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英国国立ウエールズ大学MBA学習補助ブログ

某銀行に勤務する英国国立ウエールズ大学MBA履修生のブログです。

MBAの講義で必要となる知識・TIPSを公開しています。

マーケットリーダーの戦略
マーケットの成長がそのまま自社の成長となる
クープマンの市場シェア論

ニッチャーは常にニッチの創出をはかっていかなければならない。

プロダクト・ライフ・サイクル

導入期
成長期
成熟期
衰退期


PLCが衰退するのは代替品が原因。

企業のマーケティング部門は常に自社製品のPLCのサイクルを測る必要がある。

例:MDプレーヤーとメモリオーディオの関係


世帯普及率がどの程度であるかによってPLCの最大値を見積もる事ができる。


成熟期内訳
成長成熟期
安定成熟期
衰退成熟期


成熟期の戦略としては、代替品に対抗するものとなる。

ユーザ一人あたりの使用量を増やすことにフォーカスするしかないが、事実上難しい。
製品価格を下げる、パッケージデザインを変える、容量を変えるなどが考えられる。

最終的にはブランドスイッチしかない。


成長期には販促費の消費より成長による利益の方が大きくなるので、儲かる。
成熟期では↑の論理が通用しないので、上位数社以外は撤退した方が良い。


マーケティングリサーチ
第1段階:キーイシューの設定(仮説を立て、検証するためのKPIを取るためにリサーチを行う)
第2段階:調査計画を策定する(サンプリング方針、データ収集手法の決定)
第3段階:情報の収集
第4段階:情報の分析
第5段階:報告
第6段階:意志決定(最終目的であり、最も大事なプロセス)


研究計画の策定
1.データの情報源を定める
2・調査方法を定める(観察調査、フォーカスグループインタビュー、サーベイ調査、行動データ、実験調査など)
3・調査媒体を定める
4・サンプリング計画を定める
5・コンタクト方法を定める


心理的距離には個人差があるが、SDスケールはその差を吸収する。

定性的なアンケート回答に対してもテキストアナリシスソフトで分析できる。

アンケートを作成するときに最も注意すべき点は「フローの設計」である。

例:ソフトバンク携帯に関した質問をしたあと、携帯全般について質問するなど。

アンケートには専門用語は入れない。
質問文の中に否定的な表現は入れない。

僕が入試の際に研究計画書の書き方を勉強した本を紹介しておく。




国内MBA研究計画書の書き方―大学院別対策と合格実例集
英国国立ウエールズ大学MBA学習補助ブログ-研究計画書の書き方
実際に各MBAに合格した研究計画書が掲載されていて、書き方のコツが理解しやすい。


学究的なイメージがある大学がバリバリの実務家を取ってたりして、掲載されている研究計画書の内容と大学のイメージが違っていて面白かったりする。


個人課題について以下の手順でケースを分析し、回答を出す。

1・マーケティング活動のレビュー
2・マーケティングのイシュー(課題)が出てくる。
3・原因や課題を分析する。
4・戦略の方向性を決定する。
5・ターゲットの再確認
6・マーケティングミックス(4P)の決定

発表はなく、提出のみ。



ポートフォリオ分析

有限の経営資源を複数のビジネスユニットに分配するためポートフォリオ分析を行う。

PPM(ポートフォリオマネジメント)
縦軸は市場の成長性
横軸は相対的なマーケットシェア(1以上であれば市場占有。1未満であれば2番手以下)


(問題児)
市場規模が拡大しているときはシェアNo1になって利益を最大化させる

(花形)
市場規模が縮小しているときはシェアNo2以下になって、マイナスの影響を最小化させる

(金のなる木)
広告宣伝費を極端に抑えることで、経常利益を増大させ、定常的に利益の出る会社にする

(負け犬)
いずれはシェアも低下し、市場も縮小するので、撤退の時期を計ることになる


問題児と花形を比較検討する場合は、市場規模や技術優位性などで判断する

金のなる木の広告宣伝費を削減する場合は、本当に成長性がないのかを検証する


PPMをさらに拡張したフォーマットに「GE社のビジネススクリーン」がある。

市場規模などを可視化できるフォーマットになっている。
http://www.geocities.jp/kohconsul/magagine/1_kigyoukeieiriron1/1-2-2-3.html


