家庭内格差
卵の殻を捨てるために、ゴミ箱の蓋を開けた。
俺は唖然とした。
不二家の箱が折り畳まれ、捨てられている。
「ケーキがあったなんて聞いてないぜ」
ケーキを喰うなとは言っていない。
何故、俺には喰わせないのか、と言いたかった。
そして、言う必要なんてないと、悟った。
俺は更にゴミ箱を調べた。
弁当のパック。
ドーナツの箱。(ドーナツは実際に、この目で見て、俺も食った)
昨晩は、娘、俺の娘の母親、義母の三人で外食だった。
俺は卵だけのチャーハン。
何だか馬鹿馬鹿しくなってきた。
生活必需品すら買ってもらえない。
歯磨き粉。
歯ブラシ。
靴下。
下着。
髭ソリ。
そして、靴も。
それらは以前、小遣いで買っていた。
今は靴下どころか、ジュース一本すら買えないのだ。
まあ、イラつくな。
もうすぐ、終わるのだから。
俺は気を取り直して、家を出た。
くそったれ!携帯 (付録 詩 「携帯の女」)
パソコンが使えなくて仕方なく、携帯でブログをアップ。(使えなくなった理由は過去記事参照)
読者の皆様、コメント返しできなくて、ごめんなさい。
寄せられたコメントは、図書館や携帯で全てチェックしております。
今後ともよろしくお願いします。
本日は久しぶりに、自宅PCにて。
山南 零
携帯で、ブログを書くことが苦痛だった。
ゴミみたいなボタンを何度も押し、
ゴミみたいな画面を、
ゴミみたいな文字で埋め尽くす。
端から見ると、かなりアホらしい姿に見えることだろう。
おっさんが、必死コイて、長文のメールを打つ姿。
みっともねえw
携帯のキー配列。
どうしてこうなのよ。
「お」を打つのに、「あ」を五回も押さなければならないなんて。
俺が思うに、おもしろい文章を書くには、頭の中に湧いたアイデアなんかを、
「どれだけ新鮮なうちに文章にできるか」で決まるような気がする。
頭と文章がダイレクトであれば、それが一番だ。
ある作家は、パソコンは使わないという。
それは、上記の理由とほぼ同じで、手書きより劣るから。
まあ、その作家がパソコンが苦手だと言うことは、容易に想像できるのだが。
おそらくは、手書きやパソコンで文章を書くよりも、携帯で書く方がダイレクトだ、という人もこの世の中にいるに違いなかった。
詩 「携帯の女」
街角。
女。
片手に握られた携帯。
親指は恐ろしく早く、キーを押し、せせこましく動き回っている。
背は高く、出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでいる。
俗に言う、いい女だった。
時々、遠くへ視線を送ったときも、親指は滑稽はほど、
携帯の上を這い回っていた。
女は作家だった。
あっという間に短編を書き上げ、出版社へ原稿を送信した。
携帯を閉じ、女は人混みの中へ紛れ込んだ。
読者の皆様は、携帯はお好き?
私は携帯を家に忘れたとしても、全く困らない。
携帯=目覚まし時計。
私の携帯が、もっとも活躍する場面はそれくらいです。
↑いつもクリックありがとうございます。
肉塊〜バイトの話
俺の仕事は、そいつのビニールを剥ぎ取り、余分な血を拭うことだった。
楽勝だと思った。
そのときは。
一つの肉の固まりは、ゴールデンレトリバー一匹分はあった。
そいつを持ち上げ、台の上に載せ、ナイフでビニールを切り、ひっぺがし、液体(血)を拭った。
この仕事が終わると、肉をぶった切る作業にまわされそうだった。
だから、ゆっくりとやった。
こっちの方が、楽だろうと思えたからだ。
「これも、お願いね」
肉の塊は、また、元の山の高さになった。
それから、時間まで肉の山が低くなることは無かった。
手袋は血だらけで、肉を持つ時に、滑ってうまくいかなかった。
エプロンも、返り血で汚れていた。
腰もヤバくなってきた。
何匹分のゴールデンレトリバーを、俺は上げ下ろしたのだろうか。
腰を痛めないように注意した。
左肘が痛みはじめる前に、終わるのか?
山積みの肉塊を見て、俺は思わずため息をついた。
グロテスクな、何か別の物体。
まはや、目の前の肉塊は、俺にとっては食い物ではなかった。
筋力トレーニングのためのバーベル。
これからは、そう思うことにしよう。
