気持ちいい、買い物とは?
部屋でぼっとしていたら、電話が鳴った。
「~さんのお宅ですか。100歳クラブです」
「はあ」
「最近お体の調子を、崩される方が多いのです。お若いのでまだ大丈夫ですね」
「、、、。」
「おじいちゃんおばあちゃんは、いらっしゃいますか」
「居ませんが、、」
電話が切られた。
一瞬、何のことかわからなかった。
早速、ネットで検索してみた。
文字通り、100歳の人々が集まるクラブなどが、リストされる。
その中に、紛れ込むように、それと思しきサイトはあった。
なるほどな。
思わず、唸ってしまった。
それと同時に、後悔していた。
年寄りは居ると嘘を付き、色々と話を聞きたかった。
面白半分で、話を聞いてみる。
最近そんなことを、してみたくなるのだった。
老人でないとわかった時点で、電話を切ったところをみると、それはかなわなかったことだろう。
HPに展開される、100歳クラブと称するその商品群を観る。
やはり、買いたいとは思えなかった。
TVのスイッチを入れた。
じゃぱネットのたかた社長が、全力で商品を紹介していた。
いつの間にか、高田社長の語り口に引き込まれていた。
値段が安いとか、金利手数料が無料だとかそういった理由ではなく、その商品自体が欲しくなっている自分に驚いていた。
俺は、あんたの熱い語り口が大好きだよ。
TVに向かって、語りかけていた。