【マーケティング戦略の定石】

・アンゾフの成長戦略
・ポーターの3つの基本戦略
・企業価値に基づく戦略
・競争戦略
・プロダクトライフサイクル


アンゾフの成長戦略
既存市場の市場浸透→既存市場への新製品投入→新市場への市場拡大→新市場への新規参入 の順で困難。

日東電工が実際にアンゾフの成長戦略を使っている。


ポーターの3つの基本戦略
コストリーダーシップ戦略
差別化戦略
集中戦略(コスト集中/差別化戦略)

例:花王TCR
http://www.nakahara-lab.net/lm_ken/200211_LM_kao_ura.pdf


企業価値に基づく戦略
カスタマー・インティマシー
オペレーショナル・エクセレンス
プロダクト・リーダーシップ

以上3項目がエクセレンスカンパニー500社に共通である事を分析した


カスタマー・インティマシー:トランザクション単位の利益ではなく、顧客生涯利益を追求する。
オペレーショナル・エクセレンス:トヨタ
プロダクト・リーダーシップ:


競争上の自社ポジショニング


マーケット・リーダー
マーケット・チャレンジャー
マーケット・フォロワー
ニッチャー(競争回避)


志望動機を紙に落とす前には相当な量の思考のまとめが必要である。


具体的には以下のようなものについてしっかり考えておく。


・時代背景

・業界業種の動向

・個人的な事情やバックグラウンド



サンプルとして僕が当時IT業界に関して考えていた文章を現状に合わせてリライトして転載しておく。



僕は現職の銀行員(営業企画)になるまでは、10年間システム屋をやっていた。HTMLコーディングから入って、プログラマ、SE、プロジェクトマネージャを歴任し、最終的にはある金融機関のIT部門長をさせていただいた。

特別自分にスキルがあるとも思っていないが、どうにか食うには困らない程度ではあったようだ。


ではなぜ今システム屋をやめて営業企画の仕事をやり、MBAに通っているのかというと、システム専門職という業務形態が21世紀になった途端に破綻したからである。


システム専門職の破綻はインターネットによるIT革命と時を同じくして起こっている。ATMなどレガシーなシステムがほとんどだった時代は、プログラマはプログラマとしてのスキルをとことんまで追求して、50くらいになったらマネジメントをやっていればよかった。それで食っていけるほどに単価が高かったからだ。


しかし、インターネットによるIT革命は、純粋なシステム開発やSIでの収益スキームを破壊して、アプリケーション自体は無料で広告モデルで利益を上げるスキームが主流となった。(というかそれでしか食えない)


さて、このような時代になってプログラマやSE・PMが自らのスキルをいくら伸ばしても、無料のものを作るためにしか役立たない。作ったものが広まり、広告で収益を上げられるのはほんの一握りのアプリケーションでしかない。


この15年でシステム屋はちょっとカッコイイ専門職から当たるか外れるかわからないバクチ職に変化した。

このような時代においてシステム屋はある程度のスキルと実績を身につけたあとは、すぐに経営スキルを身につけるべきである。年齢でいえば30~35歳くらいの時期である。


ITはつまるところ経営の道具の一つでしかない。システムスキルはその道具をより良く使いこなすためのスキルに過ぎない。IT単体では金を生めないのであれば、ITを活用して金を生めるスキームを作らなければ食っていけない。


経済の流れをマクロに理解し、そもそも何を作るべきかを決定する技術や作ったものを売る技術が無ければ、いくらがんばってプログラムを書いても、サーバを設定しても、インフラを構築しても1円にもならない作業に汗水垂らすだけになる時代なのである。


多くの中小SIが未だに人月商売をやっているが、これはあまりにも安直な時代への対応といわざるを得ない。社員の平均年齢が45歳~50歳になったとき、平均年齢25歳の会社の倍の料金が取れるのか。だれもそんなものに高い金を払ったりしない。


IT業界全体が右肩下がり成長期へと突入した2006年以降、システム屋はすべて経営者とならざるを得なくなった。その流れについていけない人間は、かつてのパスカルやフォートラン専業プログラマのように市場から弾き出されるしかない。


