『マターリ教の教理』
モララー23世『マターリ教の教理』世界マターリ教同盟出版局 500円
マターリ教の第一人者による、マターリ教の教義を平易かつわかりやすく書いた本が出版された。
マターリとは、にっこりまったりすることであり、モララー族のようにニヤニヤ顔で日々を生活することである。守護天使はモララエルで、降臨されると「我が名はモララエル この世界にマターリをもたらすものなり 壷は買うように」と仰せられる。壷は時価である。モララエルが紅白歌合戦時の小林幸子に似ているというのは、秘密である。
これまで、マターリ教の教義の専門書は数あれど、一般書店に流通するような平易な本がなかったので、この度の本書の発行は実に時宜に適っている。
うさんくさい宗教と思われていたマターリ教であるが、本書により、その内実がいくらか明らかになるかと思われる。
また、著者は非常に困窮しており、愛媛みかんの箱の机で本書を著したというのであるから、その苦労はいかばかりであろうか。多くの人が手に取り、マターリ教への理解を深めていただきたいと思う。
『フリーザ家の日課』
フリーザ二世『フリーザ家の日課』ミラクルハイ館 500ゼニー
全宇宙を統べる王フリーザ様の、フリーザ家の日課を書いたものである。さすが、全宇宙の王であられる方は凡人とは懸絶した文章を書いておられ、拙者には書いてあることのほとんどが理解できない有様でござった。
まず起床すると「オーホッホッホ」と某セールスマンのごとき笑いの練習を始められるところは、常人には想像を超えた所業と言わねばなるまい。ここには、汲みつくし得ない深遠なことが横たわっていると愚考する次第である。
日々の鍛錬においても、庶民の耐えられない危険な環境下での訓練は、全宇宙を統べるお方の計り知れないお考えがそこにはあると推察する次第である。
と、全編、深遠な真理に満ち満ちている本書であるが、この度、地球でも読まれるようになったことは、フリーザ様の偉大さの表れと言うことができよう。
伝え聞くところによると、フリーザ様は、喪黒福造氏と知己だそうで、フリーザ様の威厳が何に起因するか、推して知るべしである。
『言語終末論』
モルダー『言語終末論』風船大学出版局 100万ペソ
オーストリーの学者モルダーの『言語終末論』は、言語の最終形態、言語の理想型を起源から論証して、結論づけた書物である。言語学の浩瀚な研究であるが、追究は物語、小説、詩、散文など多岐に渡る。平易かつ明解な文章であるが、さりとて簡単な理解を打ち砕く筆致である。
モルダーは、「もう言語についてこれ以上考えられることはないという思いで書いた」と書いており、著者の本書への並々ならぬ熱意がうかがわれる。これは、書きえぬ書かれた書物である。内容は寓意と暗喩に満ち、単純な理解を拒絶している。しかし、読み終えた暁には、言語の到達点に自分が立っていることに気づかれるに違いない。