毎日夕方頃になるとわけもなく突然泣きたくなる。
断っておくが、私の話ではない。念のために。
先日、我が子「音宙(とら)」が夜、ミルクを飲んでいる途中で突然烈火のごとく泣き出した。いつもはミルクを飲みながら途中で気持ちよくなってきて気絶したように眠りにおちてしまうのだが、この日は違った。いつもの時間に、いつもの量を、いつもの要領で、ごく普通にミルクをあげただけである。たっぷり睡眠を取った後なので眠い訳ではないだろう。ミルクを飲んでる最中だからお腹が空いたわけでもあるまい。ミルクと一緒に何か変なものを飲み込んだようでもない。どこかに身体をぶつけたりしたわけでもない。飲んだミルクを吐き出すわけでもない。熱もない。あらゆる原因を考えてみたが、どれも当てはまらない。原因はまったくわからない。
不思議に思ってネットで調べてみた。どうやら、生まれたばかりの新生児によく見受けられる現象のことで「コリック(仙痛)」と言うらしい。夕方から夜半にかけて発作的、衝動的に突然火がついたように泣き出すもので、生後2週間頃に始まり、生後6週間頃が最もひどく、生後3~4ヶ月には落ち着くという。夕方頃に始まることから別名「たそがれ泣き」「夕暮れ泣き」とも言われているらしい。なるほど。いわゆる「夜泣き」などといわれる現象も、この「コリック」の延長線上にあるのだ。
それにしても「たそがれ泣き」というのはずいぶんセンチメンタルなネーミングだ。人生に疲れた一人暮らしのOLが日曜日の夕方TVで「サザエさん」が始まるとなんだか哀しくなって泣いちゃう、みたいな(ちょっと違うか)。
だが赤ん坊の「たそがれ泣き」は、そんな甘っちょろいセンチメンタルなものではない。乙女がしくしく涙するのとはわけがちがって、全力で号泣である。ミルクを飲ませようが、おむつを交換しようが、抱っこして「よしよし」あやそうが、何をしてもおさまらない。ただひたすら大声で泣き続けるだけだ。
どうにかならないかと思って、まず原因を調べてみた。あらゆる事象には原因がある。原因がわかれば対策もあるはず。すると「三ヶ月コリックの症状と対処方法(http://www.eagleeyesoft.com/)」というサイトを発見。おお、良いタイトルじゃないか。これだよこれ。ふむふむ。
「通常、赤ちゃんは不快なこと、不安なこと、眠たい時に泣きます。つまり泣いているときは、赤ちゃんの精神状態が悪い時です。ですので、三ヶ月コリックの理由も、何かしら不快なことが起きている証拠なのですが、それが一体何なのか、実は、原因がわかっていません」
おいおい。原因わからねーのか。タイトルに「対処方法」って書いてるのは釣りネタか。
「こんな時は、あまり神経質にならずに気分転換に外を散歩するのも良いでしょう。なかなか泣き止まない場合、散歩中もずっと泣いている場合は、諦めるのも一つの手です。ほとんどの赤ちゃんに起こることなので、「そんなもの」と考え、神経質になりすぎないようにしましょう」
こらこら。諦めるのかよ。それは対策じゃねーだろ。ったくロクでもないサイトだな。などとぶつぶつ文句を言いながら続けて読んでたら、下のほうに「対策」の欄があった。なんだよ。あるじゃないか。そうだよ。知りたいのはそれだよ。なになに··
「妊娠中においての「胎教」」
って、おい。こっちはもう生まれちゃってるんだよ。もっと早く言え。っていうか、生んでからの対策はないのか。
「出産後におけるベビーマッサージ」
おおっ!これだ。なるほど。ベビーマッサージか。
「赤ちゃんの肌をベビーオイルを使ってマッサージすることで、 母と子のコミュニケーションを行うとともに、出生直後のバーストラウマを軽減させ、 さらに、身体の免疫力の向上を図る方法です。このベビーマッサージを行った赤ちゃんは、「夜泣き」や「三ヶ月コリック」の症状が、軽減、緩和される事が、報告されているようです」
参考としてベビーマッサージのやり方のサイトまで紹介してあるではないか。