次の時代に乗り遅れないため、システム屋は経営学を体系的に短時間に学べるMBAに就学し、経営スキルを身につけるべきである。


Vol.6は面接について。

面接で聞かれることは基本的には就職面接と同じである。

・志望動機
・将来何をやりたいか
※就職面接ではこれに「退職理由」が加わる。

志望動機に関しては前にも書いたが、とにかく詳細まで文章に落とし込む必要があるし、それさえやり切れれば面接はまったく問題ない。僕は英語での面接は受けたことはないが、基本は同じだと思う。

「将来」はMBA就学中、卒業直後、5年後、10年後という4つのパターンを用意しておく。ウェールズでは20年後を考えて来い、という指示が出ていた。どんなに無理難題でも、なんとかこじつけて具体的なプランを考える。本当に実現できるかどうかはまったく関係ない。

MBAは学部の講義と違って主体的に参加が求められるため、自分がどれだけクラスに貢献できるかをアピールすることも重要なポイントである。志望動機と将来像にまんべんなくアピールを組み込むとよい。

僕の場合は「金融庁検査の経験もある内部統制の知識とデリバティブ等の金融知識でクラスに貢献します」という事でアピールした。自分の実務経験ベースでのアピールでないと訴求力がないのでNGだろう。

度々の記述になるが、基本は「なぜ今MBAなのか」をきっちり説明しきれることが最重要課題である。頭の中でなんとなく受け答えできるつもりでも、必ず紙に落として確認した方がよい。書けば足らない部分や、あたらしい発見があるはずだ。


MBA受験で提出を要求されるのが「職務経歴書」「志望動機」「研究計画書」「推薦状」だ。

日本の大学でおまけ程度に扱われている推薦状だが、MBAでは結構な配点比率で、あなどってかかるとそれだけで合否が決まりかねない。

ポイントとしては

推薦理由
受験生と推薦者の関係

である。お願いするヒトが居なくてヨメに書かせたというような人も居るが、これは止めた方がいいだろう。
そもそもヨメにしかお願いできない時点でMBAには向いていないのだ。

プロセスとしては

1・自分で推薦状を書く

別に悪いことをしているわけではない。むしろ自分を客観的に評価することで、職務経歴書の質にフィードバックできるのでオススメの手法だ。文体はお願いする人にあわせて多少変えた方が良い。
推薦理由が志望動機を補完するような内容で書ききることが重要。

2・推薦してくれる人を探す

これはなるべく客観的に自分を評価できる立場の人が望ましい。本当にできているかどうかはあまり関係ない。
直属の上司よりは隣の部の部長とか、すこし離れた部門の方が良い。ウェールズに限って言えば、推薦者の社会的地位・知名度はあまり見ているようでは無かった。





Vol.3までに転載した「研究計画書」「志望動機」を見てもらえばわかるように、願書類はかなり詳細に文章に落とし込む必要がある。


もちろん、一朝一夕に書き上げられるものではないので、時間をかける必要があるが、まずおすすめしたいのが「職務経歴書」を作ることである。


フォーマットは転職サイトからダウンロード出来るので、自分に合ったものを選べば良い。


ひたすら詳細に、かつコンパクトに贅肉をそぎ落とした職務経歴書を書き上げることで、自らの経験と将来を繋ぐ線がMBAであるのかどうなのかが見えてくるはずだ。


その作業の過程で「MBAじゃないな」と思えば無理して受験、数百万円の出費、2年間の浪費をする必要は無いと思う。逆に「MBAしかない」と思えば頑張り抜く価値はある。


MBAで学べることはたくさんあるが、これまでのところで総括すると「超ハイスピードなアウトプットの技術を学ぶ」所だと思っている。受験に際して自分をひたすら書き出してみるのがその第一歩である。とにかく書いて直してまた書いてを繰り返してほしい。


ひたすら書いていくと、絶対に自分にしか書けない文章が完成するはずだ。だからVol3までに転載した文章をそのまま使って受験しても絶対に合格しないことは保証する。この文章は僕以外の何者でもないから。


