日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。 -190ページ目

きっと君はこない~クリスマスイブ

朝眼を醒ますと、誰もいなかった。


いつもなら、妻が作る弁当がキッチンに置いてあった。


今日は、無かった。


昼飯など、食うな、ということなのだろう。


家計が苦しい、だから渋々俺に弁当を作って持たせている。


ハッキリとそう言われたことがあった。


昼飯代が、弁当代より安かったら、弁当など作らなくて済むということだ。




ラジオからは、クリスマスソングが流れていた。


俺にとっては、どうでもよかった。


クリスマスで浮かれている奴らは、どれだけいるのだろうか。


考えたのはそれだけだった。



昔、クリスマスを一人で過ごすのがイヤで、必死になって恋人を探したことを思い出し、俺は苦笑した。


若かったのだ。


山下達郎のクリスマスイブは、当時の学生にとって、ある種の脅迫であった。



一人で過ごすクリスマスは、負けである、と。


俺も大衆に迎合する一学生に過ぎなかった。


何も考えない、馬鹿な若者。






今晩、妻娘は帰宅するのだろうか。


なんとなく、帰宅しないような気がする。



俺は一人、本を読みながら熱燗でもなめて過ごすことになるのではないか。



テレビは観ない。


娘がねずみ先生と言って、何のことだかわからなかった。


それでもいいと思っている。


どうでもいいようなスキャンダルと、人を嘲笑するようなものを観たところで、楽しめはしないのだから。




そう言いながら、ネットでユーチューブなどを観ている。


人とは矛盾だらけの生き物だ。


そんなことを、誰かが言っていた。




http://jp.youtube.com/watch?v=-YVRJXtZ8Pw


こんなのも、笑えないよな。

泥沼の中から

20080827.jpg
仲間が次々と解雇されている。

不穏な空気。

ここで解雇されては、計画が狂うではないか。

後二年。

なんとか持ちこたえたい。


やっぱり。




職安いこうかな。

物語~娘の書いた本

コピー用紙にかかれたその本を手にとって、俺は少なからず驚いた。


ちゃんと表紙があって、数頁が書き込まれ、ホチキスで止められている。


そこにかかれていたものは、紛れもないない物語だった。



侍が幽霊に遭遇する話だった。


侍と幽霊の挿絵も、かわいらしく描かれていた。


最後の方の頁には、感想を書き込めるようになっている。


そこに感想を書き込むのが、なんだかもったいないような気がしたので、娘に直接、おもしろかったことを告げた。




そして。



俺も娘に物語を贈った。


すべてひらがなで書いた。


猫が主人公で、そこに娘も登場する。そんな物語だ。





娘は喜んでくれた。





初めてかもしれない。





俺の物語を楽しんでくれた。その様子を間近で見ることを。


次はどんな物語を書こうか。






俺はかけがえのない読者を獲得したのだった。