日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。 -172ページ目

ショートショート 「言葉」

桑原宗次は、公園のベンチでまどろんでいた。


二日間、何も食べていない。アパートを追われ、ネットカフェやファーストフードを転々とし、財布の中は空になった。


睡魔が襲ってくる。昨晩、公園では寒さで寝ることができずに、コンビニをはしごして、耐えた。一睡もできなかった。


瞼が張り付いてくると同時に、宗次は力なくつぶやいた。


「もう、だめだ」


いつの間にか眠りに落ちたようだった。


砂を靴が咬む音で、宗次は目を覚ました。


いつの間にか隣に見知らぬ老人が座っていた。


「情けないのう」


言いながら、老人は穏やかに笑った。


宗次は唖然として、老人を見つめた。しわだらけの顔に、長く伸びた眉毛が垂れ下がり、その容貌は仙人を思わせた。


「もうだめ、か」


言いながら宗次をみやり、老人は微笑んだ。


「だめだということは、かまわんが、言い方が気に食わん」


宗次は困惑した。見ず知らずの老人に、説教などされたくはなかった。また、説教を受け止めるほど、宗次の精神状態はよくはなかったのだ。


宗次は視線を足元に移した。


黙り込んでいると、老人は一人で話しはじめた。


「若いの。もう、という言い方では、先がないではないか」


宗次は靴の先で、土をもてあそんでいた。


「まだ、だめだ。そういうふうに考えられないか」


宗次の靴の動きが止まった。


「今はだめでも、この先どうなるかわからないぞ。自分でもうだめだと言葉を発する。それはお前の思い、いや願いなんだろう?」


「ねがい?」


「そうじゃ願いじゃよ」


老人は、よっこらしょといいながら、ゆっくりと腰を上げた。


そして、宗次の方へまっすぐに向き直り、こう言った。


「だから、まだ、だめだと声をだして言ってみい。それは、お前の願いとなってその重い体を動かすだろうよ」



びくりとして、宗次は目を覚ました。




老人の姿はどこにもなかった。





雀が舞い降りてきて、何かを啄ばんでいる。


宗次は大きく伸びをして、あ~と声を上げた。




宗次は周りを見回して、人がいないことを確認すると、声に出していった。





「まだ、だめだ」




宗次は立ち上がり、町の中へ消えていった。




アウトローな生き方

アウトロー(無法者)の魅力を語ろう ブログネタ:アウトロー(無法者)の魅力を語ろう 参加中
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龍が如く3 公式サイト



抗し難い己の欲求。


それは、社会のルールより優先する。


すべてのルールを無視するわけではなく、己のルールは決して破らない。


以前私のブログで述べた 、一人アラスカの大地に消えた若者、クリスマッカンドレス。





酒と女におぼれた、自堕落な作家、チャールズブゴウスキー。





それから・・・・・・・。



考えたけれど、それ以上思い浮かばなかった。




日々、瑣末なことに悩まされ、肩をすぼめて生きている。

そんな俺にとって、奔放に、自由に、好きなことをして生きる彼らは、ひどく眩しい存在だった。

彼らは、社会に対して疑問抱くという、凡人が頭の隅にも思わないような、

きわめて高い感受性を持っていたように思う。

結果、社会からははみ出て生きるしかなくなる。

アウトロー。

それは、ひどく純粋な男の生き様をいう。




現代の日本に、本当のアウトローは存在するのだろうか?


考えたけれど、やはり思い及ばなかった。



それでも、日々を生きたい