文は人なりと言うが、書き出したものが自分自身になったと感じた時点で出願することをオススメする。


文体としては、コンパクトにまとまった箇条書きが一番良いと思う。一時期変に背伸びして衒学的な文体で願書を書いていたが、ことごとく落とされた。

Vol.3は志望動機。以下全文転載。



志望動機
1. あなたの長所および短所は何ですか。


【長所】
自らの職務から見た会社の問題点に対し、あくまでも業務遂行の当事者としての最善を尽くしつつ、課題の克服への抜本的な道筋を見出そうとします。そして問題を目前の単なるネガティブな事象として捉えるばかりではなく、そこに至る必然的な負のプロセスの総体として、捉え返していく力があります。
業務プロセスを客観的に把握し、現場の問題点を抽出し、解決策を立案し、更には改革のための実行プロジェクトをドライブする、一連の対応を実行していく力と経験があります。


【短所】
上記長所の裏返しとして、自分自身の担当分野を超えた経営判断の領域も、その視野に入ってくることになり、実務的領域のなかに潜在する経営判断に係る要素について、疑問を感じることが多々ありました。その疑問をこれまでの私は幼稚な方法で経営層に伝えることしかしてきませんでした。MBAで経営分析、高度なコミュニケーション能力を身につけることで、この短所を解消したいと考えております。


2. 過去の実績で最も達成感のあったものは何ですか。それはどうやって達成しましたか。また、なぜ達成感があったと思いますか。

外国為替証拠金取引業者における金融庁臨店検査対応業務です。2007年9月に金融先物取引法が改正され、各事業者において取引審査、および内部者取引・有価証券報告書虚偽記載などの犯則事件の調査を行う「金融庁臨店検査」が2007年10月~2008年9月まで行われました。私が対応に当たった検査もこの期間内に行われました。
 金融庁は証券取引等の公正を確保するための行政処分の勧告、必要な施策の建議、および犯則事件の告発を行う権限を持ち、上記検査期間中、FX事業者のうち数社は犯罪性が高かったとうことで、業務停止を命じられ、倒産した事実を見ても、対応を誤れば即時業務停止となる厳格な検査であったと言えます。
幸いにもこの検査を指導・罰則を全く受けずに終了することができた背景には、私を含む4名が社内で「金融庁検査対応タスクフォース」を立ち上げ、社内の抵抗にあいながらも内部統制フレームワークの実装を行った事実がありました。
タスクフォースで行った作業に関しては以下がありました。
・ 社内各部業務分掌規定の見直し、リライト、再承認
・ 取締役会規定の見直し
・内部監査室を創室、内部監査制度の定義
・金融当局への報告事項フォーマットの定義
・ガバナンスに関するレポートラインの定義
・ システム管理体制の整備
・ 外部委託先に対する監査体制の整備
・ 外部委託先との契約見直し


これらの作業を半年程度で一気に計画・実行することで「企業再創造」とも言える程の社内改革を完了させることができました。


 大きな改革には当然のことですが、社内で既得権益を持つ上席スタッフの抵抗がつきものです。タスクフォースメンバーも一時的に現場から外されるなどの不当な処遇を受けましたが、その時に現場で働く一般スタッフが積極的に協力を申し出てくれ、業務分掌規定の素案作成等の非常に手間のかかる作業を担当してくれたおかげで、金融庁臨店検査が実施されるまでに社内の体制を整えることができました。

 自らの能力だけでなく、現場の自発的な努力によって最高の成果を勝ち得たがために、私は当業務に対して最大限の達成感を感じています。


3. なぜMBA取得を考えているのですか。また、なぜ当プログラムを選びましたか。


私は現在銀行において、金融商品の企画・設計を行う営業企画部に勤務しております。規制緩和や金融危機で、かつて無いほどコンペティティブになっている銀行業の企画部門スタッフとして、経営分析やアカウンティングの能力をアップし、会社の生き残りと業績向上に貢献するため、MBA取得を目指しました。

 貴大学院を志望した理由は受験説明会においてお聞きした「競争ではなく、協創ができる人材の育成を目指します」という言葉に非常に魅力を感じたからです。


 金融機関における商品企画・開発においては、時に百名単位の関係者の調整を行いつつ、厳しい金融当局の規制に対応する必要があります。このような状況の中で、貴大学院の目指す教育は、私が今後身につけるべき知識・スタンスにとって非常に適合したものと考え、志望させていただきました。


