭間で〜
マシニストという映画を思い出さずにはいられなかった。
クリスチャンベール演じる夜勤専門の機械工が、一睡も出来ずにやせ衰えていく。
次第に不可解な現象に襲われ………。
とんでもなく良い映画だったな。
傑作だ。
みんなも、観ると良いよ。
面白さは俺が保証する。
いやまてよ。
そいつは無理な話だ。
つまらなかったとしても、
俺には責任をとることはできない。
面白い、面白くないは、あくまで個人の主観なのだから。
マシニスト [DVD]/クリスチャン・ベール,ジェニファー・ジェイソン・リー,ジョン・シャリアン

¥3,990
Amazon.co.jp
先日俺は、ありもしない記憶を捏造し、
レンタルビデオ屋でコントを演じてしまった。
徐々に狂ってきた、証拠だ。
終いには、
霊だの、
宇宙人だの、
つちのこだの、
カッパだの、
フライングヒューマンだの、
スカイフィッシュだの。
二千十二年には、世界の終焉を観るに違いない。
夜勤明け。
昼間に眠れる訳も無かった。
酒をしこたま飲み、五時間だけ眠った。
途中何度も暑さで目覚め、熟睡にはほど遠い。
今こうしてキーを打っている。
この時間が一番充実しているとも思える。
この時間が永遠に続けば良いものを。
うんざりする時間を八時間以上過ごしてこそ、
二時間にわたる創作活動が生きる。
そんなことを、俺の好きな作家が言っていたっけ。
書くという事はとんでもない事だ。
書いた事が現実となってしまう。
そう、ご覧の通りだ。
俺はあるとき、こんな夢をみた。
南の島。
俺は海辺の家のテラスから夕日を眺め、酒を飲んでいる。
肴は昼間、自分で釣ったものだ。
娘が学校から帰って来て、サーフボードを片手に海に駆け込んで行く。
夕暮れ時、海は空いているからだ。
俺は夕食を用意し、パソコンに向かった。
俺はどうやら、何かを書いて生計を立てているようだった。
物書きならば、どこで暮らしても同じだ。
書き上がった原稿は、メールで転送すればいい。
書き始めるとすぐに日が暮れてしまった。
娘が帰ってくる。
俺は仕事を中断し、
娘と食卓を囲む。
ボーフレンドの話。
海に潜って、魚を突いた話。
留学の話。
俺は娘のしたい事を、何だって叶えてあげられる。
そうさ、俺は良い父親なのだ。
父さん、お休み。
娘が言って、自室へ向かう。
俺はパソコンに向かった。
ここからが、珠玉のときだ。
書きたい事は、尽きない。
深夜まで書き続ける。
仕事を終え、俺は娘の寝顔を観て、布団へ潜り込む。
なんて妄想なのだ。
おい、聴いているか、神様。
書いたぜ、俺は。
こうして俺の理想の生活を書いたんだよ。
だから、叶えておくれよ。
もしも、あんたが存在するならば、
俺の祈りを叶えておくれ。
俺は現実に戻り、時計を観た。
あと、四時間後には仕事だった。
なんてこった。
酒。
たった四時間では、抜けないよな。
クリスチャンベール演じる夜勤専門の機械工が、一睡も出来ずにやせ衰えていく。
次第に不可解な現象に襲われ………。
とんでもなく良い映画だったな。
傑作だ。
みんなも、観ると良いよ。
面白さは俺が保証する。
いやまてよ。
そいつは無理な話だ。
つまらなかったとしても、
俺には責任をとることはできない。
面白い、面白くないは、あくまで個人の主観なのだから。
マシニスト [DVD]/クリスチャン・ベール,ジェニファー・ジェイソン・リー,ジョン・シャリアン

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先日俺は、ありもしない記憶を捏造し、
レンタルビデオ屋でコントを演じてしまった。
徐々に狂ってきた、証拠だ。
終いには、
霊だの、
宇宙人だの、
つちのこだの、
カッパだの、
フライングヒューマンだの、
スカイフィッシュだの。
二千十二年には、世界の終焉を観るに違いない。
夜勤明け。
昼間に眠れる訳も無かった。
酒をしこたま飲み、五時間だけ眠った。
