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00年代的居候のススメ

Alternative Routine Works-ももせさん

8/7 金曜

朝からバイト。バイト後、連載取材の為、園田にある編集者M氏宅へ突入。テーマは居候。家賃一万三千の風呂無し物件。上記が部屋の状態なんだが、構成が素晴らしすぎて無駄が無い。

本棚のラインナップも、この部屋に立ち入った女子、何人たりとも溢さない完璧具合。編集会議、ソトコト、スタジオボイス、インビテーション、タイトル、モノマガジン、クイックジャパン、様々なデザイン書、文庫多数。いやー、我が家の本棚に肉薄する勢いであり、客観的に見ると、ガーリー女子をひっかけようと必死な自分が気持ち悪いことにも気付く。けど、もう手遅れだ。


Alternative Routine Works-はなび

そういえば、本日は淀川花火大会。上は、出資者のネームプレートであり、寄付金額が公開されている。自宅から100mくらいのとこで、花火が打ち上げられるので、見に行く程でもないが、美味い酒でも呑もう。けど、こんな戦争回帰の時期に轟音を鳴らすなんて、結構悪趣味だな。

カレー

Alternative Routine Works-かれー

仕事をしている雑誌が出た。今回は「激辛☆新三羽烏デビュー」ということで、理不尽な辛さが右半身の痙攣を呼んだ激闘の記録を、編集者と対決形式で綴っている。

他、肉カレーページ、元町ガンダムバー潜入、立売堀メガ盛りラーメンで起きた討ち死に事変を誌面で公開。お馴染みの、貧乏ロハスネタは「歩く」で、梅田→十三ヒッチハイクに無謀な挑戦。

特製スパイスが付いてくるので、ブックファーストでの購入がお勧めかも。いや、本当に僕はカレーが好きだ。一週間に7食はカレーを食べている。今回取材した十三の印度屋は、ほぼ毎日行くし、金が無くなれば、100g80円の豚ミンチのみ購入し自家製の激辛キーマーを作成。個人的ベストは、やっぱり北浜のカシミールだけど、営業時間に寄れないのが難点である。


8/2 日曜

元町高架下で、芸人投げ銭ライブ取材。新神戸に移動し、新幹線で一路東京へ。

Alternative Routine Works-まこと

品川で下車。雨が降りしきる中、京急へ乗換え向かうは青物横丁。久々の家系ラーメンに舌鼓を打つ。この世で一番好きな食べ物は?と問われれば、間違いなく「家系ラーメン」と答えるだろう。本当に美味すぎる。高円寺に住んでたときに、創家という家系の店があって、はまりすぎて一日二回行ったりして、半年で5キロ太ったことがある。関西では京都の一乗寺に一店舗しかないのが、釈然としない。

その後、下北沢に移動し、ポッケ君と合流。翌日が、転職先の初出社日という切羽詰った状況にも関わらず、必要書類を全く用意していないという強靭な精神に、感銘を受ける。近くの適当な酒場に寄り、かけつけ一杯。「年金手帳無い?」と、ポッケ君が自宅にSOSを送る横で、生ビールを流し込む快楽。

一時間後。ANAのVOのO氏と待ち合わせ。




以前、アルバムを3枚送って頂いており、ポッケ君の紹介で改めてご挨拶。適当に入った店にボノボの人がいたのも驚いた。こちら側の音楽的知識の低さから、不用意な発言を迂闊に出来ない緊張感を感じながら、しばし雑談。その後、芸人であるピースのMが到着。同席していた編集者が元リンカランの方で、僕の連載のタイトルがビンカランという恐怖の奇遇。怒られなくて良かった……。とりあえず、5人全員揃ったということで、宴はスタート。

ピースのMとは一時、一軒家をシェアする隣人だったのだが「自宅のエアコンのリモコンが壊れた僕が、無断でMの部屋のリモコンを使っていた」という話をされ、全く覚えてないのも年月の成せる業なのかと、シミジミ思った。途中、ポッケ君が「明日やばい」とだけ言い残し帰宅。残った面子で3時過ぎまで痛飲。


Alternative Routine Works-さとう

初台までタクシー移動。盟友のS氏宅で、お互いの近況を報告しあい就寝。部屋の湿気具合が半端無く、悪夢にうなされる。


Alternative Routine Works-メーヤウ

翌日、急遽大阪で取材が入り、わずか19時間の滞在で帰阪。信濃町のメーヤウで大辛だけ気合で食べて帰る。非常にうまかった。某宗教施設本部の近くにあるので、街を歩けば感慨深い。

Backside of the Moon 

仕事をしている出版社が、泊りがけ雑誌を発行している。

先日、編集者から「7月の終わりに直島に行く」という話を耳にした。聞けば、現代美術家の大竹伸朗が銭湯をオープンする為、プレス向けの記者会見があるのだと言う。「じゃぁ折角なんで取材しましょうよ!僕、直島詳しいですよ!」と、強引にアプローチをかけ続けた結果、見事取材にライターとして同伴する権利を勝ち取ったわけだ。


