ジブリはお好き?
ジブリ映画のベストスリーをあげるならば、
3.風の谷のナウシカ
2.魔女の宅急便
1.千と千尋の神隠し
だった。
今までは。
しかし、この作品を見てから、ナンバーワンは入れ替わってしまった。
「耳をすませば」
この作品は、巨大な団子虫も、魔女も、神様も、豚も登場しない。
ありふれた住宅街と、学校と、家族と少女だけ。
舞台は現代で、ファンタジックなものは皆無だ。(厳密に言うとだけ、ちょっとファンタジーだけれども)
主人公は女子高生。
本ばかり読んでいて、ろくに勉強もしない。
そんな中、自分の夢を追い求めている同級生と出会う。
彼女の中で、私はこのままでいいの?と、疑問がわく。
そして、彼女はある行動に出る。
同級生とのほのかな恋。
将来の夢。
家族。
ごくごく普通の物語。
アニメでこんなの、今まで見たことがなかった。
仮に、実写で作り上げたとしても、これほどまでに胸に響くことはなかったのではないか。
ジブリはすごい。
改めてそう思った。
なにせ、こんな平凡な物語なのに、幼稚園児(うちの娘)
をあきさせることなく、物語りに引き込むことが出来るのだから。
ところで。
崖の上のぽにょ。
どうなんですかね?
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騙されるな!
酒を二本買ってきた。
カードを使って。
安物の国産ウイスキーと、とんでもない代物の安ドイツワイン。
気張って酒を買っても、最も安いものを選んでしまう。
そんな自分が、悲しかった。
馬鹿馬鹿しさは消えることはなく、むしろ大きくなり、
溢れ返って、俺をおぼれさせそうだった。
酒を二本握り締め、帰宅。
キッチンに立つ。
飯は当然のように炊かれていなかった。
そして、誰もいなかった。
飯を炊き、玉葱を刻んだ。
飯が炊き上がるまで時間があった。
冷凍庫にワインをねじ込み、
それから、スライスした玉葱を電子レンジで暖め、
マヨネーズと、酢と、めんつゆを振りかけた。
飯が炊き上がる間、ネットをしようと思い立った。
モデムの電源を入れようとしたそのとき、
俺の娘の母親と娘が帰宅した。
パソコンは起動していたが、もはやただの箱だった。
ネットに繋がっていないのだ。
俺の娘の母親は、モデムの電源がある居間に居座り続けた。
あきらめるしかなかった。
俺は安ワインを一本空け、飯を食い、布団へ潜り込んだ。
安物ワインでは、酔うことなど出来なかった。
翌朝。
俺のささやかな休日。
目を覚ますと、すでに娘は家を出ていた。
居間には、俺の娘の母親が陣取っている。
見たわけではないが、気配でそれがわかった。
疲れが溜まっているのか。
起き上がることが出来なかった。
それでも、腹は減っていた。
何とか起き上がり、目玉焼きと冷蔵庫の中で見つけたソーセージの朝食を食った。
それから、溜まった洗濯物を洗い、シンクがひどい状態だったので、
そいつも磨き、ついでに風呂も洗った。
外は曇っていたが、洗濯物はかまわず、干した。
部屋に戻ると、俺はいつの間にか眠ってしまった。
悪夢から目覚めると、まだ、悪夢の中にいるようだった。
俺の周りだけが、暗い雲に覆われているようだ。
そんななか、娘の声が聞こえてきた。
俺の娘の母親と、楽しそうに何か喋っている。
笑い声。
どこか、夢の中で聞いたような笑い声だった。
悪夢なのか。
それとも……。
俺は動けなかった。
このまま、起き上がれないのだろうか。
馬鹿な考えが頭の中を回っているとき、娘が部屋に入ってきた。
器を持ち、それを、俺に手渡す。
フルーツだった。
俺は、要らないよ、と娘に言った。
「これ、あげなって、言われたから」
娘が小声で答えた。
俺は黙ってフルーツを受け取った。
布団の上で体を起こしたまま、フルーツを食った。
すっぱいような、甘いような、微妙な味だった。
俺は馬鹿にされているのか?
犬に骨でもあげて、ご機嫌をとろうとでも思っているのか。
俺は這うように起き上がり、家を出た。
光の粒子が網膜を焼いた。
思わず目を細めて、空を見上げる。
雲が所々裂け、青空がのぞいていた。
風が心地よかった。
この世の中、一年を通して雨が降り続くことなどあるわけがなかった。
雨が降れば、その後には、必ず晴天がやってくる。
それは、人の生でも、同じではないか。
糞にまみれて一生を終える事など、あるわけないじゃないか。
まあ、この先、良い事のひとつやふたつはあるんだろうよ。
少しだけ元気が沸いてきたような気がした。
俺は、図書館へ直行した。
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