途中何度も暑さで目覚め、熟睡にはほど遠い。
今こうしてキーを打っている。
この時間が一番充実しているとも思える。
この時間が永遠に続けば良いものを。
うんざりする時間を八時間以上過ごしてこそ、
二時間にわたる創作活動が生きる。
そんなことを、俺の好きな作家が言っていたっけ。
書くという事はとんでもない事だ。
書いた事が現実となってしまう。
そう、ご覧の通りだ。
俺はあるとき、こんな夢をみた。
南の島。
俺は海辺の家のテラスから夕日を眺め、酒を飲んでいる。
肴は昼間、自分で釣ったものだ。
娘が学校から帰って来て、サーフボードを片手に海に駆け込んで行く。
夕暮れ時、海は空いているからだ。
俺は夕食を用意し、パソコンに向かった。
俺はどうやら、何かを書いて生計を立てているようだった。
物書きならば、どこで暮らしても同じだ。
書き上がった原稿は、メールで転送すればいい。
書き始めるとすぐに日が暮れてしまった。
娘が帰ってくる。
俺は仕事を中断し、
娘と食卓を囲む。
ボーフレンドの話。
海に潜って、魚を突いた話。
留学の話。
俺は娘のしたい事を、何だって叶えてあげられる。
そうさ、俺は良い父親なのだ。
父さん、お休み。
娘が言って、自室へ向かう。
俺はパソコンに向かった。
ここからが、珠玉のときだ。
書きたい事は、尽きない。
深夜まで書き続ける。
仕事を終え、俺は娘の寝顔を観て、布団へ潜り込む。
なんて妄想なのだ。
おい、聴いているか、神様。
書いたぜ、俺は。
こうして俺の理想の生活を書いたんだよ。
だから、叶えておくれよ。
もしも、あんたが存在するならば、
俺の祈りを叶えておくれ。
俺は現実に戻り、時計を観た。
あと、四時間後には仕事だった。
なんてこった。
酒。
たった四時間では、抜けないよな。
契約社員
まいったね。
よく考えたものだ。
契約社員。
待遇は社員に準する。
社員登用への門戸は、形式上開かれる。
まったくもって、ありがたい話だ。
まあ、
社員登用される確率は、
地球に隕石が激突するに等しいのだが。
それは、
最初から説明されている。
良いように使われ、
ぼろ切れのように捨てられる。
おそらくは、
契約社員というものは、そんなものなのだろう。
それをよしとして働く俺たちは、
どうしようもない、
うつけものなのだ。
そう、
俺たちは契約社員だった。
くそったれ会社の、解雇金も底を尽き、
俺は悠長に職探しをしてはいられなくなった。
雇用保険の額では、
娘の母親が、離婚直前に借り入れた、
俺にとっては膨大なクレジットカードによるショッピングと、
住宅ローンが、
このままでは、返済出来ないのは明白だった。
(出来れば、職業訓練を受け、半年間、植木職人になるための教育を受けたかったのだが)
俺は早急に、職にありつかなければならなかった。
俺は、友人が勧める求人に応募した。
それは交代勤務で、
それ故に、この地域では多少、ペイが良かった。
俺は、面接に行った。
採用だった。
額面上は、地域の相場よりは幾分高かったが、
それは交代勤務だからだ。
それでも、
前職のくそったれ職場よりは、
休日は多い。
交代勤務というものは、想像以上にハードな勤務体系だ。
一週間ごとに、夜勤と日勤が入れ替わる。
初めての夜勤。
俺は心底、うんざりした。
これはもう、奴隷じゃないか。
同僚は、休みの土日もアルバイトへ行き、
月曜日に出社して来たのだという。
表情はひどく暗かった。
疲労困憊といったところだ。
それに比べれば、俺はまだましな方なのだろう。
一時間の休憩時間。
俺に仕事を教える役目のトレーナーも契約社員だったが、
彼もその休憩時間の間、休憩室で仮眠をとっていた。
夜中、社員はいない。
社員の連中はみな、今頃夢の中だろう。
俺たちのような、糞みたいな安い給料で働く人間のおかげで、
彼らは、
よだれを垂らしながら、
スイートな夢を観られるという訳だ。
時間が過ぎるのは、あっという間だった。
半分眼を瞑っていたせいだろうか?
