感情
感情。
それをコントロールすることは、人生をコントロールすることと同じである。
いつでも、平静を保とう。
怒りや、不安を締めだそう。
妻の誹り。揶揄。
そんなことに、心を動かされれば、さらに不和を生むだろう。
怒鳴り、感情的に反論することは簡単だ。
もう、同じ間違いは起こさない。
俺は、それなりに成長している。
そう、思いたい。
必要なもの
日々を生きる。
その上で、一番大切な事とはなんだろう。
不和より調和。
憎しみより愛。
欠乏より豊かさ。
今日はまっすぐに帰宅し、家の中のメンテナンスを行った。
簡単なDIYで、1時間ほどで終わった。
妻子は帰宅していない。
それでも、一人ではなかった。
いとおしい、仲間が一人俺を出迎えてくれたのだ。
窓際にうずくまり、丸くなっていた。
首を伸ばし、半開きだった眼を開ける。
猫の名を呼ぶと、寂しげに鳴いた。
抱き上げると、おとなしくなり、頭を撫でるとまた鳴いた。
どうしようもなくいとおしかった。
思わず、きつく抱きしめたくなったが、何とかこらえた。
猫はいつもそうされるのを、嫌がったからだ。
しばらくすると、妻子が帰宅した。
手早く準備を済ませ、久しぶりに3人で外出したのだった。
穏やかな一日。
必要なものが、あろうとなかろうと。
俺は、日々を生きている。
カクテル 「マティーニ」
マティーニ。
そんなカクテルがあった。
ジェームスボンドが、タキシードを着て、単身敵地に潜入する。
ホテルか、パーティー会場か。
バーカウンターがあり、そこでカクテルを注文する。
ウォッカマティーニ。
ステアするのかしないのかは忘れたが、何となく旨そうなのだ。
缶タイプのカクテルでマティーニなどあるはずもなく、俺は一度も口にしたことが無かった。
飲みたければ自分で作ればいい。
量販店で、ジンとドライベルモットを買った。
帰宅して、早速作り、飲んだ。
・・・・・・。
ジン特有の匂いが鼻をつく。
普段は、ウイスキーか日本酒しか飲まないのだ。
ジンを味わえるほど、酒が好きではなかった。
チヤーチルだったか。
ベルモットのラベルを眺めながら、ジンを飲んでいたという。
男の酒なのだ。
俺のようなガキには、十年早かった。
「ウォッカにすればよかった」
思わず呟いて、俺はマティーニを呷った。