映画マシニスト〜虚実の狭間で〜 | 日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。

映画マシニスト〜虚実の狭間で〜

マシニストという映画を思い出さずにはいられなかった。

クリスチャンベール演じる夜勤専門の機械工が、一睡も出来ずにやせ衰えていく。

次第に不可解な現象に襲われ………。



とんでもなく良い映画だったな。

傑作だ。

みんなも、観ると良いよ。

面白さは俺が保証する。

いやまてよ。

そいつは無理な話だ。

つまらなかったとしても、

俺には責任をとることはできない。

面白い、面白くないは、あくまで個人の主観なのだから。



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先日俺は、ありもしない記憶を捏造し、

レンタルビデオ屋でコントを演じてしまった。

徐々に狂ってきた、証拠だ。

終いには、

霊だの、

宇宙人だの、

つちのこだの、

カッパだの、

フライングヒューマンだの、

スカイフィッシュだの。


二千十二年には、世界の終焉を観るに違いない。


夜勤明け。


昼間に眠れる訳も無かった。

酒をしこたま飲み、五時間だけ眠った。

途中何度も暑さで目覚め、熟睡にはほど遠い。

今こうしてキーを打っている。

この時間が一番充実しているとも思える。



この時間が永遠に続けば良いものを。



うんざりする時間を八時間以上過ごしてこそ、

二時間にわたる創作活動が生きる。

そんなことを、俺の好きな作家が言っていたっけ。



書くという事はとんでもない事だ。

書いた事が現実となってしまう。


そう、ご覧の通りだ。



俺はあるとき、こんな夢をみた。

南の島。

俺は海辺の家のテラスから夕日を眺め、酒を飲んでいる。

肴は昼間、自分で釣ったものだ。

娘が学校から帰って来て、サーフボードを片手に海に駆け込んで行く。

夕暮れ時、海は空いているからだ。

俺は夕食を用意し、パソコンに向かった。

俺はどうやら、何かを書いて生計を立てているようだった。

物書きならば、どこで暮らしても同じだ。

書き上がった原稿は、メールで転送すればいい。

書き始めるとすぐに日が暮れてしまった。

娘が帰ってくる。

俺は仕事を中断し、

娘と食卓を囲む。


ボーフレンドの話。

海に潜って、魚を突いた話。

留学の話。


俺は娘のしたい事を、何だって叶えてあげられる。

そうさ、俺は良い父親なのだ。

父さん、お休み。

娘が言って、自室へ向かう。

俺はパソコンに向かった。


ここからが、珠玉のときだ。


書きたい事は、尽きない。


深夜まで書き続ける。


仕事を終え、俺は娘の寝顔を観て、布団へ潜り込む。



なんて妄想なのだ。


おい、聴いているか、神様。

書いたぜ、俺は。

こうして俺の理想の生活を書いたんだよ。

だから、叶えておくれよ。



もしも、あんたが存在するならば、

俺の祈りを叶えておくれ。




俺は現実に戻り、時計を観た。

あと、四時間後には仕事だった。




なんてこった。


酒。


たった四時間では、抜けないよな。