「ロシア語」(ラテン文字転写) 「村山七郎訳」 『ごんざ訳』
A「похититель」(pokhititeli) 「略奪者」 『おっとるふと』
B「похищаю」(pokhishchayu) 「略奪する」 『おっとる』
C「похищенныи」(pokhishchennyi)「略奪したる」 『おっとったと』
D「похищаюся」(pokhishchayusya)「略奪される、誘拐される」『ちぇとらゆる』
E「похищенiе」(pokhishchenie) 「略奪」 『おっとること』
ならんででてくる5つの同根のみだし語。
ごんざの訳語の『おっとる』は(物を強奪する)という意味だ。
DはBのся動詞で、強奪する行為の対象が物ではなく自分自身であるという意味だ。
Dの訳語を(おっとる)のうけみの(おっとらゆる)にしてしまうと、(物がとられる)という意味になってしまうので、ごんざは訳語に(おっとる)のうけみ系ではなく(てどり)(誘拐・いけどり)という語彙をえらんだ。
ごんざがся動詞をとても上手に訳した例だ。
邦訳日葡辞書
「Vottori,ru,totta ヲットリ、ル、ッタ(押つ取り、る、つた)手づかみにする、または、力ずくで取る。」
「Tedori. テドリ(手捕り)人を生捕りにすること。」