挿し木をしてから約2週間経過したので、近況をアップしておく。昨年10月23日にアップした写真と同様、大きめの鉢をかぶせてあり、地上部は若干高温、高湿度で、風や直射日光は当たらない。親樹の芽はまだ開いてはいない。挿し穂の方が芽の成長か゚早いのは蓋鉢のせいで暖かいためだと思う。


近況に触れる前に、2月24日と25日にアップした挿した直後の写真と、今回以降の写真の間に2箇所食い違いがあることについて触れておく。


まず1鉢目、枝挿しが6本入っている鉢。

気付いた方は多くないと思うが、前回の写真では、右下の挿し穂、トゲと芽が切除してある。これは上下逆向きに挿したものであり、翌日には間違いに気付いたので、正しい向き、つまりトゲや芽を切除してある部分を地中に、切除していない部分を地上に、挿し直してある。

なお、上の右側の挿し穂は調整前から芽がほとんど欠けていた。地中に埋めた部分に立派な節があるため。地上部に芽が殆どないことは認識した上で挿したもので、これは間違いではない。


次に4鉢目、ヤクシマカラスザンショウ4本と、カラスザンショウとキハダ2本ずつが入っている。


この鉢の中の挿し穂1本についは、重大な処理ミスを犯した。気付いた方は少ないと思うが、記事をアップした直後はヤクシマカラスザンショウ5本とカラスザンショウとキハダ2本ずつ、総数は9本と書いてあったが、翌日は写真説明の中の数字か゚変わり、ヤクシマカラスザンショウは4本になり、総数も1本減った。


右下、キハダが横たわっている所とカラスザンショウが立っている所の間に、前回の写真では1つヤクシマカラスザンショウの挿し穂があった。これを取り除いたので、下の写真ではここに挿し穂はない。捨てるのも可哀想ということで別の鉢に移してある。


取り除いた挿し穂は、挿し穂の上下の処理を間違え、上の方のトゲと芽を取り除き、下の芽を残してしまった。もしかしたらこれでも活着するかもと一旦は考えたが、活着する場合は下の芽から出たオーキシンか゚上の葉痕部まで移動した場合であり、オーキシン輸送体であるPINタンパク質やAUX1/LAXタンパク質ファミリーの極性が完全に逆向きに変化しない限り、オーキシンは地中の葉痕部には届かず、芽のすぐ下のカルスメイトで塞がれた枝の末端に蓄積するだけである。結局発根する可能性はないと結論し、観察対象外として、別の鉢に移した。


間違いを直した後の写真に差し替える事も考えたが、それはそれで自分のミスを完全に隠蔽するようで気分が良くない。最初の写真を見る場合はその点で異なることを意識しながら、以下の写真を見て頂きたい。下の写真は、1鉢目の挿し方のミス、4鉢目の挿し穂の処理のミス、各一本ずつの処理ミスを修正した後の写真であるから、これをスタートとした方が良いと思う。


1鉢目。枝挿し6本。

芽がもともとない1本を除き、芽は膨らんでいるが、それほど大きくない。芽の展開は4つの鉢の中で最も遅い。



2鉢目、頂芽挿し3本。

これが一番芽の展開や成長か゚早い。前回の写真ではどこにあるか分からなかった挿し穂の位置が、この写真でははっきり分かる。頂芽由来のオーキシンが、地中の葉痕部に作用していると期待する。



これら2鉢の挿し穂は、挿し穂の切断部をカルスメイトで塞ぎ、一鉢目は挿し穂の長さが短かく、二鉢目は通常は使わない頂芽を含む枝を挿し穂に使っていることが普通とは異なる程度。切断部を塞いだ理由は、切断部からの雑菌の侵入を防ぐことと、オーキシンの流出を防ぐことである。


3鉢目、側芽1個と葉痕部2個を持つ挿し穂の斜め置き8本。

芽の展開は頂芽程早くはないが、枝挿しよりも少し早い感じで順調に成長している。





4鉢目、側芽1個と葉痕部1個を持つヤクシマカラスザンショウの斜め挿し4本と、1芽の縦挿しカラスザンショウと対生芽のキハダの枝横置き各2本の合計8個の挿し穂。



ヤクシマカラスザンショウの芽の展開は3鉢目と大差ない。芽を1つだけ持つカラスザンショウと、横置きのキハダも順調。



後の2鉢は、普通はやらないやり方、通常の解説にはない挿し方である。

挿し木をネタに漫画を描くとは思えないが、「アカギ」、「カイジ」などの福本伸行の漫画なら、「ザワザワ」という擬音か゚入るやり方だ。


芽の展開と発根は別の現象であり、発根状態の違いは分からない。ただ立派に芽が展開している挿し穂では発根も起こっているような気がする。

4月になったら鉢にかぶせた蓋鉢を取り去って日光に当て、5月になってから発根の有無を確認しようと思う。


昨年晩秋に挿したものは、結果的に全滅した。挿し木適期でなかった可能性もあるが、本来発根位置になりうる場所をすべて切り取り、挿し穂として使ったためであろう。今度は何とかなりそうな気がする。しばらく観察を続ける。多分月末頃にまた経過をアップする。