4. あなたのキャリアにおける中期・長期目標は何ですか。また、当プログラムはそれにどう役立つと考えられますか。


中期目標は在籍企業において、顧客の資産運用に貢献できる金融商品の企画・設計を行う事で、会社の業績向上と、日本国民全体の資産管理能力の向上に貢献することです。

 長期目標はMBAでの研究目標としている「ROI計測可能な内部統制フレームワーク」を完成させ、銀行として中小企業の融資を行うと共に内部統制フレームワークの実装を支援することで、日本企業の基礎体力を向上させ、日本全体としての国際競争力向上に貢献したいと考えております。


 これらの目標を達成するにあたって、一般的にMBAで身につけることができる「経営課題認知」「情報精査」「調査手法」「プロジェクト遂行能力」「意志決定手法」等の能力は必須のものでありますが、それらの知識を得るにあたっても、コンセプトが「競争」であっては金融機関の商品を企画するには適していません。

 多岐にわたる部署や金融庁局との調整に基づいたプロジェクト遂行を行う上で、必要となる経営に関する知識・能力を身につけるにあたって、貴大学院のコンセプトである「競争ではなく協創」という理念こそが自分とって必要なものであると感じ、志望させていただきました。


 また、貴大学院では、卒業時に論文を完成させるプログラムを導入されておりますので、自分の過去の経験から是非研究対象として深掘りしたいと希望している「ベンチャー企業における内部統制」「ROI計測可能な内部統制フレームワーク」を論文のテーマとして、MBAの中で研究できることも私にとって貴大学院を選択する理由となっております。


5. 当プログラム(または入学したさいに所属するクラスおよびグループ)に対して、あなたはどのような貢献ができると考えられますか。


金融機関(外国為替証拠金取引)のシステム部門担当者として金融当局臨店検査に対応した経験から、内部管理体制の構築や運用に精通しております。また今後も銀行で営業企画部スタッフとして社内の内部管理体制構築と金融当局対応にあたる事が決定しております。


SOX法や個人情報保護法の対応は当然として、金融機関以外の一般企業にも非常に高度な内部管理体制が求められる時代となりました。しかし、一般企業では実際に監督当局の検査を受ける事は希なため、「何をどこまでやれば良いのかわからない」事が多いと思われます。そのため、内部管理統制パッケージ等を販売するシステム業者に非常に高価な代金を払いながらも「これで良いのだろうか?」という疑問を常にお持ちではないかと想像しております。


私が金融機関で日々金融庁と相対して得た経験や勘所をクラス(グループ)で共有することで、内部統制に関する経営リスクに対して抵抗力のある組織作りを提案・協議することが可能となる事をお約束いたします。


6. 当プログラムへの申請について、上記以外にアピールしたい点はありますか。


私は入学後の研究目標を明確にしており、資料「研究目標」を添付いたしましたので、ご確認いただけますと幸いです。



【研究計画書】
(1) 研究領域:「ベンチャー」
(2) テーマ:「ROI計測可能な内部統制フレームワーク設計」


[研究概要]

研究フェーズ

アプローチ内容

フェーズ1

事例研究

研究にあたっては、まず国内ベンチャー企業の内部統制フレームワーク導入事例を調査し、それらの事例を収集し、内部統制が企業経営にどのように導入され、ビジネス上のリスクコントロールに活用されているかを明らかにしたい。次に既存の内部統制フレームワークを分析し、導入事例とのずれを分析することで、ベンチャー企業向け内部統制フレームワークのあるべき姿(to-beモデル)を明らかにしたい。

フェーズ2

モデル化

フェーズ1で導き出された内部統制フレームワークをより具体化するために、組織設計・会計・経営戦略・マーケティング等の経営手法ごとにROIを算出するモデルを作成する。

フェーズ3

システム化

フェーズ1および2で求められたモデルをベースに、内部統制フレームワークをシステム化するため、ERPBPMやワークフローなどのビジネスプロセスツールとして実装する。情報システムへの入力(あるいは情報システムを通じての権限者の承認)なしに業務を進めることができないようにすることができ、さらに業務遂行の記録を自動的に残すことにつながるため、人的リソースに余裕が無いベンチャー企業において、フレームワークのシステムへの落とし込みは必須である。