http://yayoi.sakura.ne.jp/
おおおおおー。よしよし、やればできるじゃないか。そうだよ。そういう情報を探していたのだよ。さっそく「時間がないときや月齢の低い赤ちゃんに適した運動」というのを試してみた。
「左腕を下、右腕を上にクロスさせましょう」
よし、左腕と右腕とクロス・・・・と。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・腕が短すぎて届かない(笑)
「左腕を下、右脚を上にクロスさせましょう」
だから届かないんだってば。なんだよ。ぜんぜんできないじゃないか。とかなんとか言ってるうちに、我が子が泣き出してしまった。いかんいかん。「コリック」を軽減させるはずが、誘発してしまったではないか。おかしい。どうも本末転倒である。しかもどんどん泣き方がひどくなってきた。ベビーマッサージ、まったくの企画倒れである。
「音楽でも聴かせようよ」と家内が言うので、PCでモーツアルトのピアノソナタを聴かせてみた。しかし、すでに全開状態の「コリック」はモーツァルトごときで収まるものではない。
家内:「あなたがピアノでも弾いてあげれば?」
おおっ。その手があったか。さすが我が家内。良い事を言う。そうだ。そうなのだ。私は自慢じゃないがピアノを少々かじっていて、バンド活動なんかもやっちゃっているのだ。よしパパの素晴らしいピアノ演奏で我が子のコリックを鎮めてみせようではないか。
まずは定番のカノンでも・・・・。おーっと、なんと静かになったではないか。これはすごい。やってみるものである。よし、次は中国の曲はどうだ。ピアノバラードの名曲、王菲の「紅豆」だ。おお、いいぞ。静かに聴き入っているではないか。ではここで極めつけだ。家内と結婚したときに私が作曲してプレゼントしたオリジナルのバラードを弾いてみようではないか。
あ・・・いかん・・・また号泣しはじめた(哀)
真面目にベビーマッサージの勉強でもしよう。
断っておくが、私の話ではない。念のために。
先日、我が子「音宙(とら)」が夜、ミルクを飲んでいる途中で突然烈火のごとく泣き出した。いつもはミルクを飲みながら途中で気持ちよくなってきて気絶したように眠りにおちてしまうのだが、この日は違った。いつもの時間に、いつもの量を、いつもの要領で、ごく普通にミルクをあげただけである。たっぷり睡眠を取った後なので眠い訳ではないだろう。ミルクを飲んでる最中だからお腹が空いたわけでもあるまい。ミルクと一緒に何か変なものを飲み込んだようでもない。どこかに身体をぶつけたりしたわけでもない。飲んだミルクを吐き出すわけでもない。熱もない。あらゆる原因を考えてみたが、どれも当てはまらない。原因はまったくわからない。
不思議に思ってネットで調べてみた。どうやら、生まれたばかりの新生児によく見受けられる現象のことで「コリック(仙痛)」と言うらしい。夕方から夜半にかけて発作的、衝動的に突然火がついたように泣き出すもので、生後2週間頃に始まり、生後6週間頃が最もひどく、生後3~4ヶ月には落ち着くという。夕方頃に始まることから別名「たそがれ泣き」「夕暮れ泣き」とも言われているらしい。なるほど。いわゆる「夜泣き」などといわれる現象も、この「コリック」の延長線上にあるのだ。
それにしても「たそがれ泣き」というのはずいぶんセンチメンタルなネーミングだ。人生に疲れた一人暮らしのOLが日曜日の夕方TVで「サザエさん」が始まるとなんだか哀しくなって泣いちゃう、みたいな(ちょっと違うか)。
だが赤ん坊の「たそがれ泣き」は、そんな甘っちょろいセンチメンタルなものではない。乙女がしくしく涙するのとはわけがちがって、全力で号泣である。ミルクを飲ませようが、おむつを交換しようが、抱っこして「よしよし」あやそうが、何をしてもおさまらない。ただひたすら大声で泣き続けるだけだ。
