日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。 -208ページ目

携帯電話はどちらをお使い?

妻から電話があった。

携帯の料金プランの説明を聞きに、ショップに行っているという。

俺も今からそちらへ向かうと言い、携帯を閉じた。

店の中は、結構な賑わいだった。

番号札発行機などが設置され、まるで銀行のようだ。

機械に表示された番号は7番だった。

ナンバーポータビリティーによる一連のトラブルで、一日から五日間は新規契約のみの受け付けになるらしい事は、ニュースで知っていた。

話しを聞くと、既に今日から機種変更は受け付けられないという。

31日である。

妻はかなりのところまで話を聞いていた。


競合他社の料金プランをそのまま使える上に、少しだけ安くなる。

おまけに、同じ携帯間通話が0円である。

しかし、よく調べると例外もあるようだ。

それでも、料金で選ぶなら、ここで間違いはなさそうだった。


妻と俺は機種変更である。

俺はある携帯に目を止めた。

スライドすると、キーボードが出現するというネットに特化した携帯だった。

その携帯に変更したときの、料金プランの説明を受ける。

しばらくして妻が言った。

「なんでそんな携帯が必要な訳」

「電子手帳としても使えるから」

「電子手帳もってるじゃない」

「………」

俺は閉口した。

その携帯でブログをやるなどと、妻の前で言えるはずもなかった。

ハロウィンとは

ハロウィンとは何なのか。

衣料関係の店を回りながら俺は思った。

買い物は、ハロウィンのための仮装衣装を作るのためである。

着るのは娘だ。


俺は妻に訪ねた。

「死人が生き返る。そんな話から始まったんじゃない」


それから妻は、何処の国で始まった、という所まで知っていた。

俺はその国名を聞きながら、失念してしまった。


死人が生き返る。

随分と恐い話だと思った。

それではゾンビ祭り、ではないか。


ひょっとして、ゾンビ映画のルーツはここから来ているのかと思う。


まだ疑問があった。


死者が蘇る事を、何故祝うのか。

確か、子供たちがハッピーハロウィンと言いながら家を回り、お菓子を貰うはずだった。

お決まりの南瓜の意味は。

俺は南瓜頭の不気味な人形を手にとった。

よく見ると、愛嬌のある顔で笑っているのだった。

多目的トイレ

「おしっこ」

娘が言った。

家族で買い物である。

俺は娘を連れて、トイレを探した。

大型店舗であれば、大概は多目的トイレがあった。

広く使えるので、娘に用を足させる時は楽なのだった。

六畳ほどの広さがある。

備え付けの便座クリーナーで便座を拭き、更にペーパーを引き出し、便座の上にに載せた。

俺が外でトイレを使う時のやり方だった。


子供の頃、和式便所で育ったせいなのか、不特定多数の人間が座る便座に抵抗があった。

映画のタイトルは忘れたが、女優のシガニーウイブァーがあるシーンで同じ様なことをしていたのを観て、俺はほくそ笑んだ事があった。


娘は用をたすと、お父ちゃんは、と言った。


俺は思い出し、便座を跳ね上げた。

用を足した時、娘が爆笑した。

そして、笑いながらこう言ったのだった。

「お父ちゃん、そこはタチションの場所じゃないよ。座ってするんだよ」





※シガニーウイブァー
「エイリアン」シリーズのリプリー役で有名な女優。俺が観たその映画はサスペンスかなにかで、部屋から出ることの出来ない外界恐怖症?の役だった。