システム化することでROIを算出しやすくなるメリットもある。

フェーズ4

評価

最終的な成果としてベンチャー企業における内部統制フレームワーク導入評価を行い、研究の成果としたい。



[研究詳細]
1. ベンチャー企業における内部統制フレームワーク導入状況に関して


ベンチャー企業向けのIPO準備用、あるいはSOX法対応内部統制ソリューションは数多く販売されているが、これらはあくまで「上場審査を通過するため」「法令に違反しないため」だけに導入されるケースが多いのではないか。これは私が三社のベンチャーでIPO準備等の内部統制プロジェクトに関わった経験から発する実感であり、当研究のベースとなる仮定でもある。

内部統制ソリューションベンダーの広告を見ると、「**万円で導入可能!」といったフレーズが先ず目にとまる。この様な現実を踏まえ、フェーズ1ではベンチャー企業における内部統制導入状況を把握し、導入したフレームワークの問題点や導入企業側の問題点(特に経営層のマインド面)、ソリューションベンダーの問題点を明らかにする。


同時にCOSOに代表される既存の内部統制フレームワークを分析し、フレームワークを構成するモジュールを一度分解し、再定義し、組み上げ直すことで、ベンチャー企業向け内部統制フレームワークのあるべき姿(to-beモデル)を明らかにしたい。


2. 内部統制フレームワークのモデル化に関して


資本が脆弱で、VC等から業績に関して過度のプレッシャーを受け続けるベンチャー企業において、ROIが明確で無いサービスの購入は認めがたい。このため、本研究における内部統制フレームワークはROIを把握できるモデルとして構築する必要がある。

しかし、演繹的手法で、いきなりROI算出ロジックを組み込んだフレームワーク構築を行えば、机上の空論にも似た、現場にとって導入しても運用できない理想論モデルになる危険性がある。

このため、組織設計・会計・経営戦略・マーケティング等の経営手法ごとにROIを算出する数理モデルを作成し、実際に経営の場で利用してみることでフィードバックを受け、時間をかけて最適化を行う。
 ROI算出の数理モデルに構築に関して、現時点は以下手順を想定しているが、指導教官と慎重にモデル化技法を検討し、最適な手法を用いたい。


I・企業が直面しうる経営リスク・事務リスク等のリスク発生率と被害額の統計調査
II・内部統制フレームワークを用いなかった場合のリスク係数算出
(例:個人情報流出事故の発生率、損害額から係数を割り出す)
III・内部統制フレームワークを用いた場合のコスト算出モデル作成(システム開発プロジェクトで標準的に用いられるコスト計算ロジックを採用予定)
IV・上記係数を用い、ROI算出の数理モデルを構築


3. 内部統制フレームワークのシステム化に関して

人的リソースに余裕が無いベンチャー企業において、内部統制フレームワークがシステム実装されている事は、導入の必須要件となる。to-beモデルとROI算出数理モデルを組み合わせ、システム要件を洗い出していく。
アプリケーション実装手法として以下が考えられる。どちらも一長一短あり、方針決定に関しては指導教官と慎重に協議して決定したい。

I・パッケージ(ERP、BPM等)をカスタマイズしつつ、複数組み合わせる
II・開発言語を使用して完全独自開発する
III・WebベースのSaaSをオブジェクトとして利用する管理機能とUIを独自開発する


4. 内部統制フレームワークの評価に関して

実在するベンチャー企業数社において構築したシステムを導入・運用してもらい、現場からのフィードバックを受けることで、内部統制フレームワークのブラッシュアップ、再評価というPDCAサイクルを構築し、一定期間運用後に最終的な評価を行う。


以上

ウェールズでも10月期生の募集が始まっている。


僕も今年2月くらいに受験して4月に入学したが、当時を思い出すとMBAに関する受験情報が少なくて結構困った覚えがある。


まだ受験の記憶も生々しいうちに記録として残す事で、後に続く人たちの一助となればと思い、今後数回に渡ってMBA受験生のための情報を記載していく。特に受験の準備で必要になる順番に記載するわけではないので、必要であれば各自で並び替えたり、まとめ直したりしてほしい。



