日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。 -294ページ目

音楽 浜田省吾

CDが聴きたかった。



浜田省吾の新譜。




My First Love





前回のアルバムまでは、今まだ出された曲をアレンジし直したものが多かった。

今回は、すべて新曲のようだった。


切ない恋や成功と挫折。


以前は、そんな若者の青春を歌っていた。


最近のアルバムでは、妻に対する想いなどを歌っている。


そして、今回の  I am a father という曲。


PVをネットで観た。


時任三郎が、家族のために懸命に働く父親を演じていた。


仕事上のトラブルのため、休日返上で頭を下げて回るその映像を観て、昔見たドラマ「ふぞろいの林檎たち」を想い起こさせた。





俺も、親父になった。

浜省も、ファンである俺も、年をとったということなのだろうか。




あわよくば、購入したいと思っている。




財布を開いた。


計算する。


映画を観るだけで、すべてなくなってしまうことに、気付いた。



そして、この新譜も1年以上待ち続けていたのであった。





読者の皆様、最近購入したCDなど、ありますか??


※ミュージックバトン、近頃よく見かけます。

我儘な、男




映画館へ行くことになった。

新しくオープンしたシネコンを、妻は見に行きたいのだと言う。

EP3の先行ロードショー。

その日に、上映されるはずだった。

あわよくば、観たい。



結局のところ、映画館を見学し、隣接するショッピングセンターを見て周り、帰宅した。

もし観たいのならば、レイトショーでも観に行ったら。

一言、妻は言ったのだった。





妻はその日、仕事があった。

娘を寝かし付けて、妻の帰宅を待った。


「レイトショー、観に行きたいんだけど、いいかな」

「こんな夜中に遊びに行くだなんて。そんなだったら、結婚なんかしなければよかったじゃない」


返す言葉がなかった。



そのとおりだと思った。

夜中に一人、映画を観に行くなんて、妻帯子供有り。そんな男のすることではない。

馬鹿げたことを、言ってしまった。

妻を働かせて、映画などと言っている俺は愚としか言いようがない。





布団の中で、まどろんだ。

眠れなかった。

結婚なんか、しなければよかったじゃない。

その言葉が、俺の頭の中で何度も繰り返されていた。


以前妻は、溜息とともに、俺にこう言った。


結婚なんてしなければよかった、と。


思っていることは、何でも言ってしまう。

それが妻であり、思ったことを決して口にしない。

それが、俺だった。


妻に何か要求したことなど、これまでにあっただろうか。

映画が観たい。

よく考えてみると、それが結婚して、初めて言った我儘だったかもしれなかった。



気持ちいい、買い物とは?

部屋でぼっとしていたら、電話が鳴った。




「~さんのお宅ですか。100歳クラブです」

「はあ」

「最近お体の調子を、崩される方が多いのです。お若いのでまだ大丈夫ですね」

「、、、。」

「おじいちゃんおばあちゃんは、いらっしゃいますか」

「居ませんが、、」



電話が切られた。

一瞬、何のことかわからなかった。



早速、ネットで検索してみた。

文字通り、100歳の人々が集まるクラブなどが、リストされる。

その中に、紛れ込むように、それと思しきサイトはあった。




なるほどな。

思わず、唸ってしまった。

それと同時に、後悔していた。

年寄りは居ると嘘を付き、色々と話を聞きたかった。

面白半分で、話を聞いてみる。

最近そんなことを、してみたくなるのだった。

老人でないとわかった時点で、電話を切ったところをみると、それはかなわなかったことだろう。

HPに展開される、100歳クラブと称するその商品群を観る。

やはり、買いたいとは思えなかった。





TVのスイッチを入れた。

じゃぱネットのたかた社長が、全力で商品を紹介していた。

いつの間にか、高田社長の語り口に引き込まれていた。

値段が安いとか、金利手数料が無料だとかそういった理由ではなく、その商品自体が欲しくなっている自分に驚いていた。



俺は、あんたの熱い語り口が大好きだよ。


TVに向かって、語りかけていた。