俺は、定時に終業しない事に苛立った。
同期入社の連中も、まだ仕事をやらされている。
俺たちは、三十分近く残業させられ(勿論、残業代はつかない)
その後、後始末にたっぷりと時間をとられ、
帰路についた。
早朝。
道路は空いていた。
夏の日差しはまだ東の彼方で、涼しいくらいだった。
おれはいったい、何をやっているのだろうか?
数年後、
契約は終了する。
果たして、俺も含めて仲間たちのどれほどが、
社員に登用されるのだろうか。
いっそ、
みんな、使い捨てにされた方がましかもしれない。
そう思っていた方が懸命だ。
俺は帰宅し、酒を飲んでいる。
そのときだけ、
現実の厳しさが、少しだけ意識の外に遠退き、
そのかわりに、
なんとかなるのではないかという妄想が入り込む。
いずれにしろ、
なるようにしか、ならないのだ。
もがく事なかれ、だ。
酔っぱらっちまった。
推敲してないのだが勘弁しておくれ。
よく考えたものだ。
契約社員。
待遇は社員に準する。
社員登用への門戸は、形式上開かれる。
まったくもって、ありがたい話だ。
まあ、
社員登用される確率は、
地球に隕石が激突するに等しいのだが。
それは、
最初から説明されている。
良いように使われ、
ぼろ切れのように捨てられる。
おそらくは、
契約社員というものは、そんなものなのだろう。
それをよしとして働く俺たちは、
どうしようもない、
うつけものなのだ。
そう、
俺たちは契約社員だった。
くそったれ会社の、解雇金も底を尽き、
俺は悠長に職探しをしてはいられなくなった。
雇用保険の額では、
娘の母親が、離婚直前に借り入れた、
俺にとっては膨大なクレジットカードによるショッピングと、
住宅ローンが、
このままでは、返済出来ないのは明白だった。
(出来れば、職業訓練を受け、半年間、植木職人になるための教育を受けたかったのだが)
俺は早急に、職にありつかなければならなかった。
俺は、友人が勧める求人に応募した。
それは交代勤務で、
それ故に、この地域では多少、ペイが良かった。
俺は、面接に行った。
採用だった。
額面上は、地域の相場よりは幾分高かったが、
それは交代勤務だからだ。
それでも、
前職のくそったれ職場よりは、
休日は多い。
交代勤務というものは、想像以上にハードな勤務体系だ。
一週間ごとに、夜勤と日勤が入れ替わる。
初めての夜勤。
俺は心底、うんざりした。
これはもう、奴隷じゃないか。
同僚は、休みの土日もアルバイトへ行き、
月曜日に出社して来たのだという。
表情はひどく暗かった。
疲労困憊といったところだ。
それに比べれば、俺はまだましな方なのだろう。
一時間の休憩時間。
俺に仕事を教える役目のトレーナーも契約社員だったが、
彼もその休憩時間の間、休憩室で仮眠をとっていた。
夜中、社員はいない。
社員の連中はみな、今頃夢の中だろう。
俺たちのような、糞みたいな安い給料で働く人間のおかげで、
彼らは、
よだれを垂らしながら、
スイートな夢を観られるという訳だ。
時間が過ぎるのは、あっという間だった。
半分眼を瞑っていたせいだろうか?
俺は、定時に終業しない事に苛立った。
同期入社の連中も、まだ仕事をやらされている。
俺たちは、三十分近く残業させられ(勿論、残業代はつかない)
その後、後始末にたっぷりと時間をとられ、
帰路についた。
早朝。
道路は空いていた。
夏の日差しはまだ東の彼方で、涼しいくらいだった。
おれはいったい、何をやっているのだろうか?
数年後、
契約は終了する。
果たして、俺も含めて仲間たちのどれほどが、
社員に登用されるのだろうか。
いっそ、
みんな、使い捨てにされた方がましかもしれない。
そう思っていた方が懸命だ。
俺は帰宅し、酒を飲んでいる。
そのときだけ、
現実の厳しさが、少しだけ意識の外に遠退き、
そのかわりに、
なんとかなるのではないかという妄想が入り込む。
いずれにしろ、
なるようにしか、ならないのだ。
もがく事なかれ、だ。
酔っぱらっちまった。
推敲してないのだが勘弁しておくれ。