物語~娘の書いた本
コピー用紙にかかれたその本を手にとって、俺は少なからず驚いた。
ちゃんと表紙があって、数頁が書き込まれ、ホチキスで止められている。
そこにかかれていたものは、紛れもないない物語だった。
侍が幽霊に遭遇する話だった。
侍と幽霊の挿絵も、かわいらしく描かれてい た。
最後の方の頁には、感想を書き込めるようになっている。
そこに感想を書き込むのが、なんだかもったいないような気がしたので、娘に直接、おもしろかったことを告げた。
そして。
俺も娘に物語を贈った。
すべてひらがなで書いた。
猫が主人公で、そこに娘も登場する。そんな物語だ。
娘は喜んでくれた。
初めてかもしれない。
俺の物語を楽しんでくれた。その様子を間近で見ることを。
次はどんな物語を書こうか。
俺はかけがえのない読者を獲得したのだった。