寄り道 | 日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。

寄り道

昼に、親戚へ電話を入れた。

昨日、俺の携帯に着信があったからだ。

電話の向こうの、従姉妹に当たるその彼女は、

折り返しの電話を入れられなくて、悪かったと俺に詫びた。


電話の内容は、俺を心配しての電話だったらしい。


俺は離婚し、

同時期に入院し、

解雇された事を話した。


驚いたようだったが、意外なことに、俺を励めす言葉が返って来た。



この世の中に、この俺を気遣ってくれる人がまだいるという事に、

俺は無上の喜びを感じた。



あのとき、

娘の母親との関係が保たれれば、

俺は親戚とのつながりが断たれようと、

かまわないと思っていた。


家族がすべてだった。


たとえ、その家族に疎まれていようと。


仕事が終わり、

俺はいつものショッピングモールへ寄った。


何をする事も無く、

だた、ぶらぶらして、

時間をつぶす。



ラーメンを喰い、

クスリを一錠飲む。


ベンチに座り、行き交う人々をただ眺めていた。


太った女。

足。


俺の視線は流れていく。



何故か太った女に、注意が向いてしまう。

何故なのか?


だからといって、普通の女か嫌いな訳ではない。


ふくよかな体。

それは、安心感なのか。

それとも包容力か。

それとも、

マザコン、か。


俺はしばらく、

通り過ぎる女の足を眺めていた。


まったくもって、


馬鹿みたいだ。