このブログでも取り上げたように、コヒョウモンモドキが種の保存法の指定を受けたため、野外観察以外の形で幼生期の知見を積み上げることは、今後不可能になった。恐らくこのブログの記事が幼虫の飼育記録としては最後になると思う。

本来できるだけ多くの人がコヒョウモンモドキを飼育している状態にして絶滅を防ぎたいと考えて始めた連載であるが、期せずしてその目的は果たせずに終わった。

私個人としては今春累代飼育を成功させれば、来年以降も記事を書き続けることは可能ではあるが、もう誰にも真似は出来ないわけで、責任は重大である。幼虫達はまだ眠っているようだが、現在行っている準備に付いて触れておく。


細長いプランター2個の中に殆どの幼虫がいるようだ。どちらもオオバコを植え込んであるが、そのうちの1つはオオバコがほとんど枯れてしまった。そのことと関係があるかどうかは不明であるが、このプランターに被せてある袋からは、いくつかの幼虫が歩いているのが見つかり、それは冷蔵庫に収納した。したがって現在2つのプランター(幼虫の数は不明、最大200頭ずつ)+冷蔵庫内に10頭ほどの幼虫がいる。


オオバコがほとんど枯れたプランターの中には、草らしい草がほとんどない状態になったため、こちらにはオオイヌノフグリを植え込もうと考えた。

オオイヌノフグリという草はどこにでもあるようで、いざ探すと見つからない。こんな時はという感じでメルカリを見たら、何故か「オオイヌノフグリ 5株送料込み350円」を売っている人がいた。


あんた、なんでそんなものを売っているの?と言いたくもなるが、それはお前のように買う人がいるからだとアダム・スミスに言われてしまうだろう。探すよりも買ったほうが楽ということで、これを購入し、プランターの中に植え込んだ。


結果として、プランターの中にオオイヌノフグリが入っているもの1つ、オオバコが入っているもの1つ、冷蔵庫のものは、クガイソウが芽を出したらそこに置く予定である。

多分オオイヌノフグリのプランターの幼虫は、2月中に摂食を始めるだろう。オオバコでは3月から、クガイソウでは4月以降だろうか。

3通りの餌が入っているため、3通りの時期に摂食が開始されそうという、比較対照としてはなかなか良い条件で飼育を始められそうだ。


オオイヌノフグリが入っているプランターの中の幼虫が一番早く休眠から覚醒し、その後オオバコ食、クガイソウ食と続くだろう。累代飼育という意味では、最も期待が大きいのは、クガイソウを食べて成虫になったものであるが、そのグループのみで累代飼育を試みるのではなく、「3回チャンスがある」と考えている。

昨年確認したように、1頭の雌が1000卵程産卵するため、「産卵しすぎたらどうするの?」という問題はあるが、それはうまく行ったときに考えようと思う。仮にうまく行き過ぎたとしても、その幼虫の行方をこのブログに書くことはないのだが。