さてはアナタ、惚れたわね?
そんな風に、しばらく5人で話していたが、
冴木雪乃とマキが、5時限目の授業に出るというので
僕と高橋も練習に向かうことにした。
グランドへ向かう途中、
僕は、今、会ったばかりの冴木雪乃のことを考えていた。
そして、気が付いた時には、こう口にしていた。
「な、高橋。冴木雪乃って、どんな子?」
シマッタ。と、思った時には遅く、
高橋は、ニタニタと笑いながら言った。
「あ。上杉ちゃ~ん。さてはアナタ、惚れたわね?」
「バカじゃねーの、ちげぇよ。ただ、聞いただけだろっ」
「ふぅ~ん。ま、いっけどね。
でも、雪乃に惚れちゃうのは、わかるよ。
かわいいし、いい子だろ?
それに、
なんていうのかな、今までに会った事のないタイプっていうかさ。
こぅ、話していると、スーっ風が通ってく感じがするっていうかさ。
自由なんだよな。たぶん。
考え方とか、大袈裟に言っちまえば“生き方”とかがさ。
あんな子が、彼女だったらなって
思うよな。フツウ。
ま、だけどさ…」
「『だけど』なんだよ」
「うん。まぁ。
友達として言わせてもらえば、雪乃はやめたほうがいいよ。
いや。お前に取られんのが悔しいとかじゃなくてよ。
ま、それもあるけど。
とにかく、やめたほうがいい。
なんつーか、グーっと持ってかれちまうんだよ。
気持ちの全部とか、自分の理性とか、これまでの考え方とか
そういう色々を。
雪乃には、そういうチカラがあんだよ。マジで。
アイツにハマっちまったら、なんか、大変なことになっちまう気がするんだよ」
「なんだよ。それ。よく分かんねぇな。
でも、あれだろ?
なんだ、地元の男とはうまくいってんだろ?
そいつは、どうなのよ? 普通に付き合ってんだろ?
そいつにできて、俺にできねーこともねーだろ?」
「なんだよ。やっぱり、上杉、惚れてんじゃん。」
「惚れてねぇよ、たとえばの話だよ」
「『たとえば』ね…。まぁ、いいや。
オレ、宗佑ちゃんのこと好きだから、そういうことにしてア・ゲ・ル」
「マジで、気持ちわりぃな、お前」
「うん、もう。宗佑ちゃんのイジワルっ」
「いい加減やめろよ」
「ちっ。キレんなよ。
ノリが悪ぃんだよ。上杉はよ。
そうそう、でな、名古屋の男とは、別れちまったみたいだせ。
ハッキリとした理由は聞いてねぇけど、
でもまぁ、オレの推測では、そいつも飲まれちまったんだよ。雪乃に。ゴクンと。
かわいい、いい子なんだけどな、雪乃。
雪女みたいなんだよ。
宗佑ちゃんも、気をつけないと 魂を持っていかれちゃうわよ~」
「うっせーな。バカじゃねーの。
なんでオレが、あんな女にハマるんだよ。
ありえねーよ。 絶対に。
第一、オレには加奈がいる」
「そりゃ、失礼いたしました。
そういえば、加奈ちゃん元気?
また、合コンしよーよ って伝えてよ。
あ、でも、あれか。
加奈ちゃんたち、そろそろ、看護婦さんの試験なんだよな。
早ぇーな。もう、社会に出ちまうんだな」
そんな高橋の言葉を聞きながら
“僕には加奈がいる。
雪乃を好きになってしまうなんて
ありえねーよ。絶対に”
僕は
なぜか自分に
こう言い聞かせていた。
冴木雪乃とマキが、5時限目の授業に出るというので
僕と高橋も練習に向かうことにした。
グランドへ向かう途中、
僕は、今、会ったばかりの冴木雪乃のことを考えていた。
そして、気が付いた時には、こう口にしていた。
「な、高橋。冴木雪乃って、どんな子?」
シマッタ。と、思った時には遅く、
高橋は、ニタニタと笑いながら言った。
「あ。上杉ちゃ~ん。さてはアナタ、惚れたわね?」
「バカじゃねーの、ちげぇよ。ただ、聞いただけだろっ」
「ふぅ~ん。ま、いっけどね。
でも、雪乃に惚れちゃうのは、わかるよ。
かわいいし、いい子だろ?
それに、
なんていうのかな、今までに会った事のないタイプっていうかさ。
こぅ、話していると、スーっ風が通ってく感じがするっていうかさ。
自由なんだよな。たぶん。
考え方とか、大袈裟に言っちまえば“生き方”とかがさ。
あんな子が、彼女だったらなって
思うよな。フツウ。
ま、だけどさ…」
「『だけど』なんだよ」
「うん。まぁ。
友達として言わせてもらえば、雪乃はやめたほうがいいよ。
いや。お前に取られんのが悔しいとかじゃなくてよ。
ま、それもあるけど。
とにかく、やめたほうがいい。
なんつーか、グーっと持ってかれちまうんだよ。
気持ちの全部とか、自分の理性とか、これまでの考え方とか
そういう色々を。
雪乃には、そういうチカラがあんだよ。マジで。
アイツにハマっちまったら、なんか、大変なことになっちまう気がするんだよ」
「なんだよ。それ。よく分かんねぇな。
でも、あれだろ?
なんだ、地元の男とはうまくいってんだろ?
そいつは、どうなのよ? 普通に付き合ってんだろ?
そいつにできて、俺にできねーこともねーだろ?」
「なんだよ。やっぱり、上杉、惚れてんじゃん。」
「惚れてねぇよ、たとえばの話だよ」
「『たとえば』ね…。まぁ、いいや。
オレ、宗佑ちゃんのこと好きだから、そういうことにしてア・ゲ・ル」
「マジで、気持ちわりぃな、お前」
「うん、もう。宗佑ちゃんのイジワルっ」
「いい加減やめろよ」
「ちっ。キレんなよ。
ノリが悪ぃんだよ。上杉はよ。
そうそう、でな、名古屋の男とは、別れちまったみたいだせ。
ハッキリとした理由は聞いてねぇけど、
でもまぁ、オレの推測では、そいつも飲まれちまったんだよ。雪乃に。ゴクンと。
かわいい、いい子なんだけどな、雪乃。
雪女みたいなんだよ。
宗佑ちゃんも、気をつけないと 魂を持っていかれちゃうわよ~」
「うっせーな。バカじゃねーの。
なんでオレが、あんな女にハマるんだよ。
ありえねーよ。 絶対に。
第一、オレには加奈がいる」
「そりゃ、失礼いたしました。
そういえば、加奈ちゃん元気?
また、合コンしよーよ って伝えてよ。
あ、でも、あれか。
加奈ちゃんたち、そろそろ、看護婦さんの試験なんだよな。
早ぇーな。もう、社会に出ちまうんだな」
そんな高橋の言葉を聞きながら
“僕には加奈がいる。
雪乃を好きになってしまうなんて
ありえねーよ。絶対に”
僕は
なぜか自分に
こう言い聞かせていた。