詩「適当」
結婚も。
仕事も。
完璧にこなそうと、必死でがんばる必要なんかないんじゃないかな。
かといって、怠けろ、とは言えないんだけれど。
適当に。
それが一番だ。
※適当と言う言葉には、いい加減という意味と、ほどよい、ふさわしいと言う意味があります。
アポロ13号は、完璧、万全を期するため、ある部品を交換したことで事故が起きた。
たまには夫婦を演じてみよう
朝起きると、いつもと逆側の側頭部が痛んだ。
どうなっているのか。
右の指先で、こめかみを押さえ、揉んでみた。
痛みが和らぐことはなかった。
それでも、いつもの頭痛よりはましだった。
吐き気はなかった。
俺は家を出た。
先日、どういう風のふきまわしか、小遣いが出た。
先月の10倍の額だった。
真っ先に買った物は、安物の酒を3,4本。
後は、昼飯などだった。
それでも、まだ金は余っていた。
映画を観るか、本を買うか。
俺は映画を観た。
平日の映画館は恐ろしく空いていて、俺を入れて3組だった。
映画が終わると、俺の娘の母親からメールが届いていた。
メールの文面は、「家に戻ってこい」と言っていた。
何故か、頭痛がひどくなってきた。
家に戻り、三人で外出だった。
途中で頭痛薬を買っって、ペットボトルのお茶で飲み下した。
運転しているうちに、少しだけ効いてきた。
今日一日は、何とか持ちそうだった。
40十分ほど車を走らせる。
こうして家族で出かけるのは、何ヶ月ぶりだろうか。
なんだか、まともな家族のような気がしてくる。
俺は少しだけ、気分が良かった。
目的地に着いた。
娘を遊技場で遊ばせて、三人で飯を喰った。
腹が満たされれば、当然、心の緊張も緩むのだろう。
久しぶりに、俺の娘の母親と、たわいのない会話をした。
娘も会話に加わる。
そして、娘はこんなことを言った。
「ママとお父ちゃんが仲良しになったら……」
俺も、俺の娘の母親もなんと言っていいかわからず、口を閉ざした。
それなりに、娘は今日を楽しんだようだった。
帰宅すると、すぐに寝てしまった。
俺の娘の母親と、居間でテレビを観た。
俺は買っておいた二種類の酒を出し、俺の娘の母親に飲ませた。
ひとしきり、当たり障りのない会話をした。
俺の娘の母親の、言葉の端々に、かすかな緊張を感じた。
(こいつ、少しは俺に後ろめたさを感じているのかも?)
したたか酔って、俺の娘の母親は寝室へ向かった。
居間に一人残され、俺は酒を飲み続けた。
頭痛は消えていなかった。
痛みとともに、昼間、娘の言った言葉が、俺の頭の中を刺し続けた。
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鼻血
脚がやたらと重く、引きずりながら洗面所まで辿り着いた。
すると、鼻の中に、何かがあふれてくる。
洗面台が赤く染まった。
俺はゆっくりと顔を上げた。
鏡に映った、俺。
鼻から流れ出した血が、顎の先から滴り落ちている。
指で鼻を摘み、トイレに駆け込んだ。
トイレットペーパーを鼻に押し込んで、俺はバイトへ向かった。
今日に限っては、バイトをサボりたかった。
俺は、疲れ果てていた。
俺はもう、限界かもしれない。