第一回目はいきなりだが、研究計画書について。


研究計画書はウェールズ受験では必須ではないが、他校も受験するつもりであれば書いておいた方が良い。

抽象的なアドバイスだとわかりにくいので(僕もそれで困った)、僕が受験で提出したそのまんまを転記しておく。


研究目標(課題6に対する回答資料) 

「なぜベンチャーは上場後倒産するのか、未然に防ぐフレームワークは無いのか」
10年間の苦い経験を通して、切実に感じる疑問である。
これまで三社のベンチャー企業に勤務してきた。IT系出版社・システム開発会社・金融機関(FX)である。
そのどれもが入社後数年で急成長し株式公開(一社は公開直前であった)の後、凋落あるいは倒産した。
2008年は上場企業の倒産(破産・民事再生・会社更生)が相次ぎ、2008年12月31日時点での倒産件数は34件(上場廃止後に倒産を含む)となり、戦後における記録更新が確定した。新興株式市場上場企業が9割を占め、この内の一社は私が過去所属していた企業である。

ベンチャー企業の経営危機に関して経済産業省経済産業政策局新規産業室がまとめた以下資料が詳しい。

経済産業省 ベンチャー企業の経営危機データベース~83社に学ぶつまずきの教訓~
http://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/kikidatabase/index2.html

当資料において、経営危機の原因として最も多く挙げられているのが「経営管理能力の欠如」である。以下のような実例が記載されているが、これらは全て経営に対する内部管理体制が機能していてれば未然に発生を防げるものばかりである。

"独自技術を獲得のためM&Aを焦り、買収先企業の経営破たんにより連鎖倒産"
"社内管理体制の不備から、賞味期限切れ調味料を使用製品の自主回収を余儀なくされる"
"商品の爆発的ヒットから増産体制をしくも、翌年大量のキャンセル債務超過に転落し、倒産の危機に"
"成長を急ぐあまり無理な設備投資を断行。価格競争に巻き込まれ資金ショートに陥る"


私が金融当局の臨店検査をコアメンバーとして対応した際に実現した内部統制に関わる改革事項は以下であった。

目的:内部統制・ガバナンス強化
改革1:取締役会・監査役規定の再定義
改革2:業務分掌規定・運用細則の再定義
改革3:内部監査室の設置
改革4:承認フロー見直しと稟議書・回覧書の再定義。
改革5:現場と経営層を繋ぐレポートラインの再整備。レポート内容の定義。
改革6:システム障害対応体制の定義。
改革7:システムライセンス契約の再定義。

上記の通り、ベンチャー金融機関で内部統制フレームワークを利用し、実際に社内を改革した経験から、法令によって強制されなければCOSO等の既存の内部統制フレームワークをベンチャー企業が導入するとは考えにくい。
既存の内部統制フレームワークには「ROI」を計測する思想がすっぽり抜けているからである。内部統制によって回避したリスクが一体どの程度の経済規模だったのか、導入コストはペイしたのか。内部統制を経済的に評価するKPIは何か。これらが明示できない限り、ベンチャー企業への導入は進まない。
経営者自身が「経営管理能力の欠如」を認識していながら、内部統制を行わず、経営層や現場の暴走を野放しにし、結果上場後倒産するベンチャー企業が多数あるのは、既存の内部統制フレームワーク自体にも問題があるのではないか。

戦後最多の上場企業倒産件数を記録した現在の日本において、ROIが見えやすく、資本力の無いベンチャー企業でも導入負担の少ない内部統制フレームワークの創出・啓蒙は急務である。
組織・会計・経営戦略・マーケティング等の経営手法を学びつつ、それらに自然に組み込める内部統制フレームワークモデルを考案し、ROIを検証していくための場としてMBAは最適であると判断し、受験に至った。
特に貴大学院は経営実践者を講師として招き、また学生も実務において経営、経営企画の実務者、あるいはそのポジションを目指す方が多く、理論研究ではなく、実務ベースのケーススタディによる活発な議論を講義の中心に据えられている。私の研究は現実の経営に取り入れられ、実践されてはじめて意味を持ち、価値を発揮する。論文を書き、学会に発表するだけの机上の理論だけで終わらせるつもりはない。貴大学院の講師陣、学生諸氏に徹底的に批判され、修正に修正を重ねて実社会に受け入れられるフレームワークとしたい。これが私が貴大学院を選択した理由である。



Vol.2につづく