7月25日 土

朝の六時に武庫之荘集合。カメラマンF氏の車に乗り込み、編集者M氏を含めた男三人の珍道中が始まった。

まず、園田の文化住宅に住むM氏が西北まで寝過ごして遅刻すると言うハプニング。集合時刻より30分遅れてのスタートは、雨が降りしきる中、不安の満ち溢れた幕開けであった。高速で3時間。1000円の恩恵を噛み締めながら、岡山県までノンストップ。フェリー乗り場の宇野に到着した頃にはさらに雨脚が強まり、フェリー乗車時間までマクドナルドで待機する。

M氏がお泊りセットを忘れるという致命的なミスを犯した為、近場のファションセンターしまむらで、激安衣服を物色。僕も、バスタオルを持参していない為、200円という破格値で購入を決意。その後、準備が整ったフェリーに乗船。宇野から直島までの所要時間は15分。極めて近いが、とりあえずデッキまで登り海風を浴びながら、叙情的な気分に浸る。うぉー!人間ーーーー!と叫びたい気分を抑えながら、同乗者に外人が多いことを確認。ヴィトンのセカンドバックを持った、白髪紳士のオーラが半端なかった。何者?

そして、草間弥生の赤カブトムシのオブジェが見え、直島の本ノ浦港に無事到着。下船後、同乗者のほとんどがプレスだったという事実に気付く。取材現場では、既にレセプションが行われており、関係者の方々が酒を飲み交わし、談笑していた。後で聞いた話だが、大竹さんと親交のあるリリーフランキーやみうらじゅんも居たとの事。


Alternative Routine Works-風呂

で、まずは銭湯「I♡湯」に突撃。建物自体が大竹さんの魅力であるコラージュで構築された作品。根底にあるのは、みうらじゅんのエロ本スクラップと同じなんだろうな。番台には島在住のおばあちゃんが立ち、NPO法人としての運営になるとの事。


Alternative Routine Works-風呂2

内部に侵入すると、男湯と女湯の間に立ちはだかるのは、巨大な象のオブジェ。聞けば、札幌の秘宝館から譲り受けたものらしい。なんでも、何年も前に、秘宝館を訪れた大竹さんが、直感的にいつか自分の作品で使用する時が来ると判断し、秘宝館が潰れることがあれば、絶対に譲って欲しいとの想いを事前に伝えていたとの事。


Alternative Routine Works-大竹

で、記者会見。ほとんど新聞記者だったぜー。ルサンチマンが燃え滾る瞬間であった。左から大竹さん、ベネッセ社長の福武さん、大阪の家具集団grafの代表である服部さん。ベネッセには一方的な恨みが合って、小学生時代に進研ゼミをやりたかったのに、親の誤った情操教育に基づき、トレーニングペーパーなる知的好奇心の可能性を破壊するドリルに従軍させられていたのだ。

その後、本村港側に移動し、釣り取材。今回は、一応アートを排除した直島での楽しみ方というコンセプト。時間が無い為、釣堀で鯛を速攻釣り上げ、その場で刺身にしてもらい喰らう。旨い。「あんたら、晩飯どうすんの?うちで食べーや」。そんな発言が飛び出すから、旅は面白い。取材である為、残念ながら断りを入れ、鯛を食った後は、風呂ということで先ほどの「I♡湯」で汗を流す。ボサノバが流れてるという切り口が、素晴らしいなと思った。


Alternative Routine Works-ぱお

夕刻。宿泊先であるパオに移動。モンゴルの移動住宅である。始めは冷房付きのコンテナに泊まる予定であったが、あまりの狭さに変更を主張したわけだ。隣のパオで飛びかうピンクの歓声。女子大生集団発見!旅の恥は掻き捨て。今夜の奇跡に期待をし、酒場取材に赴く。

そして向かった先は、ちくりんという老舗酒場。出迎えてくれたのは、精神的レベルの相当高いママ。先客として、地元民のおっちゃんが3人ほどいたが、髪が長いことで女性に間違えられ、死ぬほど酒をおごってもらう。スキンヘッドのおじいちゃんがいたのだが、帰りしなに手の甲に口付けをされる始末とは、もう意味がわからないぜ。

泥酔でパオに戻る。時刻にして22時。16時間労働。運転もしていたカメラマンのF氏の疲労が半端ない。100均で購入したトランプで定番の大富豪に勤しみ、酒を飲みながら人生を語る。そこまで熱くなる事もなく、コインシャワーを浴びて就寝。女子大生との絡みは無し!一切無し!消極的な自らの臆病さをのろいながら、悪夢に魘される。


7/26 日

Alternative Routine Works-かぼちゃ


朝7時に起床。海岸を歩きベネッセ敷地内のかぼちゃに挨拶。その後、スナックふじのモーニングを取材し、洒落にならない話を聞く。切な過ぎて書き起こす気にもならない。

そして、取材一応完了。折角との事で、地中海美術館と家プロジェクトを鑑賞。とりあえず、ジェームズ・タレル作品の神秘深さに、気絶しそうになる。人並みな感想を言えば、感動しエレクトした。

後、三菱マテリアルと直島ダムへも萌え精神でぶらり。帰宅時、助手席に座ってたにも関わらず余りに疲れ果て、爆睡したのは、本当に申し訳なかった。

Alternative Routine Works-ごみばこ

なんて、ちっぽけな存在だ!