日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。 -59ページ目

寄り道

昼に、親戚へ電話を入れた。

昨日、俺の携帯に着信があったからだ。

電話の向こうの、従姉妹に当たるその彼女は、

折り返しの電話を入れられなくて、悪かったと俺に詫びた。


電話の内容は、俺を心配しての電話だったらしい。


俺は離婚し、

同時期に入院し、

解雇された事を話した。


驚いたようだったが、意外なことに、俺を励めす言葉が返って来た。



この世の中に、この俺を気遣ってくれる人がまだいるという事に、

俺は無上の喜びを感じた。



あのとき、

娘の母親との関係が保たれれば、

俺は親戚とのつながりが断たれようと、

かまわないと思っていた。


家族がすべてだった。


たとえ、その家族に疎まれていようと。


仕事が終わり、

俺はいつものショッピングモールへ寄った。


何をする事も無く、

だた、ぶらぶらして、

時間をつぶす。



ラーメンを喰い、

クスリを一錠飲む。


ベンチに座り、行き交う人々をただ眺めていた。


太った女。

足。


俺の視線は流れていく。



何故か太った女に、注意が向いてしまう。

何故なのか?


だからといって、普通の女か嫌いな訳ではない。


ふくよかな体。

それは、安心感なのか。

それとも包容力か。

それとも、

マザコン、か。


俺はしばらく、

通り過ぎる女の足を眺めていた。


まったくもって、


馬鹿みたいだ。

なんてこった!〜心をかき乱す着信履歴

詩 『与えられた刺激』

刺激がまったくない世界。

それは、死んだ世界だ、

とも言えるし、

釈迦が言っていた、

涅槃かもしれない。


しかし、

僕らのような、

金の匂いや、

競争という虚構の中で育ち、

資本主義経済万歳だなんて、

洗脳されてきた人間にとっては、

常に刺激が必要だった。


例えば目隠しをされ、

長い間放置されると、

その人間は失明するらしい。


家に長い間いるとうんざりするのは、

当然だよね。


僕らは、そうなるように仕向けられているのだから。


新しい服。

新しい車。

ハイビジョンテレビ。
(最近では、3Dハイビジョンなんてのもある。地デジなんて糞喰らえ!) 

新しい家。

新しい音楽。

新しい映画。

新しいパソコン。

新しい携帯。
(みんな知ってる?iPhoneユーザーはミクシーに登録すら出来ない事を。なんて会社なのだ)

何故そこまで安いのか謎の、

二百五十円の牛丼。



環境に配慮だって?

本当か?

エコだエコだと言ったって、

どこかの誰かが札束をくんくんして、

ウハウハなだけじゃない。

地球に優しいなんて、

嘘っぱちだ。


ペットボトルは、再生しないで燃やした方が、

コストがかからないって、

聞いた事あるんだけれども。


僕たちは、


搾取され、


消費を強要され、

そして、

疲弊する。


刺激を求めて、

今日も、

街を彷徨う。


ひょっとして、

システム側の言いなりってわけ?