日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。 -333ページ目

娘の名前

神社で命名してもらった。

4つの名前から、選んだ。



画数と言うものがあるらしい。

それによって、運勢が上がったり下がったりする。


にわかに信じられなかった。

名前で、運命が左右されるはずがない。

今でも、そう思っている。



それでも、神社で命名してもらった。




一度、妻と二人で考えた名前を、神社で見てもらった。

画数が、悪く、最も良くない名前だと言う。

その後、散々考え、結局良い名前が思い浮かばなかったのである。

神社からいただいた、名前が記されている紙を見て、妻に言った。



これが一番良いと思うが。


そうだね。


古風な名前だった。


はじめは、ありふれた名前だと思ったが、今は気に入っている。

娘が、好きになるかどうかは、まだわからない。



ネットで、画数を検索した。


画数では、最も良い名前のひとつであることが、わかった。

娘

熱が出ていた。

妻から、移ったのか。

まだ、わからない。

病院へ行ったが、インフルエンザの検査はしなかった。


時間が経過していないと、検査をしても、反応がでない場合があるらしい。


家に着くと、娘は妻に抱っこして、とせがむ。

でも抱かせることは出来ない。


今日は、俺で我慢しろ。


無理やり、抱き寄せ頬を寄せる。


娘は、泣きながら、ママと叫んでいる。

妻は決して、抱こうとはせず、遠くから声を掛けているだけだった。


食事をさせ、薬もそこに混ぜてあたえた。


震えながら、スプーンを使って、飯を口に運ぶ姿をみて、思わず涙が出そうになった。

「おいしい」

薬が混ざっていることが、わかってないようだ。


いつもより元気のない娘とふたり。

一人がけのソファーに座り、一緒にテレビを観た。

「すごいねえ」

小動物が映っていた。




こうして、何歳まで一緒に遊べるのだろう。



大きくなって、お父さん臭いからあっち行って、などと言うなよ。


呟いていた。


娘はまっすぐな目で、俺を見つめてきた。

映画 「天使のくれた時間」

大企業のトップに君臨する、孤独な主人公。

地位、名声、金。

すべてを手にしたとも思える彼。

そんな彼も、豪奢なペントハウスに、一人で住む孤独な男だった。


帰宅途中、街で出会った男に、こう言われる。

きらめきを見せてあげよう。これはお前が招いたことだ。

わけのわからぬまま、ベッドに潜り込んだ。


目を覚ますと、、、。


質素な一軒家の、子持ちの親父になっていた。

主人公が家族の暖かさにふれ、次第に、きらめきを取り戻していくと言う話。



この映画を初めて見たとき。


ここで、描かれているような夫婦になりたいと思った。

スクリーンの中の、その家族は、暖かさに満ちていた。

妻は夫を愛し、妻もまた夫を愛する。



豪奢な家には住めないが、家族は強く結びついている。

金じゃないんだ。

そう思いたかった。

しかし、それは貧乏人の、うわごとでしかないのかもしれない。