どうにかならないかと思って、まず原因を調べてみた。あらゆる事象には原因がある。原因がわかれば対策もあるはず。すると「三ヶ月コリックの症状と対処方法(http://www.eagleeyesoft.com/)」というサイトを発見。おお、良いタイトルじゃないか。これだよこれ。ふむふむ。
「通常、赤ちゃんは不快なこと、不安なこと、眠たい時に泣きます。つまり泣いているときは、赤ちゃんの精神状態が悪い時です。ですので、三ヶ月コリックの理由も、何かしら不快なことが起きている証拠なのですが、それが一体何なのか、実は、原因がわかっていません」
おいおい。原因わからねーのか。タイトルに「対処方法」って書いてるのは釣りネタか。
「こんな時は、あまり神経質にならずに気分転換に外を散歩するのも良いでしょう。なかなか泣き止まない場合、散歩中もずっと泣いている場合は、諦めるのも一つの手です。ほとんどの赤ちゃんに起こることなので、「そんなもの」と考え、神経質になりすぎないようにしましょう」
こらこら。諦めるのかよ。それは対策じゃねーだろ。ったくロクでもないサイトだな。などとぶつぶつ文句を言いながら続けて読んでたら、下のほうに「対策」の欄があった。なんだよ。あるじゃないか。そうだよ。知りたいのはそれだよ。なになに··
「妊娠中においての「胎教」」
って、おい。こっちはもう生まれちゃってるんだよ。もっと早く言え。っていうか、生んでからの対策はないのか。
「出産後におけるベビーマッサージ」
おおっ!これだ。なるほど。ベビーマッサージか。
「赤ちゃんの肌をベビーオイルを使ってマッサージすることで、 母と子のコミュニケーションを行うとともに、出生直後のバーストラウマを軽減させ、 さらに、身体の免疫力の向上を図る方法です。このベビーマッサージを行った赤ちゃんは、「夜泣き」や「三ヶ月コリック」の症状が、軽減、緩和される事が、報告されているようです」
参考としてベビーマッサージのやり方のサイトまで紹介してあるではないか。
http://yayoi.sakura.ne.jp/
おおおおおー。よしよし、やればできるじゃないか。そうだよ。そういう情報を探していたのだよ。さっそく「時間がないときや月齢の低い赤ちゃんに適した運動」というのを試してみた。
「左腕を下、右腕を上にクロスさせましょう」
よし、左腕と右腕とクロス・・・・と。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・腕が短すぎて届かない(笑)
「左腕を下、右脚を上にクロスさせましょう」
だから届かないんだってば。なんだよ。ぜんぜんできないじゃないか。とかなんとか言ってるうちに、我が子が泣き出してしまった。いかんいかん。「コリック」を軽減させるはずが、誘発してしまったではないか。おかしい。どうも本末転倒である。しかもどんどん泣き方がひどくなってきた。ベビーマッサージ、まったくの企画倒れである。
「音楽でも聴かせようよ」と家内が言うので、PCでモーツアルトのピアノソナタを聴かせてみた。しかし、すでに全開状態の「コリック」はモーツァルトごときで収まるものではない。
家内:「あなたがピアノでも弾いてあげれば?」
おおっ。その手があったか。さすが我が家内。良い事を言う。そうだ。そうなのだ。私は自慢じゃないがピアノを少々かじっていて、バンド活動なんかもやっちゃっているのだ。よしパパの素晴らしいピアノ演奏で我が子のコリックを鎮めてみせようではないか。
まずは定番のカノンでも・・・・。おーっと、なんと静かになったではないか。これはすごい。やってみるものである。よし、次は中国の曲はどうだ。ピアノバラードの名曲、王菲の「紅豆」だ。おお、いいぞ。静かに聴き入っているではないか。ではここで極めつけだ。家内と結婚したときに私が作曲してプレゼントしたオリジナルのバラードを弾いてみようではないか。
あ・・・いかん・・・また号泣しはじめた(哀)
真面目にベビーマッサージの勉強でもしよう。