明けましておめでとうございます。

今日は旧暦の元旦。旧暦が社会生活に根強く息づいている中国では、これでようやく新年を迎える。昨夜、大晦日の深夜0:00直前には中国全土で恒例の大花火合戦が繰り広げられるのだが、家内の父親は初孫が生まれた新年ということもあって、いつも以上に花火に気合いが入っていた。

私も毎年このときばかりは義理の父の花火に付き合っているのだが、さすがに毎年やっているといいかげん飽きて来て、今年は家の中で大人しくしていたかったのだが、「第一子誕生の新年だお前もしっかり打ち上げてこい」と言わんばかりに無理矢理連れ出されて、打ち上げ花火や爆竹の点火係をやらされてしまった。

始めのうち義理の父は私に点火させるのだが、途中から我慢できなくなったのか自ら点火をはじめ(中国人の男達は年越しのこの花火に全てを賭けているのだ)、だんだんヒートアップしていく。私なんか火をつけたらすぐにその場から走って逃げちゃったりするのだが、中国人のオッサンたちは堂々たるものである。点火後もすぐに走って逃げたりしない。そんなのは男のメンツにかけて許さないのだ。強烈な火花を散らしながら燃え盛る花火をバックに悠々と歩いて引き上げてくる。そのシルエットはまるでジョン・ウー監督の香港映画「男達の挽歌」の主演「チョウ・ユンファ」を彷彿とさせる。

だがヒートアップしてゆく義理父を見ていて何か嫌な予感がしていたら、中でも最も強力な連発打ち上げ花火が「ドカッ」と倒れたではないか。

断っておくが中国の市販の花火は、市販と言っても日本で売っているそれと比較にならないほど強力な火力を有しており、危険この上ない。はっきり言って花火というよりは「重火器」に近い。

周囲一面に火の玉を巻き散らかしながら地面でぐるぐる回る強烈連発打ち上げ花火。それまで花火をのんきに見物していたマンションの住人達も蜘蛛の子を散らすように一斉に逃げ惑い、一瞬、あたりは阿鼻叫喚の様相を呈していた。

それでも悠々と歩いて戻ってくる義理父の足にも1発当たったようだが(笑)
家に帰った義理の父いわく。

「いやぁー危なかったなぁ」

いや、あんただよ、危ないのは(笑)

※写真は、花火を抱える出陣前の義理父と私。これで今回購入分の約1/3。残りは初4日と呼ばれる正月4日目の夜にあらためて打ち上げるのだ。
犬も歩けば