音楽 浜田省吾
CDが聴きたかった。
浜田省吾の新譜。
My First Love
前回のアルバムまでは、今まだ出された曲をアレンジし直したものが多かった。
今回は、すべて新曲のようだった。
切ない恋や成功と挫折。
以前は、そんな若者の青春を歌っていた。
最近のアルバムでは、妻に対する想いなどを歌っている。
そして、今回の I am a father という曲。
PVをネットで観た。
時任三郎が、家族のために懸命に働く父親を演じていた。
仕事上のトラブルのため、休日返上で頭を下げて回るその映像を観て、昔見たドラマ「ふぞろいの林檎たち」を想い起こさせた。
俺も、親父になった。
浜省も、ファンである俺も、年をとったということなのだろうか。
あわよくば、購入したいと思っている。
財布を開いた。
計算する。
映画を観るだけで、すべてなくなってしまうことに、気付いた。
そして、この新譜も1年以上待ち続けていたのであった。
読者の皆様、最近購入したCDなど、ありますか??
※ミュージックバトン、近頃よく見かけます。
我儘な、男
映画館へ行くことになった。
新しくオープンしたシネコンを、妻は見に行きたいのだと言う。
EP3の先行ロードショー。
その日に、上映されるはずだった。
あわよくば、観たい。
結局のところ、映画館を見学し、隣接するショッピングセンターを見て周り、帰宅した。
もし観たいのならば、レイトショーでも観に行ったら。
一言、妻は言ったのだった。
妻はその日、仕事があった。
娘を寝かし付けて、妻の帰宅を待った。
「レイトショー、観に行きたいんだけど、いいかな」
「こんな夜中に遊びに行くだなんて。そんなだったら、結婚なんかしなければよかったじゃない」
返す言葉がなかった。
そのとおりだと思った。
夜中に一人、映画を観に行くなんて、妻帯子供有り。そんな男のすることではない。
馬鹿げたことを、言ってしまった。
妻を働かせて、映画などと言っている俺は愚としか言いようがない。
布団の中で、まどろんだ。
眠れなかった。
結婚なんか、しなければよかったじゃない。
その言葉が、俺の頭の中で何度も繰り返されていた。
以前妻は、溜息とともに、俺にこう言った。
結婚なんてしなければよかった、と。
思っていることは、何でも言ってしまう。
それが妻であり、思ったことを決して口にしない。
それが、俺だった。
妻に何か要求したことなど、これまでにあっただろうか。
映画が観たい。
よく考えてみると、それが結婚して、初めて言った我儘だったかもしれなかった。
気持ちいい、買い物とは?
部屋でぼっとしていたら、電話が鳴った。
「~さんのお宅ですか。100歳クラブです」
「はあ」
「最近お体の調子を、崩される方が多いのです。お若いのでまだ大丈夫ですね」
「、、、。」
「おじいちゃんおばあちゃんは、いらっしゃいますか」
「居ませんが、、」
電話が切られた。
一瞬、何のことかわからなかった。
早速、ネットで検索してみた。
文字通り、100歳の人々が集まるクラブなどが、リストされる。
その中に、紛れ込むように、それと思しきサイトはあった。
なるほどな。
思わず、唸ってしまった。
それと同時に、後悔していた。
年寄りは居ると嘘を付き、色々と話を聞きたかった。
面白半分で、話を聞いてみる。
最近そんなことを、してみたくなるのだった。
老人でないとわかった時点で、電話を切ったところをみると、それはかなわなかったことだろう。
HPに展開される、100歳クラブと称するその商品群を観る。
やはり、買いたいとは思えなかった。
TVのスイッチを入れた。
じゃぱネットのたかた社長が、全力で商品を紹介していた。
いつの間にか、高田社長の語り口に引き込まれていた。
値段が安いとか、金利手数料が無料だとかそういった理由ではなく、その商品自体が欲しくなっている自分に驚いていた。
俺は、あんたの熱い語り口が大好きだよ。
TVに向かって、語りかけていた。